ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2023年9月27日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信

供給不足は需給調整不可能の証左
   規制緩和によってタクシーが増えたとは言えない
           慶應義塾大 竹中平蔵・名誉教授

 世代によって受けとめは違うと思うが、「規制緩和」と聞いてすぐに思い浮かぶ人の一人が竹中平蔵・慶応義塾大学名誉教授だ。小泉政権時代には複数の閣僚ポストを歴任し、1期に満たないが参議院議員も務め、小泉首相とともに郵政民営化にかかわる劇場型政治では間違いなく主役級の一人。著名経済人のみならず、前首相や新旧閣僚が自家用車ライドシェア解禁に前向きの発言を繰り返す昨今、「元祖規制緩和」の竹中氏に話を聞いてみた。

―橋本内閣が閣議決定し、森内閣が道路運送法を改正、小泉内閣で実行されたタクシーの需給調整規制撤廃、運賃の弾力化などの規制緩和措置を振り返っての評価をお聞かせください。また、その反動として制定されたタクシー事業適正化・活性化特別措置法による参入・増車規制及び公定幅運賃制度の導入など一連の再規制措置をどのようにお考えになるでしょうか。
竹中
 まず、「小泉・竹中改革」で何でも自由化したみたいな言い方がよくされるんですが、いまのお話の通り、タクシーの規制緩和は90年代から決まっていた話です。人材派遣の話も実は同じなんです。しかもタクシーについて、わたしは担当大臣でも何でもなかった。当時の運輸大臣は扇千景さん(*第2次森改造内閣で運輸相、その後中央省庁再編で初代国交相に就任)だったかと思います。
 需給調整という概念は非常に特殊な状況下で成り立つものであって、普通は需給調整というものは経済の中でそうそうあるものではないんです。例えばパン屋さんで需給調整しているのか?タクシーというのはある種の公共性が認められる。しかも、閉ざされた空間の中で運転手さんとお客さんが乗るものですから安全を確保しなければならない。その意味ではタクシーという形態は非常に重要な役割を果たしてきたことは間違いありません。
 90年代に規制緩和の大きな流れができたのは、当時内外価格差の問題があり、日本はいろんなものが高い、とりわけタクシー運賃も高いというようなことが言われる中で、こうした流れが出てきたわけです。実はその後、大きな反動が出てきて、2009年のタクシー特措法制定、14年の同法改正と続いていくわけですが、これは明らかにおかしい。なぜなら、わたしも調べてみたんですが、リーマンショックがあってその時、タクシー業界だけではなくどこも大変な状況でした。コロナ禍も同じで、その時は大変だけれど、どの業界も大変なわけです。01年の規制緩和前年度から07年度までタクシーは増えたと言うけれども、数字でみれば全国で6.8%の増加になっています。その間に実質GDPは8.7%増えています。いろんな意味で経済がプロポーショナルに大きくなるものとすれば、タクシー台数も9%程度増えていてもおかしくないのに、実際には6.8%にとどまっているんです。そういう意味で、タクシーは規制緩和によって増えたとは言えないんです。「経営が苦しくなった」とかいろいろ言われるのは、経済学的に見て常識的には、「いままでの供給制約の中で超過利潤(*通常には起きないような出来事などを原因として、そこから想定よりも多く発生することとなった利潤のこと)を受けていた業界の超過利潤がなくなった」ということです。超過利潤がなくなったことに対して保護を求めた。それが09年、14年の話だと思います。しかし、実際のところその頃からまったく別の業界事情になってくるわけです。それは第4次産業革命(*IоT<モノのインターネット>やAI<人工知能>、ビッグデータを用いた技術革新のこと)です。

