ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2014年3月17日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信
改正新法は正直者に微笑むのか?
  
 「特定地域」指定後に残る課題

 全タク連の富田昌孝会長は12日の理事会で、同連合会が従来から掲げてきた4つの課題=@独占禁止法との関係A減休車の不公平感解消B下限割れ運賃への対応C特定地域指定解除後への不安―を解消するには改正タクシー適正化新法における準特定地域の大部分の「特定地域」への指定は不可欠との認識を示した。一方、国土交通省では全タク連の要請に応える格好で特定地域の指定要件策定、同地域指定を今夏まで先送りし、この問題の検討に当たって平成25年度実績を勘案する方針を示している。
 したがって特定地域の指定要件確定、その後の運用通達等のあり方次第でどうにでも変わるという一面は残しているものの、すでに公表されている関係通達(協議会のガイドライン等を含む)から見えてくる不安要素も少なくない。

解決済みの課題と手付かずの問題
 全タク連の掲げる4つの課題のうち、独禁法との関係、下限割れ運賃対策、特定地域指定解除後の問題についてはほぼ解決、または解決への筋道が付いた―というのが同連合会首脳の共通認識と言えそうだ。独禁法については特定地域に限ってではあるものの、事業者の共同行為による輸送力削減も同法適用除外と規定されている。また、下限割れ運賃については公定幅運賃が適用される地域(=準特定地域以上)では解消し、大阪など遠距離割引問題を課題として残す地域もあるものの、下限割れ運賃そのものは解消に向かうことになった。特定地域指定解除後への不安については、準特定地域制度そのものの創設が激変緩和措置と位置づけられており、特定地域指定期間の3年と更新1回を合わせて6年、さらにその後の準特定地域移行で計9年、あるいは準特定地域指定には更新の回数制限がないことから準特定地域を複数回更新し続ける事態になれば、その時点で現状固定を図ることも起こり得るという意味でほぼ解決済みと解釈することもできる。
 一方、現時点で未解決とされるのが、減休車の不公平感解消だ。新法における準特定地域では輸送力削減について旧法の特定地域同様に事業者に対する強制力がないため、事業者ごとの輸送力削減努力の濃淡を解消することはほぼ不可能と考えられている。全タク連理事会で富田会長が「特定地域指定が不可欠」と力説したのもこのことに由来する。

輸送力削減に関する課題
 したがって、輸送力削減に関する事業者間の不公平感解消については改正タクシー適正化新法の趣旨により「特定地域に指定されれば、営業方法の制限命令発動を背景に各事業者に輸送力削減を強制することができる」ことで、この問題は解消されるというのが原則だと考えられている。
 しかし、実際には国交省が1月24日付で発出した通達「特定地域計画の認可基準」によれば地方運輸局長が同計画を認可するに当たって「特定地域内に配置される事業用自動車の総台数及び地方運輸局長が公示する当該特定地域における適正車両数、その他必要な書類等を勘案し、当該特定地域内の営業所に配置させる事業用自動車の総台数が適正車両数の上限に至らない車両数または概ね適正車両数の上限の車両数となるよう、当該地域において削減すべき供給輸送力が定められているものであること」と規定されている。
 例えば、ある特定地域において運輸局が公示した適正車両数が1000〜2000両の地域で、現在の総台数が3000両であれば、「あと1000両輸送力を削減できる」ということになるが、一方で同じ適正車両数で、現時点での総台数が1500両の地域なら、「すでに適正車両数の上限値を下回っており、追加して輸送力削減を行うことができない」ということになる。
 後者のケースの場合で、例えば旧法時代に業界標準として20%の減休車に自主的に取り組み、その結果地域の総台数が1500両に至ったというのであれば、新法施行後の特定地域に指定されても、20%減休車に協力しなかった事業者にも20%減休車まではやってもらうという特定地域計画を立案し、認可を得ることはできないことになる(厳密に言えば地域全体でただの1両すら減らすことはできない)。このようなケースでは準特定地域のまま放置されても不公平は解消されないし、特定地域に指定されても独禁法との関係で供給輸送力削減は「必要かつ最小限度のものでなければならない」とのカベにぶち当たったことになる。その典型例が大阪市域交通圏、京都市域交通圏などに当たる。

