ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2020年2月17日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信

モビリティの変革とタクシーの進化
交政審・基本計画小委でのプレゼンテーションから―

 国交省は6日、交通政策審議会の計画部会で交通政策基本法に基づく次期交通政策基本計画策定に向けた交通政策基本計画小委員会(委員長=家田仁・政策研究大学院大学教授)の2回目の会合を開いた。前回1月22日の会合に続き、有識者からのヒアリングを実施しており、モビリティの変革に触れたプレゼンテーションも見受けられた。その中で名古屋大学大学院の加藤博和教授、KPMGモビリティ研究所・アドバイザーの伊藤慎介氏のプレゼン内容から、タクシー業界の関心を集めそうな部分を抽出して紹介する。

◎加藤教授のプレゼンから
       〜少子高齢化の影響

 当日のプレゼンの大きな流れについては、『交通界ファックスプレス関東版』2月9日号に掲載済みなので、そちらを参照していただくとして、本稿では紙幅の関係もあり、2氏のプレゼンの中から特に記者が興味を持った部分を選んで紹介する。
 加藤氏はその中で「『おでかけ』を増やす高齢者、減らす若者」という指摘を行っており、英米両国との比較で、日本ではすでに70歳代の高齢者の方が1日当たりの移動回数が20歳代のそれを上回っているとする。国内の若者層については、「移動しなくてもできることが多くなってきたから」「物心ついた時からICT環境があったから」などをその理由にあげている。スマートフォンの普及でこの傾向はさらに助長されるということもあるだろう。

「交通しない」流れ、IT化の進展で加速?
 自然体でいれば、この傾向がさらに強まることはおおよそ見当がつくことで、加藤氏はプレゼンの中で、「IT化進展で『交通しない』流れは加速?」との疑問を投げかけており、移動の必然性は低下し続けると指摘しながらも、一方で、そこに行ってみたいと思わせる情報がインターネット経由で伝搬しているとも指摘し、「交通サービスのミッションが『おでかけする人を運ぶ』から『おでかけさせる』ことへ変化」している、あるいは変化させるべきとの考え方を披露している。

遠くない将来のモビリティに求められるもの
 確かに現在の流れの延長上に、自然体で流され続ければ交通需要の減少は避けられないように思える。
 そこで加藤氏は、「乗っていただき、有り難がっていただくために、マーケティング(買っていただける価値の提供)の発想が重要」との処方箋を提示する。そのための4つの方向性をも示し、その過程においてはMaaS等を経由して得られるビッグデータも貢献するはずだとの見方を示す。

◎伊藤氏のプレゼンから
     〜スマホの普及が変えたモビリティの姿

 一方、伊藤氏のプレゼンで記者の目を引いたのは、全体の流れもさることながら、米国におけるライドシェアの現状などに触れた部分が中心になる。
 同氏は1999年に旧通産省に入省し、2014年に経産省を退官して超小型電気自動車のベンチャー企業を設立した起業家でもある。
 「MaaSの台頭とその背景」として同氏が語ったのはまず、「モビリティ分野を変えたスマートフォンの普及」であり、16年現在では国内での普及率は71.8%に達しており、固定電話やPCとほぼ同じレベルにあるとする。スマホの普及によって登場した新しいモビリティサービスの例としてライドヘイリング(いわゆるライドシェア)、タクシー配車サービス、ロボタクシー、カーシェアリング、バイクシェアなどをあげている。

