ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2014年8月11日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信
手本になるか? ロンドンタクシー
   東タク協・川鍋会長〜ロンドン事前視察報告

 東京ハイヤー・タクシー協会(川鍋一朗会長)は、今年11月12〜14日をコア日程とする英・ロンドンタクシー視察団を派遣することにしている。これに先駆けて、川鍋会長は7月18〜24日にかけて単身渡英し、視察団派遣のための下調べを敢行。その結果報告を今月6日、東タク協で在京業界紙記者団を集めて実施した。実際にロンドンタクシー(ブラックキャブ)の実情を見聞した川鍋会長の言葉を借りながら、現地の雰囲気を紹介することにした。

 まずは、ロンドンのタクシー運賃体系についてだが、われわれがイメージするロンドンタクシー、すなわちブラックキャブについては、@初乗り252.4メートル(または54.2秒の早い方)2.4ポンド(1ポンド=約170円とすると、ほぼ400円)A爾後加算は割増時間帯以外の基本運賃ベースで126.2メートルごと(または27.1秒の早い方)0.2ポンド(約34円)。ただし、走行距離6マイル(9.6キロ。乗車運賃17.4ポンド相当)以上の場合は以降88.5メートル(または19秒の早い方)0.2ポンド―などとなっているという。

「遠割」ならぬ「遠増」?
 この基本運賃をタリフ1(月曜日から金曜日の午前6時から午後8時までに適用)とすると、割増時間帯として月曜日から金曜日の午後8時から同10時までと、土曜日・日曜日の午前6時から午後10時までをタリフ2とし、爾後加算距離が102.5メートルに短縮される。また、タリフ3として、毎日午後10時から翌午前6時までと祝日については終日割増となり、爾後加算は82.7メートルへとさらに短縮される。
ただし、これらは川鍋氏個人による調査に基づくもので、正確な運賃体系の把握、分析は11月の東タク協としての正式訪問を待たなければならないとも説明されている。基本運賃部分については、この説明に基づけば、乗車距離6マイルを境とした遠距離割増(逓増)になっているようで、「遠距離割引」が「常識」のわが国とは随分事情が違う。
 このほか、流しのタクシーをつかまえる以外の場合、つまり無線配車を依頼した場合には2ポンド(約340円)が追加となり、クレジットカード利用の場合には1ポンド加算または利用運賃額の10%追加となるという。もっとも、クレジットカードについては決済器を搭載していない車両も多く、利用できない場合も少なくないとのことだ。

5キロ乗車なら東京に割安感も
 上記の説明をもとに、基本運賃額(割増のない時間帯かつ時間距離併用メーターが作動しない前提で距離制運賃のみを適用した場合)で5キロ乗車時の東京(特別区・武三地区)とロンドンを比較すると、東京の場合、普通車で1720円となるのに対し、ロンドンではメーター表示額は10.0ポンド(=初乗り252.4メートル2.4ポンド+爾後加算7.6ポンド)で円換算では1700円となり、これにチップとして約5%を加えると1785円となる。
世界のタクシーでは最高峰と一般に信じられているロンドンのブラックキャブとの比較では、東京のタクシーはチップ込でほぼ同水準または若干の割安感があるということになる(試算は本紙で概算)。
 上記試算では、「ちょっとチップの額が少ないのではないか」と感じられた読者も少なくないのではないか。かくいう記者もそう感じたが、川鍋氏の報告によれば「チップはせいぜい5〜10%程度。額によってはつり銭をそのままとっておいてもらえばそれで良い。米国と違って、何でもかんでもチップという文化とは少し違うようだ」というのが実態らしい。そこで、今回の試算では安い方の5%で計算してみたというわけだ。
 業界で昨今注目されている運賃の世界標準化は初乗り距離短縮、初乗り額の低廉化という出発点を持っているが、一定の距離を乗車した場合の総支払額は東京の方が安い。近距離利用の限定された条件下ではロンドンの方が安い場合があるということになる。