適正車両数をどうするか
 国交省自動車局に本紙が確認したところでは「法令上はそういうことになる。すでに適正車両数の範囲内にある場合、特定地域計画として追加的輸送力削減を盛り込むことはできない」としている。ただし、あくまで適正車両数の上限を下回ることができないとされているのであり、これからの輸送力削減をすべて営業方法の制限で実施する場合どのように取り扱われるのかは通達上明確ではない。
すでに適正車両数の範囲内にある場合、上述のように輸送力削減(少なくとも直接的な減休車による車両数の削減)について身動き取れない可能性のある地域ということになる。しかし、あくまで現在の適正車両数を前提に考えた場合ということでもあるため、平成25年度実績を含む直近の実績値を用いて適正車両数を再計算すれば、事態が変わる可能性もある。
 21年度から25年度までの実績を用いた場合(*現在の適正車両数は平成20年度までの実績値が用いられている)、リーマンショックや東日本大震災の影響による大幅な需要の落ち込みが完全に反映されるため、現在の適正車両数よりも大幅に少ない台数となる可能性が高い。その結果、現在の適正車両数の範囲内にある地域でも、再計算された新しい適正車両数からは再びはみ出す可能性が小さくないのではないかとみられる。適正車両数の再計算によって不公平解消を実行できる可能性は拡がるが、その一方であまり適正車両数の範囲が低位(より一段と少ない台数)へと変化すると供給輸送力削減の余地が大きくなり過ぎて、それはそれで特定地域計画の合意を見出すことが難しくなるというジレンマも抱えてしまうかもしれない。
 そもそも適正車両数は改正タクシー適正化新法関係通達等により地方運輸局が算定することとされているが、同法施行後の適正車両数の見直しをも地方運輸局が判断することになるのか、各地域の協議会の合意、要請により見直すことができるのか、公表されている通達からだけでは判断できない。見直しの有無そのものも国交省主導で全国一律に行うのか、国交省が主導する場合でも地方運輸局ごとに異なる判断を許容するものなのか、地域事情を勘案して協議会の要請に基づくこととするのかはっきりしない。
 本紙が国交省自動車局に取材した範囲では「その点については、特定地域の指定基準もまだ決まっていない段階であり、今後の検討課題になるものであり、現時点では未定」ということだった。

「その他ハイヤー」と基準車両数の問題
 ここまで、適正車両数との関係で今後の供給輸送力削減の程度にかなりの幅が出る可能性があることを論じてきた。ところが、さらにその前段の話になるが、改正タクシー適正化新法施行に合わせて、いわゆる基準車両数の「基準日」がこれまでの平成20年7月11日等から、新法施行の日=平成26年1月27日に変更されたこと、加えて関係通達により従来のハイヤーが「都市型ハイヤー」と「その他ハイヤー」に区分され、その他ハイヤーについてはタクシーに準じて新法の規制対象となり基準車両数に参入するとともに、特定地域等においては削減されるべき供給輸送力の対象にもなった。
 これにより、全国の準特定地域(=今後の特定地域指定予備軍という意味もある)における正確な基準車両数とそれに対する現時点での輸送力削減率が地方運輸局においても把握されていないケースも見られることとなっている。
すでに一部事業者の間では、実働率の低迷を受けて休眠中のタクシーをその他ハイヤーに転用したり、都市型ハイヤーをその他ハイヤーに転用する動きも出てきており、そうなると当該事業者の基準車両数と輸送力削減率も旧法時代と変わって来るし、そうした動きが活発になれば、地域としての正確な全体像が見えてこないということにもなっている。