自動運転で分かれる見解
 投資家をひきつけ莫大なマネーを引き寄せたライドシェアプラットフォームだが、彼らがそれをできたのはライドシェアと自動運転の親和性の高さ、人件費を自動化に置き換えることで将来その分のコストを省き、大きな利益があげられると一般には考えられてきたからだ。
 自動運転を論じる際にしばしば問題されるのはその実現時期であり、先述の加藤教授は、「自動運転の本格導入はまだ先… 」との前提に立ち、その上で「足元の運転者を確保しなければ既存の交通サービスが衰退する」と警告している。
 ここでの伊藤氏の主張は若干ニュアンスが異なり、「自動運転による実サービスで一歩先を行く米国」との見方を紹介。グーグル系のウェイモが実走行で2000万マイル、シミュレーションで数百億マイルの自動走行実績を突破しているとし、同社がアリゾナ州フェニックスでリフト社と連携していること、ラスベガスでも自動運転サービスの提供が始まっていることなどにも触れ、自動運転技術の実用化が海外とりわけ米国においては必ずしも遠い将来ではないとの見方があることも示している。
 それでも数年以内に商用化との見方に記者個人は同意しないが、国内の自動運転研究が米国辺りと比べれば「周回遅れ」ではないかという見方には同意したい。国内の専門家が言うようにはるかに先でもないが、米国企業が宣伝するほど「すぐそこ」でもないといったところだろうか。

MaaS的アプローチ強めるウーバーとリフト
 また、伊藤氏は米・ウーバーテクノロジーズとリフト社の現状について、「MaaS的アプローチが明確になりつつある」と説明する。ウーバーイーツなどの料理宅配のほか物流、既存公共交通機関との連携、自転車シェア、患者送迎や将来の空飛ぶタクシー、自動運転もにらみ、「ウーバーはクルマ、自転車、スクーター、バス、鉄道のワンストップとして『交通のアマゾン』を目指す」との見方を示している。それはリフトについても同様であるとする。
 ただし、そのようなアプローチを強める背景にはいわゆる自家用車ライドシェアなど核となる事業での収益化の目途がなかなか立たず、投資家を納得させ継続して資金を調達する必要性からこうしたアプローチにならざるを得なかったとの見方もまた否定できない一側面だろう。

一定の規制強化が前提となりつつあるライドシェア
 こうした最近の動向を紹介した上で伊藤氏は、米国においてさえライドシェアは規制強化の流れが強まりつつあることにも言及している。ニューヨーク市では21年からマンハッタン南部で「渋滞税」を導入予定であること、税収の8割は地下鉄・バスなどの市内の公共交通機関の整備に使われること、ウーバーとリフトがサンフランシスコ市で共同で実施した調査結果でも市内の交通量に最も影響を与えているのはライドシェアであることが明らかになっているとし、一連の規制が必ずしも既存交通モードの保護を目的としたものとばかり決めつけられないことにも触れている。

進む街づくりとの一体化
      〜都市交通政策が生むモビリティビジネス

 こうした説明などを経て伊藤氏は、海外においては新しい思想による街づくりが進んでいるとし、「新しいモビリティサービスの普及」「歩行者中心の街づくり哲学の浸透」「都市単位での環境負荷の低減」「都市交通政策がインキュベーション(起業支援)機能を担う」が相まって、「新しい街づくりへの挑戦」につながっているとする。その上で米国、欧州、中国の規制との関係について触れており、間接的に「日本はどうするのか」を問いかけている格好で締めくくっている。