ロンドンの割安感は1.3キロ未満まで
 では、ロンドンの方が安くなる距離はどのくらいか。東京の初乗り額730円をポンドに換算すると4.3ポンド。ここから初乗り額の2.4ポンドを差し引くと1.9ポンドになり、その金額で走行できる距離は約1136メートルということになった(1.9÷0.2=9.5、加算9回×126.2メートル=1135.8メートル)。この距離に初乗り距離252.4メートルを加えると約1388メートルになる。チップも含めると割増なしの時間帯で1.3キロ未満の乗車に限ってロンドンが割安ということになる。同じ支払額なら乗車6マイル以上では遠距離逓増型運賃体系になっているため、より一層ロンドンの方が走行可能距離は短くなっていくと言えそうだ。

「気忙しい」メーター上昇
 またロンドンでは爾後加算の距離(時間距離併用の場合の時間もそうだが)が短く、川鍋氏は「メーターの上昇は頻繁で、確かに気忙しいということはある。東京のように降車直前に大きく上がることでがっかりさせることがある一方で、ロンドンではとにかく気忙しくメーターが上がる。東京で同様の運賃体系を実施した場合、実際にお客様がどう感じるかは、正直なところやってみないと分からない」という。
 このほか、川鍋氏の説明の中からロンドンのタクシーの興味深い点をいくつかあげてみよう。一つには「ロンドンにも複数の無線グループがあるが、東京のように車色や屋上灯に目立った違いはなく、激しい競争が展開されているという印象はない」ということ。
 むしろ、ITベンチャーによる配車事業者間の競争が激化の傾向にあり、ヘイロ―ネットワークやウーバーなどの競争、また、いわゆるブラックキャブではなく、ミニキャブと呼ばれるセミハイヤー的なものとの競争があるということである。

公定の同一地域・同一運賃を毎年改定
 さらに興味深い点はロンドンのタクシー(この場合、ブラックキャブ)ではロンドン市長が決定する完全な公定・同一地域同一運賃で、その運賃額も毎年4月に改定されるということ。
 改定の理由としては物価や賃金等に連動し、燃料費等の変動も毎年反映される仕組みになっているということだ。
 車両数に関しては、川鍋氏の報告によれば2万2810両で、運転者の登録数は2万2538人。すべて個人タクシーだが、12人の試験官による口頭試問形式の資格試験は相当の難関で合格まで約3〜4年を要することから、結果として需給の均衡は保たれ、旧道路運送法時代の日本より厳しい需給調整規制が存在するのと同じだと言って良い。