特定地域指定イコール問題解決か?
 特定地域計画の合意要件はもともと当該地域の法人、個人タクシー総台数の3分の2以上の同意が必要とハードルは高かったが、これに国会附帯決議により法人事業者大手の過半数、同中小事業者の過半数、個人タクシーの過半数の合意も必要とされ、そのハードルは一段と高く設定された。国交省のガイドラインによれば大手、中小の定義そのものも、各協議会に委ねられており、夏以降とされる特定地域指定、その後の特定地域協議会での論議は難航も予想される。
 もちろん、その時点に至った段階では、上述のような適正車両数やその他ハイヤーの問題などは一定の方向性が示され解決に至っている可能性もあると考えられるが、特定地域への指定は全タク連の掲げる4課題解決へのスタートラインに付くことができるに過ぎず、指定イコール問題の解決には程遠いというのが実情だろう。(了)
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No.529 3月17日号 主な内容
■巻頭人物  :三日月大造氏(民主党タクシー政策議員連盟幹事長)
気になる数字
:1800−523/26年後の2040年には全国1800のうち523自治体が消滅!?
トピックス
:改正新法は正直者に微笑むのか?〜「特定地域」指定後に残る課題
:公益についての深い議論を〜東京地区準特定協議会に参加して/倉橋史朗氏
:信管外しで実質は不発弾?〜大阪業界、二段構えの「7・3」申請
:南海トラフ地震に備え〜神戸空港タクシー、新車庫本格稼働
:<特集> 2014春闘―産別・労組はいま〜私鉄総連東京ハイタク労連
:止まらぬ高齢化、労組の危機〜組合員減少、後継者がいない…
:セドリックよ、おまえもか…〜これでいいのか、セダンLPG車の終焉
:「命を燃やす」を理念に〜相互タクシー(和歌山)が創業60周年
東西往来:事故のみならず暴力、詐欺も/痒いところに手が届く!
この人/この言葉
:武居利春氏、町田栄一郎氏、加藤直人氏、前野博司氏
シャッターチャンス
:バトンは33歳下の後輩川鍋氏に/タクシー向きの車を自分で選ぶ
:3択しかない基本運賃とはいえ/上げたいのか、下げたいのか…
■アラカルト
:<連載第57回> 多田清社長殿創業史―「相互十年」を読む
:<内外交差点> 疲労測定の点呼システムへの応用  倉恒邦比古氏A
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Faxpress 関東版
 日本交通が大阪進出を発表
   関西中央グループの1社など買収
      関東圏以外でも事業拡大に意欲

【 東京 】都内タクシー大手4社の一角・日本交通(川鍋一朗社長、北区)は14日、タクシー事業での大阪進出を発表した。大阪市域交通圏の既存事業者2社を株式譲渡及び営業権譲渡譲受で買収したもので、商号は「東京・日本交通株式会社」とする。買収先2社はいずれも関西ハイタク事業協同組合所属で、うち1社は関西中央グループのユタカタクシー。当初は2社合わせてタクシー45両で事業を開始する。
 日本交通が買収したのは、いずれも関協所属の2社で、ユタカタクシー(高月勝守社長、大阪市北区、タクシー22両)と栄和交通(茶木諭志社長、守口市、タクシー72両)。ユタカタクシーは、発行済み株式を全株取得し、本社・営業所を大阪市浪速区敷津西2ノ7ノ10に移転、タクシー22両全車を傘下に収めた。ユタカタクシーは関中グループを率いる薬師寺薫代表がタクシー経営に乗り出した際に最初に取得した思い入れの強いとされる会社。栄和交通は日本交通が先日東京で傘下に収めた東京ひかり交通の新設子会社・ひかり整備を社名変更し、営業権譲渡譲受(分割譲渡)で23両を買収した(現在、近畿運輸局に譲渡譲受申請中)。本社・営業所は守口市寺方本通1ノ25に移転する。両社はいずれも商号を「東京・日本交通」と改めるが別法人格。また、代表取締役には両社とも、日本交通総合営業部の金田隆司部長が就任する。
 営業車両はトヨタ・クラウンセダンを採用し、黒塗りタクシーとして運行。屋上灯は東京の日本交通グループと共通の『桜にN』の丸型行灯を用いることとしている。当初は、いわゆる「4社カラー」と言われる黄色ベースに赤い帯をあしらった車色採用も検討されたが、大阪の一部事業者に採用されている小型車の黄色との混同を避けて当面は黒タクのみに決まったという。
 日本交通では「縁あって両社を買収することになった。縁あってという意味では神奈川や千葉、群馬での事業拡大と同じ。今後もご縁があれば大阪府下での買収、事業拡大もあり得る」と話している。関東圏以外への日本交通の進出は初めて。
〔3月15日号関東版掲載〕  <バックナンバー一覧へもどる>