変化のスピードをどう見るか
    〜業界がついていけるスピードか

 環境の変化によって生まれてきたのが新しいモビリティサービスだとすれば、その環境の変化に既存交通サービスも対応するしかない。確かに自然体を維持して淘汰に任せれば最終的には需給は均衡するかもしれないが、それでは地域の社会課題を解決できない。
 昨今のベンチャーは「社会課題の解決」を大義名分に資金調達し、あるいは規制の壁を突破しているのが実情だ。少なくとも社会の変化に大きく遅れない程度にはタクシーの進化を外に向かって見せていかなければ業界の主張に説得力を持たせることができないというのが現状であろう。全タク連の掲げた事業活性化20項目で足りるか否かは最終的には世論が評価するということになるだろう―と今回の小委の議論を聴いて改めて思った次第だ。(了)
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No.806 2月17日号   主な内容
■巻頭人物:早船 文久氏(国交省旅客課長)
■気になる数字:38%
      都内4大手の一角・日本交通のタクシー売上に占める現金払いの比率
■トピックス
:モビリティの変革とタクシーの進化
        〜交政審・基本計画小委でのプレゼンテーションから
:どうなる?「預かり休車」の取り扱い 〜特定地域の指定解除迫る神戸市域交通圏
:「セダン」が一番乗りやすい!?  〜京タ協 障害者団体との意見交換会
:<シリーズ> 2020春闘―産別・労組はいま 〜自交総連東京地連
:<シリーズ> 2020春闘―産別・労組はいま 〜全自交東京地連
:タクシーに再び投資を引き戻す 〜日本城タクシー・坂本篤紀社長
:持続可能な地域交通と新しいモビリティサービスの創造 〜電脳交通パネルディスカッション
■東西往来 
:一般紙含め大々的にPR / “イチローの恋人”が説くリーダー像
■この人この言葉
:石川 治氏 / 坂本 篤史氏 / 三野 文男 氏 / 道野 隆氏
■シャッターチャンス
:運改なけりゃ今頃はと思えば…  / 事業統合への不安は「内」にも
:ショッキングな労働現場の日常 / 泉州の中国系新規は…
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速さ+確かさ
交通界ファックスプレス(『交通界21』特別サービス号/ 週3回配信)

 

Faxpress 関東版
 全タク連 会費値上げへ
    車両割り単価、一律10%アップ
   事業適正化で車両数減、環境変化等に対応

【 東京 】日の全タク連正副会長会議に提案された会費改定の概要がこのほど、明らかになった。第1種会費の車両割り単価を一律10%引上げるとともに、3段階に分けられたランクのうち、Vランクに区分されていた京都をUランクに引き上げるというもの。
 現行の第1種会費車両割り単価はTランクに東京、Uランクに神奈川、愛知、大阪、兵庫の4府県を、Vランクにその他の42道府県を区分し、Tランク1330円、Uランク1100円、Vランク1000円としている。改定案では、京都をVランクからUランクへ区分し直すとともに、単価をそれぞれ10%引上げ、Tランク1460円、Uランク2101円、Vランク1100円と改める。
 会費改定の背景には、新旧タクシー適正化新法の施行による減休車で全国の会員の車両数が減少し、09年ピーク時の約21万1000両から19年には約17万7000両へと3万4000両程度減少し、各都道府県協会ごとの車両数に応じた第1種会費収入が大幅に減少していること、前回05年の会費単価見直し(引き下げ)以来15年が経過しており、その間にも消費税率引き上げに伴う経費の増加、業界課題続出に伴う対外活動費等の充実が求められてきたこと、事業活性化20項目の推進や今後予想されるタクシーをとりまく環境変化、法改正等の動向に適切に対応していかなければならないことなどがあげられている。
 会費改定については12日の定例正副会長会議で提案されており、今後は3月開催予定の総務委員会、正副会長会議、理事会で承認を得られれば6月1日開催予定の通常総会に諮ることになる。
〔2月15日号関東版掲載〕  <Topへもどる>

2020年2月15日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】全タク連 会費値上げへ/車両割り単価、一律10%アップ/事業適正化で車両数減、環境変化等に対応
【 東京 】高齢化と減少止まず/多摩地区の運転者証等交付状況
【 東京 】観光ドライバー研修スタート/東タク協 4日間で240人
【 東京 】UD研修に35人申し込み/東タク協三多摩支部 19日
【 東京 】期間限定、27日まで無料運行/コンドルなど「スーモタクシー」
【 東京 】アプリ統合、現時点では不明/MOV担当者 東個協で説明
【 福井・東京 】福井県越前市と連携協定/次世代モビリティでモネ社
【 東京 】自家用有償の道運法改悪阻止/自交総連が国会内決起集会
【 横浜 】関東管内 累積点数20点超は3社
【 横浜 】乗務員採用イベントでプレゼン/「お客様探索ナビ」導入5社
【 東京 】女性ドライバーが特製チョコ/コンドルタクのバレンタイン企画
【 福岡 】第一交通産業 山口で1社買収
【 徳島 】電脳交通 各地で情報交換会
【 横浜 】車停は法人5件、個人1件/関運局 1月のハイタク行政処分
【 横浜 】都市型ハイヤー1社許可
 