「地理知識」以外は日本に軍配
 実際に乗車してみての感想について川鍋氏は「これなら直接の比較で日本のタクシーの方が勝っている。地理には異常に詳しいという点を除いて、車両の質や接客術などその他の点ではすべて日本が勝る」と話している。ロンドンタクシーを印象付けているブラックキャブの車両については車両価格が約500〜700万円するそうで、10年償却で使用しているという。総台数が約2万両で、10年使用なら、年間で2000両程度しか売れないことになり、メーカーは2〜3社で、結果として高額になるようだが、その割に「乗り心地を含めてそれほど大したものではない」との印象だそうだ。また、東京の羽田空港に相当するヒースロー空港と市内中心部との定額運賃制度は設定されていないという。
 昨年、東タク協では米・ニューヨーク市のタクシーも視察しており、両者を比較した印象を川鍋氏は「ニューヨークは『安かろう悪かろう』を具現化したようなもの。ロンドンのタクシーはそれに比べてずっと良いが、東京のタクシーはもっと良い」と語っている。2020年の東京五輪開催を控え、東京や日本のタクシーにかなり自信を深めたようだ。
 今回の視察はあくまで、11月に控えた東タク協としての公式視察の下調べとの位置づけだ。運賃の世界標準化についてはまだ具体的な提案、提言も何もない段階で、「初乗り短縮」の言葉が一人歩きしている感もあるが、業界内の関心は徐々に高まりつつある。公式訪問を経た東タク協としての具体的提言が今後待たれるところだ。(了)
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No.548 8月11日号 主な内容
■巻頭人物
:神谷俊広氏(全国ハイヤー・タクシー連合会理事長)
気になる数字
:0.68倍/6月の有効求人倍率、正社員に限ってみれば…
トピックス
:手本になるか? ロンドンタクシー〜東タク協・川鍋会長、ロンドン事前視察報告
:最優先の課題は「5・5遠割の解決」〜大タ協 関・最高顧問に聞く
:重大事故と総件数削減へ〜日個連交通共済・野嵜理事長インタビュー
:業界適正化に向け、はや「大立ち回り」?〜京タ協・安居執行部が行く
:102年目の「タクシーの日」〜全国で「キャンペーン」
:「見守り」で安心安全のまちづくり〜こどもを守るNW総会
東西往来:「伝えたい」思いにあふれた贈呈式/車両に加えて乗り場も清掃
この人/この言葉
:根本克己氏、柳也主男氏、五十嵐一俊氏、阪部光雄氏
シャッターチャンス
:中小に適うノウハウの構築を!/初乗り距離の短縮だけでなく
:過去に目を閉ざす者は/現代の高齢乗務員は果たして?
■アラカルト
:<連載第68回> 多田清社長殿創業史―「相互十年」を読む
:<内外交差点> これからの労組と産別  茨木不尽彦氏F
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Faxpress 関東版
 新卒ドライバー採用に挑む
    中小事業者への波及に期待
       東タク協、PTの議論スタート

【 東京 】東京ハイヤー・タクシー協会(川鍋一朗会長)は6日、千代田区の自動車会館で大学新卒者をタクシー乗務員として業界に呼び込むための「新卒ドライバー採用プロジェクトチーム」(チームリーダー=川鍋会長)の初会合を開いた。今月25、26日に新宿エルタワーで開催される朝日学情ナビ2015就職博に国際自動車、日本交通などの大手事業者がブースを出展することから、PTメンバー外の会員事業者の見学なども広く呼びかけるとともに、次回会合で中小事業者の大学新卒者採用活動の実情を聴取することなどを決めた。会議は非公開で、終了後に川鍋氏が記者団の取材に応じた。
 川鍋会長は冒頭のあいさつで「活性化の取り組みはまずやってみること。この指とまれ方式であり、上からやらされているようなものはうまくいかない。やってみて、うまくいかなければ方向転換すればよい。その結果、大学新卒者が採用できれば良いし、できなければその理由を考えたい」とした上で、なぜ大学新卒者を乗務員に起用したいかについて自社の取り組みなどから「やってみて結果は良好だからだ。大変なことではあるが、成果を業界に広げたい。この分野では誰もいない原野を国際自動車が切り拓いてくれた。有効求人倍率が好転し、業界にとっての採用環境は厳しいが学生の5人に1人は話を聞いてくれるのが実感。実際に入社した人はモチベーションが高く、簡単には辞めない」などと述べた。
 意見交換の中では、この両社のこれまでの取り組みの経験から学生の内定を確保しても、両親の反対に直面することが最大の課題に位置付けられ、タクシー業界、タクシー乗務員のイメージの悪さが懸案になっていることも浮き彫りにされているようだ。中小事業者でもすでに同様の取り組みを行っているケースも報告されたが、内定者が結局は辞退することもあったという。
 こうした課題に対しては、「業界全体のイメージを引き上げること」が大事との意見も出されたほか、国土交通省や厚生労働省など行政からどのような支援が受けられるか、行政の支援をイメージ向上策として寄与させたい考えを川鍋氏は示した。
 また、川鍋氏は会議内でも「大手だからできることだ」との雰囲気は確かにあったとしつつも、「中小事業者でも取り組み例は報告されたし、国際自動車の取り組み例を聞いて、『まだ、やり足りないことがあった』と認識を改められた点もあったのではないか」として、新卒採用活動の中小事業者への波及にも期待を示した。
 入社から数年、20歳代のうちは他の職種よりも高賃金となる可能性の高いタクシー乗務員だが、10年後には30歳を過ぎる学生らにどのようなキャリアパスを用意できるのかについて川鍋氏は、「将来ではなく現時点での課題でもあり、就職説明会、面接でも話はしている。ケア輸送や介護事業の可能も示しているが、まずはしっかりしたプロドライバーになってほしいと言っている。3年後に何かやりたいことがあって転身してもらっても良い。どんな企業の新卒採用者でも3年後の離職率は3割に達しており、そのことは織り込んでいる。優秀な人は内勤職員として引き上げる例も当社にはあるし、個人タクシーに進む道もある」と述べた。
 次回会合は9月17日開催予定で、キャピタルモータース、三和交通の事例報告などを行う予定。PTメンバーは次の各氏。▽川鍋一朗(リーダー、日本交通)▽川野繁(飛鳥交通)▽樽澤功(政和自動車)▽藤森健悦(国際自動車)▽武居利春(昭栄自動車)▽佐藤雅一(日立自動車交通)▽川村泰利(宮園自動車)▽藤原廣彦(本州自動車)▽吉川永一(三和交通)▽町田栄一郎(三幸自動車)▽磯珠代(荏原交通)▽高林良吉(宝自動車交通)▽太田祥平(三和交通)▽磯史洋(キャピタルモータース)。
〔8月9日号関東版掲載〕  <Topへもどる>