この10年で最も成長した産業はRS
 第4次産業革命のきっかけになったのは、スマートフォンです。アイフォンができたのは07年です。日本での発売が08年。そこで何が起きたか?これはホリエモン(*実業家・堀江貴文氏)がよく言うんですが、「これは国民を騙した。スマホをおしゃれな電話だと思って買ったけど、実際は電話ではない。これは小さなパソコンだ」と。スマホによってデジタルなデータが膨大にため込むことができるようになった。情報交換、予約、決済などのほか、購入履歴も残ります。こうしたことが07年頃から始まって、12年には人工知能の機械学習(*AIに内包されるもので、特定のタスクをトレーニングにより機械に実行させるもの)、ディープラーニング(*人間が自然に行うタスクをコンピュータに学習させる機械学習の手法のひとつ)が出てくるわけです。そういう中でライドシェアという概念が出てきたわけです。タクシーが重要な役割を果たしたというのはわたしもその通りだと思います。その辺を走っているクルマに「どこそこへ連れて行ってくれ」と言っても、どこへ連れていかれるかはわからない。それを国がきちんと管理するシステムになっているわけですが、ビッグデータでそれを管理できるようになったわけですから、別に国が管理しなくても良いんじゃないかというのが、ライドシェアの形です。
 わたしは交通経済の専門家ではありませんが、マクロ経済の観点から見ていくと一番残念なのはこの10年くらいの間に実は最も成長した産業は何だったかと言えばライドシェア産業ですよ。なにしろ10兆円企業が出てきたわけですから。10兆円企業と言えば日本のメガバンクの規模に相当します。その機会を日本は逃してしまったわけで、そこがまずマクロ的に見て残念なところなんです。利用者としても、わたしも地方出身ですが、地方に行くとタクシーがつかまらない。呼んでも30分来ないとか、1時間以上来ない場合もあります。そういうことがしょっちゅうあるわけで、国民のニーズが多様化していく中で、また、テクノロジーがそれを満たすことを可能にしている中で、依然として需給調整というアナログな世界が残っているというのはやはり変えていかなければならないなと思いますね。
―09年に米国西海岸でウーバーテクノロジーズが創業して以来、自家用車ライドシェアは世界的な広がりを見せていますが、海外における自家用車ライドシェアの評価についてお聞かせください。
竹中
 各国の事情をそんなに詳しく知っているわけではありませんが、米国でウーバーが、それに対抗するものとして中国のDiDiが出てきた。また、シンガポールではグラブが登場しました。インドネシアではゴジェックが出てきて、それぞれが兆円単位の企業に成長しています。ここ10年ほどで過去最高の成長産業だったと言えるでしょう。もちろん、その成長プロセスではいろんな問題が生じているわけです。いろんなアクシデントがあって規制を強める面もあったり、また緩めたり。インドネシアなどでは当然のようにタクシー業界が大反対して、一時は事業をやめそうになったところを大統領令でなんとか持ち直させたり、政治上のドラマもありました。
 そういった経過もありますが、やはりこれは便利なものですよね。わたし自身は米国でしか使ったことはありませんが、いろいろクルマを選べてどんな時も、例えばエンゼルスの野球を見に行った時も、需要と供給を一致させる機能があって、運転手の評価もできる。これは第4次産業革命の象徴になっているのだなと思います。
 インドネシアなんかでは、人を運ぶのではなくモノを運ぶ。一緒にマッサージ師や医師を連れてくるなど事業に拡がりを持たせています。そういう可能性をいままでは示してきたと言える。もちろん、国によって状況はかなり違っています。例えば、ドバイなどではライドシェアをタクシーがやっていない高級車で認めましょうとか、いろんな工夫をしながら、何らかの形で第4次産業革命の制度を取り入れようとしている。それが現状だと思います。
―いまのお話でも少し触れられていましたが、いわゆる自家用車ライドシェアが登場して12年余が経過しており、各国の公共交通機関や規制当局との摩擦を経て安全確保のための規制やドライバーの権利保護のための規制なども強化されつつあり、ライドシェアが登場した当時とは様相が違ってきていますが、これについてはどのようにお考えですか。
竹中
 これについては当然のことと言えるでしょう。まさにアジャイル(*方針の変更やニーズの変化などに機敏に対応すること。その能力)にやっているということではないでしょうか。100%完璧な制度などどこにも存在しません。タクシー事業の枠組みだってそうだと思います。いろいろ問題が起きて、それに対応すべく近代化センターができて、現在はその呼び名も変わりました。銀座の乗車禁止地区などもその必要があって設定されてきたものと思います。工夫を重ねて少しでも良くしようとやっているわけです。まだ、ライドシェアというのはその途上にあり、「マイナンバー」と同じで、問題が出てきたら、「オール・オア・ナッシング」ではなく、アジャイルにもっと「ここを修正しよう」とか、そういうことをやっていくのが普通の社会なのではないでしょうか。
―また、10兆円規模の企業が複数誕生したことを高く評価されていますが、ライドシェアプラットフォームの時価総額は確かに相当なものですが、配車事業そのものは黒字だったことがなく、実態を伴っていないのではないでしょうか。
竹中
 それは電気自動車と同じなんです。テスラも赤字続きです(*20年通期以降は黒字に転換)。だから実態がないかというとまったくそんなことはない。将来の価値を割引現在価値(*将来得られる価値を現在受け取るとしたらどの程度の価値になるかを計算したもの)に直しているものですから、そこはやはり多くの人々が、これが将来非常に重要な事業になると認めているということで、その評価軸は正しく受け入れる必要があると思います。
―日本国内における自家用車ライドシェアの解禁について数年前にはソフトバンクグループの孫正義代表が株主総会等の場で「いまだにライドシェア解禁もできないバカな国」と日本の行政を酷評、三木谷浩史氏率いる新経済連盟がライドシェア解禁提案をたびたび政府に要望してきました。一方で政府は規制改革推進会議などの公の場では一度もライドシェア解禁を議論してきませんでしたが、これについてはどのようにお考えになりますか。