2020年2月15日号−2 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】タクシー乗務員で初の感染者/都内の個タク事業者、感染経路調査/新型コロナウイルス、国内感染広がる
【 東京 】マスクと手洗いの励行など/新型ウイルス対策で東タク協
【 那覇 】沖縄でも女性乗務員/クルーズ船の乗客乗せる
【 東京 】感染予防の徹底を通達/支部組合員の感染受け都個協
【 東京 】日本経済、マイナス成長の恐れ/大和総研 新型肺炎の影響試算
【 横浜 】関運局 譲渡譲受1件認可 
 
2020年2月14日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】勤務シフト組み替えなど具体化へ/福祉限定車の流し営業活用も/全タク連正副会長会議 朝の通勤時間帯の供給体制で川鍋会長
【 東京 】260人退出、減少傾向続く/東タクセン 1月の運転者証交付
【 東京 】20年度の削減目標は27%に/東タク協 坂本・事故防止委員長
【 東京 】大和自交 第3四半期連結決算
【 福岡 】第一交通産業 第3四半期連結決算
【 東京 】滑り出し平穏も、2キロ超で戸惑い/多摩地区の新運賃めぐって
【 東京 】「しんゆりシャトル」実証実験/新百合ヶ丘駅周辺で小田急
【 東京 】決済機の取り付けで混乱/東個協理事会 情報不足に不満
【 東京 】キャッシュレス還元の対応開始/日交が東京・大阪中心に約6000両
【 東京 】携帯電話網活用の自動運転/DeNA 名大等の実証実験参加
【 横浜 】三和交通Gが「バレンタインタク」
【 東京 】日の丸自動車深川労組が移転
 
2020年2月8日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】MOV事業等の部門損失53億円/単独では収益化見通せず/DeNA 第3四半期決算
【 サンフランシスコ 】ライドシェア部門黒字化も巨額赤字/ウーバー 第4四半期決算
【 横浜 】「運改先送り以上の衝撃」/MOV事業統合で神奈川業界
【 東京 】「良い方向に進んでくれれば」/アプリ統合で東個協・秋田会長
【 東京 】運転者1100人の派遣要請/オリパラ組織委が東タク協で説明
【 東京 】就職氷河期世代の資格習得事業/全タク連が応募の準備
【 横浜 】神タ協UD研修、54人受講
【 東京 】タク4社・5営業所を永年表彰/1月のグリーン経営認証登録 
【 那覇・東京 】実証実験の沖縄でキャンペーン/JpnTAXIが300円クーポン
【 東京 】規模拡大、多産別にも呼びかけ/グリーン新町労組 地曳き網大会など
【 東京 】ライドシェア反対の決起集会/ハイタクフォーラムが3月4日 
【 福岡 】福岡Bブロックで運改要請
 
2020年2月8日号−2 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】地域の輸送資源を総動員/地域公共交通の枠組み再構築/活性化再生法改正案を閣議決定
【 東京 】「交通連合」の必要性など指摘/交政審基本計画小委ヒアリング 
【 東京 】新型ウイルス対策で緊急要請/国交省交渉で私鉄総連
【 静岡 】全自交との統合協議を確認/KPU中央委 決着にはなお時間
【 東京 】特区・武三の準特協 3月25日開催
 