2014年8月9日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】新卒ドライバー採用に挑む/中小事業者への波及に期待/東タク協、PTの議論スタート
【 京都 】京都・都タクシーG3社が下限割れで届出
【 東京 】新卒採用は個タクへの転出保証を/アシスト・新堂社長が見解
【 東京 】「行動するタク懇」に/記者懇談会で高野会長
【 東京 】法人77人、個人46人減少/東タクセン・7月末集計
【 東京 】「偽マスター」50人以上/都個協、理事会で対応策協議へ
【 東京 】運営協のルール見直しは事務局で/地方分権提案、部会と担当振り分け
【 東京 】初乗り短縮は徹底議論を/KPU東京中央委で藤野委員長
【 東京 】全自交裁判の和解経過を報告
【 横浜 】タク事業の適正化・活性化など/関運局・26年度重点施策
 
2014年8月8日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】地理知識以外は日本が勝る/ロンドンタクシーの運賃体系など確認/東タク協・川鍋会長が事前視察報告
【 東京 】東京の最賃888円に/「目安」通り19円引き上げ
【 東京 】全タク連、交通遺児に寄付金
【 東京 】ハイヤーに続いてタク配車も/ウーバージャパン、都内で開始
【 東京 】「広告付き乗り場」の開設祝う/東京タクセンが記念式典
【 福岡 】第一交通産業、第1四半期連結決算
【 福岡 】第一交通産業、大阪で1社買収
【 東京 】「EVによるグリーン化事業」公募/国交省がタクシー等の導入支援
【 東京 】全国で「タクシーの日」イベント
【 東京 】「タクの日」キャンペーン/東タク協三多摩支部は9日も
【 東京 】LPGセダンの継続に意義/都スタ協・柳会長が訴え
【 横浜 】車停は法人5社、個人1者/関運局・7月の行政処分
 
2014年8月6日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】問題解決の基準は交政審WG答申に/「総台数の半数以下」は理解不能/特定地域指定問題、全タク連・神谷理事長が会見
【 東京 】女性含む新規雇用拡大等を検討/東タク協、労務委に小委設置へ
【 東京 】中小が利益出せる経済環境つくる/最賃引き上げで田村厚労相
【 東京 】東タク協「タッくんクイズ」抽選会
【 東京 】東タク協「タクの日」キャンペーン/川鍋会長らは東京駅で
【 東京 】「より利用しやすいタクシー目指す」/秋山委員長がラジオでアピール
【 横浜 】UDをクローズアップ/神タ協「タクシーの日」
【 東京 】私鉄東ハイ労が東京駅でキャンペーン
 