「安倍内閣で何度も議論した」
竹中
 いや、安倍内閣の成長戦略会議などでは何度も議論していますよ。それに対して何が起こったかというと、そもそも「ライドシェアという言葉を使うな」という猛烈な圧力がタクシー業界からかかったんです。
―その結果、公式にはライドシェア解禁について議論されなかったということになっているのではないのでしょうか。
竹中
 これはあくまで想像ですが、政府に対するタクシー業界の政治力の強さを実感したということになるでしょうか(笑)。理由は簡単で、タクシー業界と医師会というのはどの選挙区にもあるんですよ。どの選挙区にもあって一定の票を持っている。だからどの政治家も影響を受けるんです。ですから、ライドシェア解禁、強力にこれをやろうという政治家が出てこないんです。そのため、ライドシェアという言葉そのものも使わないで、替わりにあの何とかいうやつですね(笑)。
―自家用有償旅客運送でしょうか。その活用の議論はしばしば行われてきました。
竹中
 普通にタクシー業界の政治力の影響を受けない三木谷さんや孫さん、わたしはライドシェアと言っていますね(笑)。
―そうした著名な方々はライドシェア解禁とおっしゃっているものの、公の場では議論された痕跡が残っておらず、議題や議事録には載らないまま今日まで来ている。
竹中
 本当のところは分かりませんが、ライドシェアという言葉を使うなという圧力に政治が屈しているわけです。ところが現実に何が起こっているかというと、過疎地等では自家用有償旅客運送という形で認められているものもあり、国家戦略特区で行われている例もあります。例えば兵庫県養父市などでも広瀬(栄)市長が特区での自家用有償運送に取り組まれましたが、その際もものすごい圧力がかかったわけです。そういうことの繰り返しで政治家たちは依然として腰が引けている状態ということだと思います。
 しかし、それによって世界で最も成長する産業を国内に根付かせる機会を逃しているわけですから。それを逃しておいて、「成長戦略」も何もないでしょう。産業競争力会議でもそういったことは申し上げたような気がしますが。
―法人タクシー事業者は全国で約6500社、総売上もピーク時で2兆円程度。自動車メーカーでいうと中堅1社分くらいの規模感しかありません。そんなに政治力があるのでしょうか。
竹中
 あると思いますね。運転手さんの数、車両の関連部品を供給している会社などもあります。政治家というものはすごくナーバスなもので、不特定多数の有権者を相手にしなければなりません。例えば、ポスターを貼ってくれる、100枚貼ってくれるというだけで、ものすごい支持者の広がりに繋がると考えるわけです。次の選挙で自分はゼロ票かもしれないという恐怖感があって、ポスターなどの活動により100票、200票、500票と積み上げていければ、そしてそれが自陣営に入るか、ライバル陣営に入るかと考えるとそれは決定的な差がつくというふうに考えるわけです。やはり選挙を通じたタクシー業界の存在感というのは強いんじゃないでしょうか。医師会も同じことです。お医者さんの数自体はそんなに多いわけではありません。
―最近では政府の新しい資本主義実現会議において民間有識者委員の1人であるZホールディングスの川邊健太郎会長が早期のライドシェア解禁を求める意見書を提出しています。また、日本維新の会の創設者でもある橋下徹氏が近著「日本再起動」においてライドシェア解禁を求めています。こうした動きについてどのようにご覧になりますか。
竹中
 これはもう、経済の最前線で仕事をしておられる方々は世界の状況を見て、普通に考えることだと思います。やはり隣でこんなに成長している企業があるのにこちらではやらせてもらえないと。「なんで?」というのはごく普通の意見だと思いますね。そういうふうに思っている人が声をあげ始めた。経済の最前線にいる人ならみんなそんなふうに思っているのではないでしょうか。