2020年2月7日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】UD車スロープ板の適切操作など/公共交通事業者等に「ソフト基準」/バリアフリー新法改正案、閣議決定
【 横浜 】神タ協・伊藤会長「前向きに捉えたい」/MOV・JpnTAXI統合
【 東京 】訪日外国人利用動向など/国交省が八重洲乗り場で調査
【 横浜 】UDタク等の導入補助で要望調査/関運局 今月中に提出を
【 東京 】助成適用の認定外国人旅客研修/昭栄自動車で第一号講座
【 大阪 】「運送外収入」重視で展望/電脳交通セミナーで川鍋氏 
【 東京 】秋田理事長「近距離客に笑顔で」/東個協賀詞交歓会
【 東京 】最賃+10%×所定労働時間/私鉄総連 春闘賃上げ要求
【 前橋 】多摩の運改労働条件改善/自交東京「総がかりで」
【 名古屋 】ペダル踏み間違い事故防止/トヨタが加速抑制機能開発
【 那覇・東京 】沖縄で観光MaaS実証実験/JpnTaxiなど9者
【 横浜 】働き方改革への対応学ぶ/神交協・神交運が労使協議会
【 東京 】女性ドライバー応援企業に静鉄タク
 
2020年2月5日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】JpnTaxi、MOVが事業統合へ/PF再編の口火に?存続アプリ等は未定/4月に新会社 共同筆頭株主
【 東京 】配布マスク20万枚、3日間でゼロに/多摩地区の運改周知キャンペーン
【 東京 】京王自も独自キャンペーン 
【 東京 】交差点進入テーマにアンケート/三和交通東京営業所・事故防止委 
【 横浜 】京浜の60代が大幅減/神タクセン 1月の運転者証交付
【 東京 】タク業界優位で共存共栄の法改正/韓国のライドシェア事情を紹介
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速さ+確かさ
交通界ファックスプレス(『交通界21』特別サービス号/ 週3回配信)

 

Faxpress 関西版

 病院医師感染に戦々恐々 
   新型ウイルス騒動で和歌山業界

【 和歌山 】和歌山県湯浅町の済生会有田病院の50代の医師が新型コロナウイルスに感染したと13日夜、仁坂吉伸知事の記者会見で明らかにされ、しかも同医師が和歌山市内在住との情報が入り、市内の業界各社でも戦々恐々となった。
 同医師は1月末の発熱や全身の倦怠感などの症状発症直前に中国・湖北省、浙江省への渡航歴はなく、感染経路がまだ分かっていない。今月3〜5日は解熱剤を服用しながら勤務していた。インフルエンザの迅速検査では陰性だったが、高熱と肺炎症状で10日に医療機関に入院、治療の結果、11日には解熱傾向となったが、13日夕の環境衛生研究センターでの検査で新型コロナウイルス陽性が判明したという。
 相互タクシー(和歌山市)の田畑孝芳社長は、「無症状の感染者からも広まるので厄介だ。窓を全開にして走りたいところだが、そうもいかない。従来からプラズマクラスターで車内の除菌・消臭を行っているのと社員へのマスク支給で自主的対応から強制的対応に切り替えた」という。もともと、地元市民の輸送がほとんどだが、今回の感染確認で危機感を強めるとともに今後の移動活動低下を懸念している。
 また和歌山個人タクシー協組の中尾政明理事長は14日、本紙の取材に「(感染確認の医師は)感染後も市内から湯浅の病院に通勤しているし、仕事はもちろん、生活でいろいろと移動しているだろうから広まってしまっている可能性はある。和歌山のタクシーは半分以上が地元客の利用で、新型コロナウイルス騒ぎは関東方面のこと、奈良の観光バス運転者が感染確認となっても『よそごと』のように思っていたが、突如として和歌山に来て驚いている。タクシーは月1回以上の車内消毒が決まっているが、週に1、2回やったりしている。マスクは売っていないので、手洗い、うがいの強化で対応するしかない」と警戒。「かつて箕島で赤痢が発生した時、観光バスが窓を閉めて走ったり、影響として魚が売れなくなったりしたこともある。この問題で経済活動が委縮したり、東京オリンピックの訪日外国人観光客が近畿に回ってくる派生需要があまり期待できなくなるのでは」と先行きの不安感をにじませつつ、「本来の地元の利用者を大事にしていくだけだ」と述べた。