2014年8月2日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】マスターズ制度「厳守」揺るがず/「不正表示」は社会的な裏切り行為/全個協・木村会長インタビュー
【 東京 】タク業界、内閣改造の行方に注目/特定地域指定問題にも影響
【 東京 】「偽マスター」問題で対応協議/東個協が緊急支部長会
【 東京 】準特地域の需給状況判断先送り/特定地域指定との絡みで国交省
【 東京 】提案検討の「専門部会」/地方分権改革有識者会議
【 東京 】手数料率改善などソフト面の対応を/東タク協 根本・環境・車両資材委員長
【 東京 】日交連合厚年基金の解散認可
【 東京 】バスレーン乗り入れで要望
【 東京 】国交省人事(1日付)
 
2014年8月1日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】最賃アップ、東京・神奈川等は19円/全国平均16円、労使間の見解に隔たり/中央最賃審答申、小委は合意に至らず
【 東京 】「偽マスター」は解雇相当の犯罪行為/全個協関東支部研修会で関運局
【 東京 】LPG8月CPは下げ
【 東京 】街頭指導協力員、700人体制に/東タクセン、新たに個タク67人
【 東京 】特定地域指定などで意見書、要請書/自交総連、規制改革会議と国交省に
【 横浜 】関運局、個タクの譲渡譲受135件
【 福岡 】「ママサポートタク」長野でも
【 東京 】全国平均はやや下がる/7月のオートガス価格
【 東京 】保有車両数の5%の人員認定目指す/観光タクシー対応で東京無線
【 東京 】三鷹警察署から感謝状/防犯協力で東タク協武・三支部
【 東京 】健康起因事故防止に全力/日個連交通共済・野嵜理事長
【 東京 】「危険ドラッグ」もテーマに/9月11日に事故防止責任者講習会
【 東京 】東洋ゴムがタクシー専用タイヤ
 
2014年7月30日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】特定地域で「預かり減車制度を」/乗務員の充足状況見て、復活増車/第一交通産業・田中社長が提唱
【 東京 】無線搭載2000両は「最低ライン」/チェッカー無線協組・保岡副理事長
【 東京 】「スマホdeタッくん」9200両に/東タク協、次は都内車両の50%目指す
【 東京 】「通訳案内士」普及せず/総務省が役割分担等の検討勧告
【 東京 】「偽マスター」の出現に危機意識/日個連都営協が支部役員研修会
【 東京 】「事故防止手立てなら何でも」/交通共済協組・事故防止対策委
【 東京 】都内10乗り場で街頭活動/東タク協事故防止&乗務員指導委
【 東京 】初の広告付き上屋乗り場/東タクセン、青山・三田に設置
【 東京 】山氏の叙勲祝う会/三多摩支部全員でお祝い
【 訃報 】吉田守泰氏(茂呂運送会長)24日死去、48歳
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■ 都タクシーG3社が下限割れで届出
    小型1.7キロ500円 京都業界、深夜割増廃止に続く火種