求められるのは保守改革路線
―国政政党では日本維新の会が唯一、公約にライドシェア解禁を掲げていることについてどのようにお考えになりますか。また、与党が消極的なことについてはいかがでしょうか。
竹中
 いま日本で何が起こっているかというと、多くの人は保守の改革を求めている。政党で言えば保守系政党による改革を求めているということだと思います。保守とは何かといえば、大事なものは守らなければならないが、大事なものを守るためには変えるべきところを変えなければいけないんだというのが本当の保守だと思います。現状維持ではないわけです。与党はどうしても現状維持型になりがちなので、それに対する保守の改革派の旗を維新が掲げている。当然のことながら成長を進めるためには改革が必要だから、ここは変えなければならないと主張している。そういう中でこうした公約も自然に出てきたんだと思います。

「タクシーは残ると思う」
―仮にライドシェア解禁が実現したとして、タクシーとライドシェアは共存可能でしょうか。タクシーは公共交通機関の一員として終電後や大規模災害でも復旧の早い地域住民の移動のセーフティネットとしての役割も担ってきた側面がありますが、そのような役割は不要とお考えになりますか。あるいは、ライドシェアで代替可能なのでしょうか。
竹中
 例えばドバイのように両者が棲み分けをしている場合もありますし、ニューヨークでも共存ができています。それはやってみれば良いじゃないですか。タクシーが重要な役割を果たしてきて国民の信頼を得ているという話はよく聞きますが、そうであるならば堂々とライドシェアと競争すれば良いじゃないですか。わたしはタクシーは残ると思います。ただし、タクシーが国民の多くを、とりわけ地方部で満足させているかというとそれもちょっと違うなと思うんです。いまだにタクシーは停まってくれない時もあるし、乗りたい時に乗れないこともしばしばです。
―最近では国土交通省もタクシー業界も人手不足に起因する「タクシーの供給不足」を叫ぶようになりました。ご自身でもそのようなことを実感されているでしょうか。この部屋の窓から見える東京駅丸の内口タクシー乗り場では客待ちタクシーの列ができています。お盆の最中という事情もありますが。
竹中
 お客が列を作ったり、タクシーの側が列を作ったり、それはまさに供給を一定としているからです。余る時は余り、足りない時は足りない。供給がもっと自由になるライドシェアにすれば、もっと需給関係は楽になります。タクシーはつかまらない時は本当につかまりません。
―供給不足ということを言いながらもタクシー特措法に基づき東京、大阪、名古屋などの大都市部を中心に「タクシーは供給過剰である」として準特定地域に指定していることと、昨今の供給不足との関係についてはどのようにお考えになるでしょうか。
竹中
 最初にも言いましたが、そもそも政府に需給調整などできるのか?ということです。そんなこと、わかるんですか政府に?需給も時間、場所によっていろいろ違うわけですから、需給調整という考え方そのものがものすごく古い発想だなとわたしは思います。それはものすごく経済の規模が小さくて、ある程度経済の展望が見やすい時期などに有効だったこともあったけれど、人々の行動がこれだけ複雑化し、多様化している中で政府に需給調整なんかできますか?しかも、国交省の自動車局長は2年に1回は代わるわけです。そんなこと分かるわけがないんです。需給調整などというものは虚構に過ぎません。
―昨今の人手不足を背景にしたタクシーの供給不足の中で、乗務員の要件になっている2種免許についても、期間限定で免除しようという提案が業界側からなされています。
竹中
 いままであれだけ頑固に拒否していたものが、人手不足で困ってきたら事情が変わるんですね。まあ、それはそれとして期間限定でもやれることからやれば良いと思います。やってみて、それが良い、便利だねということになればそれを継続的に続けていくというとにすれば良いと思います。
 ただ、まあタクシーの供給不足という言い方がされていますが、それはまさに需給調整ができていないという証明なんです。需給調整が行われていることになっているはずなのに、それができていない。供給過剰だと言いながら、供給不足だと言う。需給調整は虚構だというのはまさにこういうことなんですね。
 一方、人手不足の問題は全産業の問題です。そこは別の次元で考えないといけない。2種免許というある種の参入障壁を改めるというのがタクシー業界にできることの一つだと思いますが、外国人労働者の積極活用など、他産業も含めて解決していかなければならない問題もあります。
 2000年代前半に規制緩和を行った際にタクシー乗務員の賃金労働条件が大変なことになったと言われたりもしましたが、それは労働基準監督の問題です。規制緩和してもしなくても労働基準監督の問題はきちんとやらなければならない。そういう問題が常にごっちゃにされてきた感じはしています。
―旧運輸省時代にタクシー規制緩和が論じられ、「経済的規制は緩和、社会的規制は強化で悪質事業者の退出を促す」という話でしたが、実態としては監査・監督の機能はまったく不十分でした。
竹中
 そのとおりであり、社会的規制の強化は機能しませんでした。それは誰の責任かと言えば、労働基準監督について責任を負うべき官庁としては厚労省です。
―しかし実際には誰も責任をとりませんでしたし、タクシー業界としてはもう「規制緩和」という甘い言葉には騙されないぞとなりました。
竹中
 それはその通りでしょうが、それは社会的規制の強化が十分でないこと、労働基準行政の在り方等を批判すべきなのであって、経済的規制の緩和を批判すべきではないと思います。
―最後にこの機会にタクシー事業者に対して言っておきたいことなどがあればご自由にご発言下さい。
竹中
 これからモビリティの問題というのは、MaaSなどテクノロジーの進化を取り入れて大きな変化が出てきます。テクノロジーの進化に対応できるような経営体制をどんどんとっていって欲しいと思います。例えば合併などを通じてある程度企業規模を大きくすることも必要でしょうし、参入障壁のカベをより低くして良い意味での競争環境の中でタクシー業界全体が良くなっていくということが、業界のためでもあるし、国民のためでもあると思います。ですからそういう方向を是非目指してほしいですね。かたくなに「ライドシェア」という言葉を使うなという姿勢はもはや時代遅れ、いかがなものかということです。
―有り難うございました(8月18日、千代田区の新丸の内ビルディング・パソナオフィスで収録)。
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事業者大会特別号第1特集 9月27日号  主な内容
ライドシェア解禁要望の過熱
               〜失政のツケを払うべきはタクシー業界か?
ライドシェアとの共存は念頭にあらず
               〜全国ハイヤー・タクシー連合会会長 川鍋 一朗氏
:供給不足は需給調整不可能の証左(慶應義塾大 竹中平蔵・名誉教授)
               〜規制緩和によってタクシーが増えたとは言えない
:RS阻止のため、新しいルールづくりをしよう
               〜武居利春氏(全タク連副会長兼労務委員長)
今こそ国民は安全・安心の「運送の尊さ」を再確認すべき
               〜筒井基好氏(京都府タクシー協会会長)
供給不足対策で法人各社が一致団結
               〜JR京都駅から走り出す乗合タクシー
:ライドシェア推進派への統一した反撃が必要だ
               〜坂本篤紀氏(東宝・日本城グループ代表)
「現場で汗する人々を守るため」
               〜坂本克己・最高顧問、ライドシェア解禁の危機突破へ
:全タク連の旗の下に団結した対処を
               〜ライドシェアとは同じ土俵では闘えない(大タ協・坂本会長)
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速さ+確かさ
交通界速報(『交通界21』特別サービス号/ 週3回配信)