2014年3月15日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】日本交通が大阪進出を発表/関西中央グループの1社など買収/関東圏以外でも事業拡大に意欲
【 東京 】深夜早朝割増は公定幅運賃に/全タク連、再考求める意見提出
【 東京 】地方業界は全タク連続投に安堵/東タク協・富田会長の勇退表明で
【 東京 】「乗務員の体調変化時」の措置など/行政処分改正でパブコメ募集
【 東京 】東京版5コースで実施/外国人観光モニターツアー
【 東京 】免停時運行含む7人除名/東個協・臨時総代会で決議
【 東京 】全国29地域で設定/公定幅運賃の初乗短縮
【 東京 】都内で「円陣タクシー」を運行/アディダス社、日の丸交通と協力
【 東京 】累進歩合廃止へ厚労省と連携/自交総連・中央行動で国交省回答
【 東京 】賃金引上げ、労働者負担の撤廃など/KPU東京、単組の14春闘要求
【 東京 】関自無協総会は5月15日/東京支部総会は4月25日
 
2014年3月14日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】富田氏が東タク協会長勇退へ/任期1年残して、全タク連は続投/後任に川鍋氏、東タク協・正副会長会議で表明
【 東京 】初乗短縮、税率10%時に検討の余地/全タク連理事会で富田会長
【 東京 】特区・武三と多摩地区で明暗/東タク協・1月の全社輸送実績
【 東京 】新規は国際自動車東雲のみ/2月分のグリーン経営認証
【 東京 】稼働、工事中で11万局超
【 横浜 】個タク6者に安全輸送確保命令/関運局・2月の行政処分
 
2014年3月12日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】99万8173回、8.0%増/15グループ中、8グループが増加/2月の都内無線配車回数実績
【 東京 】公定幅運賃への対応めぐって/チェッカー、東京無線が説明会
【 東京 】「3階部分」はDB制度に移行/東旅厚年基金「解散」で説明
【 東京 】バス協に労働時間管理の徹底促す/北陸道事故受け厚労省が通達
【 東京 】移動無線局の被災情報も収集/東タク協が防災訓練
【 東京 】今秋に接遇コンクールを開催/チェッカーキャブグループ
【 東京 】65歳以上が30%に迫る/都内法人、70歳以上も10.5%
【 東京 】今月下旬に関運局要請行動/東京ハイタク労働団体
【 東京 】タクセンが4月からUD研修/新規講習に導入、特別研修も
 
2014年3月8日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】特区・武三「何がなんでも特定地域に」/準特でも適正車両数の見直しが必要/東タク協、武居・労務委員長
【 東京 】バス協に安全確保の徹底を通達/北陸道事故受け国交省
【 東京 】国交相「運転者の状況など調査」
【 東京 】奈良部長「存在基盤脅かす事態」/全個協関東支部との懇談で苦言
【 横浜 】GLに沿って学識者会長人選中/次回会合に向け神奈川の準特協
【 東京 】電気タクシー7件などに助成/国交省の地域交通グリーン化事業
【 横浜 】神タ協が労務経営研修会
【 東京 】「特定地域指定」など11項目/ハイタクフォーラムが国交省に
【 東京 】全体的な賃金底上げ求める/交運労協が春闘決起集会
【 静岡 】特定地域指定は「五分五分」?/日交労・春闘集会で伊藤委員長
 
2014年3月7日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 横浜 】迎車料金「310円」を容認/4月1日実施へ、申請期限は14日/関運局方針、中小事業者は安堵
【 東京 】厚年基金改革、政省令出ず/「解散法」施行まで1カ月切る
【 東京 】日交がジェネシスHDと資本提携
【 東京 】新法の厳格適用で労働環境改善/ハイタクフォーラムが大集会
【 東京 】25年度配当、正副理事長に一任/東京ハイタク交通共済理事会
【 東京 】公定幅運賃の届出など説明/東タク協、支部非加盟事業者などに
【 東京 】国交省前にタクシー500両/自交総連「3.6中央行動」
【 東京 】メンタルヘルスをテーマに/東タク協・労務管理セミナー
【 東京 】勤続給支給を月額600円に/中労協の14春闘統一要求
【 横浜 】市民団体がUDタク推進シンポ/神タ協が協力、13日に開催
 
2014年3月5日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】全280両、携帯IP配車に移行/配車効率20%アップ目指す/東京業界初、コンドルGが運用開始
【 東京 】スマホ配車の環境整備で検討会/国交省、利用者保護や公正競争など
【 東京 】国交省が対策本部設置/北陸道の新乗合バス事故
【 東京 】体調変化による交通事故/交通科学シンポで予防策など提言
【 東京 】効果的な供給削減実現に疑問/改正法運用で自交総連・今村書記長
【 東京 】免停中運行の事業者/日個連都営協「処分せず」
【 横浜 】「川崎」「横須賀」取り上げて/「かながわ観光タク」第2回研修
【 東京 】UD研修修了者280人に/東タク協三多摩支部
【 東京 】カリキュラム入れ替えて/三幸自動車のUD研修
【 東京 】事業者全体へのアプローチも/事故防止で東個交通共済・田中理事長
 