【 京都 】都タクシーグループ3社(都タクシー、西都交通、都大路タクシー=いずれも筒井基好社長)が7日、小型で初乗り1.7キロ500円の公定幅外運賃(加算運賃は据え置き)を届け出た。4月1日以降、公定幅運賃から下限割れへの変更届は初めて。実施時期は不明。
 業界関係者がエムケイグループに対する行政処分差止の仮処分に対する大阪高裁の判断に注目している中、「エムケイへの牽制」と冷静に受け止める向きもあるが、京都府タクシー協会の常任理事会社であり、深夜早朝割増の廃止問題に揺れる京都業界に新たな波紋を投げかけた格好で、他府県への波及の可能性も含め、理由はどうあれ、このタイミングでの届出に批判の声があがっている。
 京都業界は昨年12月24日に公示された約17年ぶりの新自動認可運賃(改定率9.9%)に3%の消費増税分を転嫁した公定幅運賃を4月1日から実施。同グループ3社は、小型・中型ともに下限運賃を選択。小型は初乗り1.7キロ590円、加算運賃324メートルごと80円、中型は初乗り1.7キロ600円、加算運賃318メートルごと80円で運行している。割引運賃としては5000円超5割引と身体・精神・知的障害者1割引を継続。近畿のみならず全国から注目を集める深夜早朝2割増廃止を1月に申請、7月末で標準処理期間の6カ月をすぎたが、未だ審査が続いている。
 そうした中、大阪地裁の仮処分決定を受け、「一般他社より約15%安い!」と謳い、公定幅外の小型初乗り2キロ600円(加算運賃415メートルごと80円)、中型初乗り2キロ610円(加算運賃364メートルごと80円)の運賃で営業し、夜の繁華街などでは「独り勝ち」と他社の乗務員らに苦々しく語られるエムケイを牽制する狙いもあってか、突如、小型の下限割れ運賃を届け出た。

〜エムケイを牽制?
 翌8日に本紙の取材に応じた京都市域の事業者の一人は、「この時期に届け出た意図は分からないが、昨年の運改の際に、意見交換する中で、筒井社長からは初乗り1.5キロ、1.3キロ辺りまで下げて運賃を500円にしてはどうかという提案を聞いた覚えがある。今回距離短縮で行うことにしたのは、従来から580円から590円の下限割れ運賃でやってきたエムケイやアオイグループ(仲辻章二代表)、さらには都タクシーグループなどが同調しやすいようにと配慮してのこと。小型上限の640円に消費増税分3%を単純転嫁したとしても660円、約14%の値上げとなる。当然これを持ちかけても無理。もちろん初乗り距離短縮という手法はリスクも伴うし、京都の南部などは圧倒的に初乗り客が主流で、例えば1.5キロなどにすると大きな減収になる。だから1.7キロに落ち着いたという経緯もある。しかしなぜこの時期にこうした行為に踏み切ったのかは理解し得ない。おそらく、行政に逆らうということではなく、エムケイに対する牽制球に違いないと思うし、協会の常任理事という立場にもあるが、今回は会社としての意向、経営方針を優先したということだろうか」と推察した。
 また別の事業者は、「1月27日に施行された改正適正化新法は、規制緩和で疲弊した事業環境と労働環境の改善を求めて実施されたもので、具体的には運賃による不毛な過当競争を是正しようというのが大きなお題目だった。エムケイに続いて、本気ではないのかもしれないが、都タクシーグループがこのような届出をして、勢い全体に広がったら困ると懸念するのは私だけではないだろう。大阪などではもっと大きなインパクトで受け止められるのではないか」と困惑気味に語った。
 このほかにも「いかに司法判断とはいえ、エムケイの違法運賃を行政が及び腰のまま現に認めている。そういう実例があるからこうなった。もっと監督官庁として毅然たる態度を示すべき」「どうあがいても、結局はエムケイの判決待ち。国が勝てば公定幅運賃は固まるが、負ければ違法性を問われている運賃幅を広げれば良いだけ」「いずれにしても都タクシーグループには批判の矢が向くだろう」「大山鳴動して鼠一匹ではないが、いずれは公定幅運賃の中に全社収まる。心配していない」など、さまざまな声が聞かれる。
 果たしてこの後、都タクシーグループに続き公定幅外で届け出る事業者が出るのかどうか、またこの事態に対する行政側の対応も注目される。「指導」までは予測されるが、次のステップをどうするのか。もはや十八番の「粛々と」では済まされない。
〔8月9日関西版掲載〕<Topへもどる>