 

交通界速報 関東版
乗務員募集に先行投資を
        「これまでと同じ」では事業継続は困難
                      共同会見でRS報道過熱に見解

【東京】全タク連の川鍋一朗会長は11日、本紙等タクシー専門紙3社との共同会見にリモートで応じ、菅義偉前首相のライドシェア解禁検討発言以降の追随発言、一般紙・テレビ等による報道の過熱状況について、解禁一辺倒の以前のブームに比べれば冷静な議論ができる環境だとしつつ、タクシー業界として供給増加に全力を尽くさないと何かしら起きるとの危機感を持っており、「1分も無駄にはできない」との認識を示した。
 昨今のライドシェア解禁報道の過熱を踏まえて川鍋氏は、「冷静な論議ができるという土壌があることを根拠に安心感を持っている方がいるとすれば、それは間違い」と指摘。8月25日を締切とする全タク連の「乗務員増加の打ち手の総点検」結果の生データを各都道府県タクシー協会を通じて配布し、各地域、各事業者の自助努力で取り組んでほしいと要請した。あわせて、「この時期に、誰かがやってくれると思っている方がいるなら、即座に姿勢を改めてほしい。これまでと同じが良いという方はもはや事業継続は難しいだろう」と述べた。
 また、東京、神奈川、大阪での地理試験の廃止などの例をあげ、タクシーの規制緩和により乗務員養成の時間短縮が急務と訴えるとともに、「政策的なことは全力で取り組むが、事業者の皆さんには乗務員募集にもっとお金をかけてほしい」と呼びかけ、先行投資なしに今の流れを変えることはできないと強調。また、観光地のタクシー不足がクローズアップされている問題については、ニセコ、沖縄、軽井沢、白馬などをあげて、地域の自治体首長と地元タクシー協会などが連携した取り組みが必要だと述べた。ニセコでは12月から翌年2月までの3カ月間、札幌からタクシーを配置できるようになったとし、「ニセコモデル」を各地に広げたい考えも示した。