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Faxpress 関西版

■ 5・5見直し、原計書の追加提出あるか?
    変更申請の107社中、26社のみ

【 大阪 】近畿運輸局(大久保仁局長)は17日付で大阪業界の遠距離割引変更申請事案を公示する。対象は3月以降の6社。2月申請分の101社と合わせて14日までに申請したのは107社だが、うち8社は取り下げ願いを提出、また審査に必要な原価計算書の添付は26社にとどまっており、公定幅運賃の導入に合わせて4月1日から「7000円超分3割引」などに移行する可能性は極めて低いのが現状だ。
 近運局は、改正適正化新法の参院附帯決議などを踏まえ、「地域全体の流れ」を尊重して迅速に処理する意向で、ぎりぎり週明けの2日間で相当数の原価計算書が追加提出されれば4月1日に間に合う認可もあり得る。ただ、26社の中にも取り下げを検討している向きがあるほか、関西中央グループ(薬師寺薫代表)が「5・5継続」の判断を下したことで、申請各社も慎重姿勢に転じている。京都市域の運賃改定のように取り下げ願いが相次ぐ事態に至っていないのは、26社以外は原価計算書を提出しない限り審査に入らず、「保留」の状態が続くため。状況が変わらなければ、通常の審査として取り扱われ、6カ月程度の処理期間を要するため、4月以降も「5・5スタンダード」が続き、基本運賃は公定幅に収れんされるものの、遠割はそのままということになる。
 申請107社の総車両数は約9000両で、大阪市域約1万5000両の6割程度に達するが、原価計算書添付は26社のみ。旅客第二課は14日、本紙の取材に「この状態では、標準処理期間の短縮など到底考えられない。提出されている変更申請については、一律に公示事案となるが、問題は原価計算書。本来こうした変更申請には締め切りなどないし、出てきたものを粛々と標準処理期間の半年かけて行うだけだ。しかし現在のような状態で、仮にこの先たくさんの原計書が出てきて、滑り込み28日あたりで認可が間に合っても、メーター機器の変更など物理的な問題も残る。局が承認した換算表も基本10日間での使用とされているし、緊急を要する時に利用願うものという考えでいる。利用者とのトラブルが懸念される限りは、極力避けてもらいたいのが正直なところだ」と指摘。4月1日に向けた認可については「これ以上は待ったなし」と、明確に線を引き、状況が変わらなければ、26社に対する特例措置も「非常に厳しい」との認識を示した。いずれにせよ、週明けの2日間の動きがすべてといえる。
〔3月15日関西版掲載〕<バックナンバー一覧へもどる>
2014年3月15日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】5・5見直し、原計書の追加提出あるか?/変更申請の107社中、26社のみ
【 東京 】東京・日本交通が大阪進出/まず2社・45両で
【 大阪 】5・5変更「しばらく静観」/全大個協会・新山会長
【 京都 】京都の深夜割増廃止申請、さらに
【 大阪 】未来都は大阪全域で上限/さくらグループは全車種下限
【 和歌山 】和歌山市域の届出は未だ2社/紀南の熊野第一はB運賃
【 奈良 】奈良の公定幅運賃届出状況
【 大阪 】「信頼失墜行為には厳正に対処」/新大阪駅の近距離対応で支局通達
【 京都 】京都は9社が参加へ/マレーシア「ラッピングタクシー」
【 大阪 】阪急タクシー・代取専務に鈴木氏
【 神戸 】姫路市が「タクシーに係る勉強会」/20社の代表が参加して議論
【 大阪 】ワンコイン八尾がヘイローアプリ/需要と供給のミスマッチ解消へ
【 神戸 】兵協、役員改選に向け準備
【 大阪 】車種区分変更の見直しを/全大個協会が再度の申し入れ
【 大阪 】阪急タクシー労組の春闘
【 大阪 】朝日自動車5両→商都交通、申請
【 訃報 】吉村靖弘氏(近運局自交部次長)13日死去。58歳
 