2014年8月9日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 京都 】都タクシーG3社が下限割れで届出/小型1.7キロ500円/京都業界、深夜割増廃止に続く火種
【 京都 】京タ協、20日に経営委
【 大阪 】ワンコインドームの仮処分/近運局が即時抗告
【 大阪 】累進歩合と深割廃止への徹底指導を/大阪交運労協が労働局交渉
【 京都 】法人414人、個人63人/京都市域、1年間で減少
【 神戸 】兵タ協、ケア輸送委員長に梁瀬氏
【 大阪 】国際興業大阪が新アプリ/「陣痛タク」の利便性アップ
【 大阪 】全員参加の乗務員研修/大阪山陽タクが10、11の両日
【 京都 】観光バスもショットガン入構/八条口、タクシーに続き実証実験
【 神戸 】神戸個人がデジタル無線説明会
【 大阪 】車両代替でグレードアップ/新体制のセブン交通
【 神戸 】私鉄関西ハイタク労連が定期大会準備
【 京都 】京運支局、個タク17人に認可書授与
【 神戸 】兵庫陸運部は7人に授与
【 神戸 】フクユ、精神障害者割引認可
【 大阪 】日交協和の分割認可
【 神戸 】柏原神姫タクシー、役員変更届
【 神戸 】飾磨交通、営業所廃止と営配
※大運支局監査情報
 
2014年8月8日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】適正需給、活性化の前に5・5問題/大タ協・関最高顧問、附帯決議の実効性求め国交省に陳情?
【 神戸 】兵庫県の最賃776円に/「目安」通り15円引き上げ
【 奈良 】奈良は14円引き上げ、724円/こちらも「目安」通りの答申
【 和歌山 】県も協力、和タ協「タクシーの日」
【 和歌山 】和ハ協は車内でハンドタオル配布
【 大阪 】DRは各社で直接購入へ/大阪交通共済、助成を検討
【 京都 】社会実験は小型のみで実施/京都駅八条口「ショットガン」
【 神戸 】財務・中谷、賞罰・青田の両氏/兵協、4委員会の委員長出揃う 
【 京都 】エムケイは今年も独自にPR/「タクシーの日」パレード
【 大阪 】大タ協、関協に譲渡の報告/南大阪第一交通、梅ア氏は退任
【 大阪 】1車1人制移行で減収/賃率見直し避けたいが…
【 大阪 】譲渡譲受の18人に認可書授与/大運支局、「福祉」「観光」に期待
【 神戸 】「死亡」「75歳以上」も容認を/個タクの譲渡譲受めぐって関係者
 
2014年8月6日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】大タ協は大阪駅の乗り場問題訴え/近畿各府県協会「タクシーの日」キャンペーン
【 大阪 】多様なタクシーをPR/道野委員長がラジオ出演
【 神戸 】神戸・阪神間は夕方のラッシュ時に/兵タ協、需要増につなげるPR
【 京都 】京タ協は青いたすきでうちわ配付
【 奈良 】奈タ協、タクシー車内でもうちわ
【 大阪 】HP、帰国者アンケートなど/インタク「観光部会」で検討へ
【 大阪 】「指差し外国語シート」改訂版/タクセン、今月中旬にも完成
【 神戸 】大阪駅の事故教訓に/東阪神タク協組が事故対策協
【 京都 】八条口「ショットガン」社会実験/今月実施へ、きょう説明会
【 大阪 】大阪高裁の判断見て値下げも/ワンコイン各社が暑中見舞
【 神戸 】県警とDR情報の提供等で協定/兵タ協、犯罪抑止と捜査協力
【 大阪 】大阪第一交通が南大阪交通買収
【 大阪 】大阪交通共済が安マネ認定セミナー
【 神戸 】神戸個人、月内に2回のIP無線説明会
【 大阪 】講師候補は村田、森原、杉本の3氏/近畿個タク経営者学校大阪校
 