〜タクシー規制緩和で「日本型RS」に
 このほか川鍋氏は、冷静な議論ができる環境がそのまま「ライドシェアとタクシーの共存を意味するものではない」と説明し、タクシーの規制緩和を進めていけば、それが「日本型ライドシェアと呼べるものになる」とし、「緑ナンバーのタクシーで海外のライドシェアが持っているような機能は、ほぼすべて実現できる」などと述べた。また、ライドシェア報道の過熱の背景と全タク連のメディア戦略、準特定地域における供給過剰と現在の供給不足との制度矛盾、国交省の森哲也・旅客課長がかねて提唱してきた「2〜3年ローテーション」での運賃改定は現行審査基準では事業者が赤字にならなければ申請できず、ここ1年ばかりの運賃改定による増収の下では実現不可能ではないのかとの本紙記者の質問などに答えた。
〔9月22日号関東版掲載〕  <Topへもどる>

2023年9月22日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 横浜 】黒岩知事の「神奈川版RS構想」/関運局「具体的な相談ない」
【 横浜 】供給輸送力確保対策で特別委/神タ協 定例役員会で設置決定
【 東京 】早期の運転者証切替えへ/東タク協が手数料助成
【 東京 】地理試験廃止を申し入れへ/川鍋会長提案、理事会で承認
【 横浜 】タク関与の死亡事故でコメント/関運局 大森・技安部長
【 東京 】管理者は「やる気スイッチ」を/事故防止責任者講習会
【 東京 】前年比12件増の215件/東個交通共済 4〜7月の事故報告
【 東京 】事故ゼロに再びチャレンジ/実用興業、21日から
【 横浜 】「ワンボックスは利用少ない」/港南区のデマンド交通実証実験
【 横浜 】日車、総営収とも全地区で増収/関運局管内 8月原計輸送実績
【 横浜 】関運局 事業用自動車安全施策23
【 東京・横浜 】「DiDi」神奈川で600両増加
【 訃報 】福羅 美枝さん
 
2023年9月16日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】赤字前提の運改審査基準が限界?/供給不足・過剰の矛盾「認識している」/国交省 森・旅客課長がBFで私見
【 東京 】新経連「首相に期待」/内閣改造を受け優先課題提言
【 東京 】省令通達改正へパブコメ募集/国交省ラスワン検討会関連
【 東京 】「少し変えるだけで対応できる」/全タク連田中副会長
【 東京 】「最大の対策は安全・安心のPR」/東タク協・秋山副会長
【 東京 】「より良い採用方法の追求を」/武居委員長 全タク連労務委
【 東京 】8月末の乗務員数充足率を公表/19年3月末との比較 全タク連
【 東京 】運転者数、5月以来のプラスに/多摩地区8月分運転者交付数
【 東京 】国交省人事(13日・15日付)
【 東京 】全車両、禁煙表示を決定/運輸規則改正で 都個協理事会
【 東京 】事務担当者研修会 開催/インボイス制度など 都営協
【 横浜 】「RS推進発言、非常に残念」/都市交通労組大会 水野委員長
【 大阪・鳥取 】「とりモビ運行」10月開始/鳥取ハイヤー協組+ウィラーG
【 東京 】マスク着用 本人判断へ 日交
 
2023年9月15日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】「タクセンの地理試験」廃止へ取り組み/乗務員養成のスピードアップを目指して/全タク連・正副会長会議で川鍋会長
【 東京 】重大交通事故発生状況を公表/全タク連 交通安全委員会
【 東京 】東京の8月営収は96.0%/全タク連 19年対比サンプル調査
【 東京 】13万6000人超がUD研修受講/全タク連 石川・ケア輸送委員長
【 東京 】RS解禁促進に改めて懸念表明/グリーンキャブ・高野社長
【 東京 】川鍋氏が代表権なき取締役に/系列では代取会長 日本交通
【 東京 】小川部会長らを再任/交通労連ハイタク部会
【 東京 】事故防止運動実施要領案を承認/東個交通共済協組理事会
【 東京 】英語検定20人が合格/東京タクシーセンター
【 横浜 】法人14社、個人1者車停処分/関運局 ハイタク行政処分
 