〜新運賃は上限で揃う
 ただ、和歌山県下では1日の運賃改定で、全地域全社で上限運賃に揃ったので、業界としては長年の懸案事項が一つ解消している。運賃改定後も利用が落ちるということもなく、順調に推移しているようだ。もっとも、以前から利用客が減少している夜の繁華街「アロチ」では、タクシーより運転代行の方が多くなっている実態を訴える事業者もいる。
〔2月15日号関西版掲載〕 <Topへもどる>

2020年2月15日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 和歌山 】病院医師感染に戦々恐々/新型ウイルス騒動で和歌山業界
【 東京 】タクシー乗務員が初感染/都内の個タク事業者
【 那覇 】沖縄でも女性乗務員/クルーズ船の乗客乗せる
【 東京 】全タク連、会費値上げへ/車両割り単価、京都はランクアップも
【 大阪 】全車に抗菌・抗ウイルス剤/感染症防御で未来都
【 京都 】観光客激減の嵐山地区/地元商店街組織が誘客キャンペーン
【 東京 】ラオックスGが希望退職者募集/インバウンド事業の業績悪化
大阪 】「紹介」の報奨金増額/乗務員確保へ社内キャンペーン
【 東京 】自家用有償の道運法改悪阻止/自交総連が国会内決起集会
【 奈良 】ルーミーを「女性専用車」に/生駒交通 女性乗務員募集 
【 神戸 】DiDi 兵庫県下でエリア拡大
【 神戸 】「利用者還元」で需要喚起を/神戸市域の事業者
【 大阪 】合同の運行管理者研修会/東洋運輸Gのタクシー2社
【 神戸 】神戸・阪神間支部が経営・労務委
【 大阪 】地域公共交通活性化で実績/近運局 優良2団体を表彰
【 大阪 】トランク清掃の励行を/大タクセン「重要な接客行為」
【 大阪 】交通労連関西が春闘研修会
【 ロンドン 】京都が2年ぶり1位に/英旅行雑誌の読者投票
【 徳島 】電脳交通 大阪等で情報交換会
【 大阪 】泉州で新規許可申請 
【 大阪 】神戸空港タク3両→中燃 認可
【 大阪 】近運局 法人1社車停 
 
2020年2月14日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】新運賃で2000〜3000円の売上増/大タ協 道野・経営委員長が評価
【 大阪 】個タク、姫路で新規許可2件/近運局 譲渡譲受は25件認可
【 奈良 】新型肺炎騒ぎで打撃/運賃改定なしの奈良業界
【 神戸 】「グループ減車」の概念ない/準特移行後の復活対応で近運局
【 神戸 】神戸・阪神間の減少大きく/兵タクセン 運転者証交付
【 神戸 】兵サセン 喫煙2件、入構排除1件
【 神戸 】予定通り納品、サービス継続/DeNA 「MOV」導入の兵協に
【 大阪 】「値上げとコロナで売上悪化」/壽タク・浦木山氏の景況観測 
【 大阪 】サンゴG・山根氏がアプリ解説/全自交関西地連 春闘討論集会
【 大阪 】オリーブが交通共済退会へ/小豆島G「毎年1社ずつ」
【 京都 】高速タク 全車に除菌消臭剤
【 大阪 】交通労連関西地総 書記長に木尾氏
 