2014年8月2日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】関協、「ハリポタ特需」肩すかし/USJ深夜配車、連日の「手配解除」
【 大阪 】乗り場の形状に問題あればJRと交渉/大阪駅前事故でタクセン・田中専務理事
【 神戸 】神戸・阪神間は実質減収続く/兵タ協、4・5月の輸送実績
【 神戸 】兵タ協、優良・篤実乗務員29人表彰
【 神戸 】地方最賃審に「慎重審議」要請/兵タ協「生産性向上が前提」
【 京都 】京タ協正副会長が近運局長表敬
【 大阪 】未来都が分社化、3営業所譲渡へ
【 和歌山 】唯一の上限運賃でいまだ好調/和歌山・相互タクシー
【 大阪 】前月比113人減少の中、65歳以上は42人増/大阪のタクシー乗務員
【 大阪 】河北交通圏はベスト交通に集約/G・T、枚方営業所廃止
【 大阪 】近鉄タク・平山社長が講演/労組役員に事業努力をアピール
【 大阪 】深夜割増廃止、8月末まで延伸/近運局、1年限定の関西タク
【 大阪 】近運局交通企画課長に北川氏
【 大阪 】毎日交通4両→さかい交通、申請
【 大阪 】セブン交通、役員変更届
【 和歌山 】龍神、事業廃止届
※大運支局監査情報
 
2014年8月1日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 東京 】大阪19円、京都・兵庫は15円/中央最賃審が引き上げの「目安」
【 大阪 】大タ協、大阪最賃審で慎重対応要請
【 大阪 】「活性化」で自治体代表と意見交換/大阪準特協、作業部会設置に向け18日
【 大阪 】大タ協専門委、正副委員長出揃う
【 大阪 】大タ協執行部が近運局長表敬
【 大阪 】故・暮部光伺氏に旭日双光章追贈
【 大阪 】ワンコインドームも「処分差止」/大阪地裁が仮処分認める
【 京都 】即時抗告の高裁判断は8月末?
【 神戸 】兵タ協、総務委員長に成川氏/利用者の意見集約等が検討課題に
【 神戸 】経営委員長は大久保氏/「利用しやすい運賃」など検討へ
【 大阪 】ヘイローアプリ、200両規模で/全大個協組、auと法人契約へ
【 大阪 】全大個協会、経営者学校の講師選任へ
【 和歌山 】「和歌山おもてなしタクシー」出発/フォローアップへ関係団体の連携を
【 大阪 】一般タクシーも交通弱者に対応/大タ協、暮部・ケア輸送委員長
【 大阪 】大タ協、大阪駅の事故で注意喚起
【 神戸 】兵協、総務委員長に成川氏
【 東京 】全個協執行部が国交相表敬/木村会長、和田副会長ら
【 東京 】LPG8月CPは下げ
 
2014年7月30日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】PTは正副会長と連携して推進/大タ協・三野会長、「接客コンテスト」にも前向き
【 大阪 】大タ協、経営委員長に牛島氏/ケア輸送委員長は暮部氏
【 大阪 】実働率低下による増収で「効果まだまだ」/交友会・通常総会で後藤理事長
【 大阪 】対外広報でタクシーに理解を/大タ協・照屋副会長が抱負
【 大阪 】NPO輸送、社両面で検証も/梅ア・技術環境委員長
【 大阪 】乗務員確保など経営支援にも力点/道野・広報・サービス委員長
【 神戸 】事業者が減収分の補償を/空港定額運賃めぐり労組幹部
【 和歌山 】「和歌山おもてなしタクシー」/きょう県庁前で出発式
【 大阪 】事業適正化等の説明会/大タ協、講師は黒田二課長に
【 京都 】京タ協、常人理事8氏選任
【 神戸 】兵協、事業運営委員長に橘信之氏
【 大阪 】近運局、個タク譲渡譲受42件認可
【 大阪 】府労委が30日に審問/豊中自教管理職労組が申立
【 大阪 】無事故・無違反コンテスト/タクシーは30事業所を表彰へ
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