2023年9月13日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】地方で1種免許の旅客運送実験の恐れ/「タク会社が責任持って制度設計すべき」/全タク連 武居・副会長兼労務委員長
【 東京 】ライドシェア検討発言に抗議/神奈川・黒岩知事へ 自交総連
【 東京 】RS反対を再びアピールへ/ハイタク労働団体「地道な活動」
【 東京 】S.RIDEの海外提携の契機?/大衆Gが大和自交を答礼訪問
【 東京 】八重洲口乗り場にポーター配置へ/東タク協・東タクセンが計画
【 東京 】岐阜県羽島市でmobi運行へ/CM社 24年9月30日まで
【 横浜 】関運局 秋の交通安全運動概要
【 東京 】近隣保育園児に安全教育/ピーポ君も出動 政和自動車
【 東京 】シティハンタータクシー 限定走行/S.RIDEとNテクノロジー
【 東京 】英語レッスン第10弾は「道案内」/東タクセン、7日から公開
【 東京 】ハイクラス車両配車の実証実験/電脳交通「SmartLimo」
【 東京 】永年継続表彰に東京ナイトタク/グリーン経営認証8月分
【 訃報 】秋山豊氏 死去
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速さ+確かさ
交通界速報(『交通界21』特別サービス号/ 週3回配信)

 

交通界速報 関西版

RS導入論に対し供給不足対策が重要 
                 近運局 北川・自動車交通部長

【大阪】近畿運輸局の北川健司・自動車交通部長は21日、定例記者会見で、タクシーの供給不足を理由とするライドシェア(RS)解禁論について、供給不足対策が喫緊の課題との認識を示した。
 菅義偉前首相などがRS導入に前向きな検討姿勢を示していることに対する受け止めを問う質問に北川氏は、「タクシーの供給がインバウンドなどの需要に追い付かないことを踏まえ、発言をされたと承知している」と前置き、「国交省においては地域における旅客輸送需要への対応は重要であり、特に現在インバウンドの回復により観光ピーク時における交通サービスの供給が需要に追い付かない地域が生じていることは喫緊に対策を講じるべき、解決すべき課題と考えている」とした。その上で、「RSについては運行管理や車両整備について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う業態を前提としており、安全確保の観点からも問題があると考えている。国交省としてはタクシーなど安全・安心な交通サービスがインバウンド需要にもしっかり応えられるよう各種支援に取り組んでいきたい」と答えた。
 また17日放映の「日曜報道 THE PRIME」で黒岩祐治・神奈川県知事が述べた「神奈川版RS提案」の実現性について、「具体的な話は分からないので、実現可能性は回答し辛づらいが、この話もインバウンド需要の増加にタクシーの供給が追い付いていない場合があるというのが根本にあると考えており、その点を踏まえて今やっている人材確保、人手不足対策等の支援を進めていくのが急がれる」と述べた。
 特区申請による自家用RS導入の可能性については、「規制改革特区絡みのことなので具体的には分からないが、過去にも全国にそういう制度はあった」と答えるとともに、改正地域公共交通活性化再生法に基づく自家用有償運送と「神奈川版RS」との差異については、「自家用有償は(運転者が)登録を受けているということと一般ドライバーが1種免許で講習を受けているが、神奈川案は(現時点では)分からない」とした。
〔9月22日号関西版掲載〕 <Topへもどる>