2020年2月8日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】新型ウイルスの影響をカバー?/新運賃で大阪業界 大協・三野理事長「次は遠割修正」
【 大阪 】MOVシステム納品は契約通り/親交会・照屋理事長
【 京都 】今年も「タクシーフェア」開催へ/京タ協青年部会で企画の叩き台
【 神戸 】新鉄・鈴蘭台駅前乗り場/26日午後2時、運用開始
【 東京 】地域公共交通の枠組み再構築/活性化再生法改正案を閣議決定
【 神戸 】淡河町のゾーンバス更新を承認/神戸市交通空白地有償運営協
【 京都 】UD車両「乗りにくい」?/京タ協意見交換で障害者団体
【 大阪 】「事業用免許」での統一を予測/大阪のセミナーで川鍋氏
【 京都 】組織評価特別委の設置案など/業務C 幹事会前に個人側と懇談
【 京都 】仁ノ岡氏が退任あいさつ/京タ協交通委 委員長代理に中畠氏
【 大阪 】空港6社会が新年会
【 大阪 】「タクシーに投資を引き戻す」/日本城タクシー・坂本社長
【 神戸 】兵庫トヨタのタク事業者向けセミナー/兵タ協受講「ワンチーム」で 
【 大阪 】泉州の新規事業者、2社休止
【 大阪 】都市型ハイヤー新規許可
【 大阪 】一番 3両→大阪タクシー 申請
【 大阪 】東丘タクシー 役員変更届 
【 大阪 】一休観光 住所変更届
【 大阪 】関西中央第一 住所変更届
【 和歌山 】朝日交通 役員変更届
【 大阪 】近運局 譲渡譲受2件認可
【 大阪 】乗車拒否で個タク処分
 
2020年2月7日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】距離短縮の新運賃で増収/日本タク・坂本社長、今後の推移に期待
【 大阪 】北新地の年間指導件数 42件減/大タクセン 19年の指導結果報告
【 大阪 】法人運転者、70歳超が25.8%/大阪市域等の運転者証交付状況
【 大阪 】「運送外収入」重視で展望/川鍋、青木両氏 電脳交通セミナー
【 大阪 】「急なサービス停止なら違約」/MOV統合で交友会・牛島副理事長
【 大阪 】統合問題、JPNには問題ない/関協社長会が臨時報告会に
【 大阪 】12月41件、1月35件/大運支局 一水会で苦情報告
【 神戸 】需要増へ労使協調/兵タ協 労働団体と意見交換
【 神戸 】バス乗り場増設でタクにしわ寄せ/谷上駅乗り場で神戸市説明
【 京都 】新運賃の北部地区を視察/京タ協事務局「問題なく対応」
【 大阪 】営業所解放「体験型会社説明会」/大阪の第一交通G5社
【 京都 】マスク、うがい等の徹底を/市個人全体集会で田中理事長
【 大阪 】全個協近畿支部が幹事会 
【 大阪 】大和川、タックンが役員変更
【 大阪 】大阪阪神タク委員長に新田氏
 
2020年2月5日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】JpnTaxi、MOVが事業統合へ/4月新会社 存続アプリなど未定
【 大阪 】大阪市域の短縮運賃、8488両/109社 法人車両の3分の2に
【 大阪 】「乗務員不足の解消は無理」/新運賃巡り松竹タク・牛島社長
【 大阪 】1.7キロで足並み/交友会協組「底力を確認」
【 大阪 】法・個両協会が巡回指導/新大阪乗り場 年度内11日間 
【 神戸 】「値上げ」効果大き過ぎ?/神戸業界 客離れの加速を懸念
【 神戸 】新運賃、スムーズに/神戸・阪神間、淡路島
【 大阪 】改造メーター、遠割に不具合/大阪相互 一部過剰収受で返金へ
【 神戸 】乗務員向け講習会、今後も/兵庫交通共済・事故防止委
【 神戸 】恵タク、オリエンタルに全部譲渡へ
【 大阪 】「バラバラ」新運賃糾弾も/自交大阪「2.1怒りの行動」
【 大阪 】アプリ手数料「精一杯加味」/自交大阪・京都要請で近運局
【 神戸 】また運賃値上げとセット報道/新大阪乗り場統合で関西TV
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