2014年3月14日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】北新地の「既得権」問題、終結宣言/一水会で報告、相互・都島両社が「協力」回答
【 大阪 】「注意文書4回」の事業者に憤り/北新地抜き打ち調査で当局
【 大阪 】自主街頭指導は規模縮小へ
【 東京 】東タク協・富田会長が5月勇退へ/後任に川鍋氏、全タク連会長は続投
【 大阪 】「公定幅」下限から上限に変更/関中Gの北摂2社
【 大阪 】通行量が多い場所に乗降場を/北新地・自主街頭指導
【 大阪 】「体力勝負を容認するのか」/「5・5」存続で産別幹部が問いかけ
【 大阪 】「特定地域指定」への働きかけなど/自交大阪が大タ協に申し入れ
【 大阪 】「外国人観光客モニターツアー」/京都・大阪で今週末実施
【 大津 】滋タ協が功労者・優良運転者表彰
【 大阪 】後継人材の育成に悩み/高齢化で労組員の減少進む
【 大阪 】大タク、今春も「交通安全講話」
【 大阪 】次回17日の妥結目指す/山陽交通労組・春闘交渉
 
2014年3月12日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】関中グループは「5・5」継続/大手含め「7・3」撤回に逆流も?
【 大阪 】「5・5」「7・3」のステッカー準備/関協「1国2制度」で決着したが…
【 大阪 】「流れを止めるリーダーは不要」/商都ハイタク労組・定期大会
【 大阪 】関中G見送りなら提訴も/5・5見直しで全自交大阪幹部
【 大阪 】歩率の変更など、協定書で確認/深夜割増廃止の審査で近運局
【 京都、大阪 】京都相互は距離制下限を選択
【 大阪 】国際興業大阪、新社長に山本氏/迫田氏は取締役会長に
【 和歌山 】社長以下の社内バンドでおもてなし/相互タクシー(和歌山)が創業60周年
【 大阪 】堺市内9ルートでデマンドタク/大阪第一交通が実証実験開始
【 大阪 】事故分析の重要性/NASVAが安マネ支援講習会
【 神戸 】神戸空港タク、新車庫が本格稼働
 
2014年3月8日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】関中G、大阪市域は上限で/北摂は下限、「5・5」見直しの結論まだ
【 大阪 】「5・5」「7・3」で混迷/関協、無線配車などで悩み
【 大阪ほか 】申請、取り下げの動きなし/週末の大阪業界は様子見?
【 京都 】大手の廃止申請が波紋/深夜早朝割増めぐって
【 大阪 】大商・運輸部会で近運局長が講演
【 大阪 】深夜早朝割引に絞って/自交京都、11日にも近運局交渉
【 大阪 】タクセン負担金、据え置き
【 大阪 】2府4県で合同開催も?/参加者減少のUD研修
【 神戸 】兵陸部、優良個タク13氏を表彰
【 大阪 】公定幅運賃など説明/全大個協組が支部長会議
【 大阪 】御影第一・泉南営業所→大阪第一
【 大阪 】植田交通→フクユ、全部譲渡認可
【 神戸 】オーシャン10両→かもめ、申請
【 大阪 】南タクシー、役員変更届
【 京都 】洛東G、役員変更届
【 大阪 】「輸送の安全確保」改善なく/近運局、法人1社を車停処分
 
2014年3月7日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】5・5見直し、関中Gは慎重姿勢/薬師寺代表、低運賃組の動向見て10日までに判断
【 大阪 】「5・5」変更は105社/2社が「7・7」取り下げ
【 大阪 】せめて「7・5」にとの声も/低運賃組の「5・5」に対応
【 京都・奈良・大津】京都はバラつき、奈良・滋賀は上限
【 神戸 】兵庫9社も上限で足並み
【 大阪 】「全車小型化」等の動きを危惧/交通労連関西ハイタク部会
【 大阪 】「公定幅は統制運賃」/壽タクシー・浦木山社長
【 大阪 】西菱電機が業績予想を上方修正
【 東京 】労働環境改善を実現へ/ハイタクフォーラムが決起集会
【 大阪 】新金岡の「距離短縮」議題に/大阪準特協、書面開催へ
【 京都 】京タ協、新運賃の案内文案を検討
【 神戸 】東阪神タク協組が優良乗務員表彰式
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