2023年9月22日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】近く関係機関と啓発活動/近運局が「中国式白タク」対策で
【 京都 】京都北部地区で運改申請開始
【 京都 】日車営収 昨年比7285円増/京タ協 8月の原計輸送実績
【 神戸 】年内に淡路島、兵庫北部で運改実施/兵タ協 9月度理事会
【 神戸 】兵庫県警と意見交換/全自交兵庫地連
【 京都 】タクシー車両の利便性をアピール/京タ協「トラックフェス」参加
【 大阪 】「タイガーキャブ」が稼働開始/東洋タクから譲受のエニーウェア
【 大阪 】RS導入巡り激論/日本城タクシー・坂本社長
【 京都ほか 】車いす乗車拒否実態調査/DPI日本会議が10月20日
【 大阪・神戸 】受験生送迎パック販売開始催/20日から 東京・日本交通
【 大阪 】QUICpay運用開始/16日から 阪急タクシー
【 大阪 】代理店業務提案が2度目の否決/全大個協組 臨時総代会
【 大阪 】申請期間中のインボイス取得/全大個協会 山口副会長が説明
【 大阪 】全大個協組 事業委員会開催
【 大阪 】全大個協組 総務委員会開催
【 大津 】大津第一交通が求職者にアピール/ハロワの「業界を知るセミナー」
【 大阪 】関西エリアで1096両に/日交G関西 毎日交通と業務提携
 
2023年9月16日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】「地理試験廃止要請」に賛同の声/大タ協理事会で坂本会長が報告
【 東京ほか 】過疎地で80歳まで個タクを許可/国交省が通達改正案を公表
【 奈良 】「分割休息」実現へ始動/奈タ協 自治体等への訪問を開始
【 東京 】大阪の8月営収は99.4%/全タク連 19年対比サンプル調査
【 大阪 】「身近なところから努力を」/関協の臨時総会で古知理事長
【 京都 】京タ協が「乗合タク」で協議/実証実験実現会議
【 京都 】市の支援事業概要を説明/京タ協「未来創造会議」
【 神戸 】乗り場表示灯等の費用が懸案/神戸・阪神間 サービスセンター委
【 大阪 】RSなどへの反撃に期待/大タ協加入の壽タク・浦木山氏
【 大阪 】JR新大阪起点に街宣行動/自交大阪 府下4乗り場で展開
【 大阪 】谷委員長を再任/近鉄タク労組 役員改選
【 大阪 】全体で90%以上がインボイス参加/全大個協会 理事会で報告
【 大阪 】余波続くインボイス宣言式/山口氏が組織力アピール
【 東京 】国交省人事(13・15日付)
【 京都 】今年も「夢コスモス園」定額運賃/京都タクシー&新京都タクシー
 
2023年9月15号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】近畿管内で制度理解の取り組み促進/全大個協組 インボイス発行事業者登録宣言式
【 大阪ほか 】阪神、姫路、奈良、和歌山は100%/近畿管内のインボイス登録率
【 大阪 】「インボイス宣言式」出席者
【 大阪 】最大規模のMaaSアプリに/関西MaaS推進連絡会議
【 京都 】FF乗務員を優先受付/京タ協UD研修会 日程確定
【 神戸 】交通安全運動出発式に参加へ/兵タ協、事故防・サービス委
【 和歌山 】NHKニュースでの報道被害/自治体が「誤報」の確認作業?
【 神戸 】賦課金一部免除での還元に/兵タ会館の売却配当 兵協理事会
【 大阪 】「軽微な事故」への注意喚起へ/全大個協組 審査委員会
【 大阪 】運改で月給が最大26%増に/日交G関西 環境改善状況を公表

【 大阪 】「RSは日本文化に馴染まない」/南タクシー・大岡社長

【 大阪 】タクシーの死亡事故で注意喚起/大阪府警「ゆとりをもった運転を」
【 大阪 】「少しでも業界の発展に寄与したい」/大タクセン 服部・常務理事
【 徳島 】ハイクラス車両配車の実証実験/電脳交通「SmartLimo」
 
2023年9月13号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】オンデマンドバスの本格運行を承認/タクと共存? mobiの実証実験も継続へ
【 大阪 】RS推進派への統一した反撃を/東宝・日本城G 坂本代表
【 大阪 】二元論に留める報道に懸念/日の丸ハイヤーG 暮部代表
【 京都 】ネガ報道で「仕事できなくなる」/抗議とともに業界の発信強化も
【 京都 】インボイス開始に向け準備進む/京都の個タク各団体が取り組み
【 大阪 】高齢乗務員への安全対策講習会/大タクセンが開催
【 奈良 】2輪車対応等を運転重点に/奈良県警 秋の交通安全運動に向け
【 大阪・神戸 】神戸市でBF推進勉強会/関交研とエコモ財団が共催
【 神戸 】全自交兵庫地連、執行委員会
【 大阪 】新委員長に三井・副委員長/ナショナルタクシー労組

【 大阪 】駒姫タク、本社・車庫移転を申請

【 大阪 】金剛バス 12月20日で廃止
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