ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2014年3月3日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信

改正法下の地域協
  
 その滑り出しと今後の課題

 改正タクシー適正化新法がさる1月27日に施行され、まずは旧法時代の特定地域155地域がすべて新法下の準特定地域に指定された。全国各地で2月早々から「準特定地域協議会」が順次開催され、それなりに熱い議論も交わされた地域もあったようだ。旧法下ではまず個別事業者の任意の取り組みながら、事業再構築の名の下に減休車が実行されたため、中でも東京都特別区・武三交通圏は全国の先陣を切り、また、モデルケースとしても注目されてきた。今回の新法では供給輸送力削減に直接結びつく、特定地域の指定が夏頃まで持ち越されたことから、まずは直面する4月の消費税増税にどう対応するか、公定幅運賃に関する意見聴取が中心ということで、同交通圏は必ずしも全国トップを切っての開催とはなっていなかった。そこでの議論を振り返りながら、今後の課題を探ってみた。

新メンバーの加入
 東京都特別区・武三交通圏、同北多摩交通圏、同南多摩交通圏、同西多摩交通圏のタクシー準特定地域協議会の構成員は別表1(略)の通り。新規加入構成員はタクシー事業者では、清澤洋人(アシスト旅客事業部長)、諸岡政文(ユアーズ社長)、金子健作(ロイヤルリムジン社長)、倉橋史朗(アイティータクシー社長)、西海弘司郎(東京エムケイ社長)、鈴木嘉規(平成ハイヤー東京営業所長)―の6氏、労働組合からは大和田正樹(全自交東京地連委員長)、豊川昭憲(私鉄東京ハイタク労連委員長)、斎藤光男(交通労連東京都支部委員長)、小嶋靖雄(全中労東京議長)、佐藤新一郎(私鉄関東ハイタク協議会事務局長)―の5氏。一方、新法施行を機に構成員から警視庁代表が抜けることとなった。
 新規加入のタクシー事業者は規制緩和後の新規参入事業者や低額運賃事業者、あるいは特別区・武三交通圏の地域標準となっている20%の減休車を実施していない(削減率20%未満の事業者を含む)事業者が顔を揃えた。労働組合では、新法に対するスタンスの違いもさることながら、全自交の分裂、それを契機とした東京ハイタク労働6団体の別組織への衣替えなど主に組織問題から新メンバーが参加した格好と言えるだろう。

会長選出をめぐって
 新しい構成員の顔ぶれをみると、少なくとも事業者代表については「何かを言わなければならない」との思いを秘めての参加であることが予想された。会長選出に当たっては、まずロイヤルリムジンの金子氏が構成員には「学識者として独占禁止法の専門家を加えるべきだ」と主張した。その理由として準特定地域は独禁法適用除外にならないため、施策次第では同法に抵触する可能性があるため―と説明している。増車申請却下処分を巡って国と司法の場で争っている最中の同社だけに、輸送力削減にかかわわる部分では敏感に反応したものと言えるだろう。
 また、会長選出に当たって、旧法時代の協議会座長の経験を生かしてほしいとして、専修大学の太田和博教授を推す声に対して同氏は「特定地域指定後は輸送力削減を強制されることもあり、また、現時点では準特定地域であり独禁法適用除外となっていないのだから、独禁法専門家を構成員に加えた上で、その専門家に会長就任を要請すべきだ」と主張するとともに、「そうでなければ人事案に同意しない」と言い切った。
 金子氏の立場からすると、頷ける主張であるが、今回の準特定地域協議会は消費税増税に対応した公定幅運賃に対する意見聴取と位置づけられていたこと、金子氏の経営するロイヤルリムジンもまた自動認可上限運賃採用事業者であったことから、会長人事に関する同氏の主張はあるいは大方の予想の範疇にはなかったものだったかもしれない。
 とはいえ、会長人事案そのものは、消費税増税が間近であること、会長選出なしには協議会開催できないことなどから構成員による採決に持ち込まれ、金子氏らを除く多数決により推薦の声通り、太田氏に決まった。
これらのやり取りを聞いていた太田会長は、就任直後のあいさつで、本号巻頭言の通り所信を述べて、柔らかなもの言いながらあくまで地域全体としてのタクシーを考えていく姿勢を示している。

会議の位置づけと運営
 会議の位置づけそのものについては、先述した通り巻頭言で紹介した太田会長の発言内容に沿うものと言えるだろう。個別各社の事情は事情として地域公共交通としてタクシーがどのようにその機能をより発揮できるようにしていくか―という観点での議論が待たれるという建前になっている。
 とはいえ、将来の特定地域指定も睨み、また道路運送法の自由化原則を維持したままであることとの整合性や協議会の透明性確保の観点から新法下での協議会は原則として構成員の加入、脱退の自由を認めている。自由に参加できる以上、新たに加わる目的は自社・自団体の事情を最大限に主張し、その主張にいかに合理性があるかを業界外の委員に訴える―ということにあるものと推定される。
太田会長は冒頭あいさつで協議会の目的に合致しない議論はよそでやってくれと釘を刺しているものの、「構成員の発言を遮るつもりはない」とも述べており、会議のかじ取りはなかなか容易ではないものと言えそうだ。一方で、本格的に議論が過熱するとしたら特定地域指定を受けた後ということにもなるだろう。

公定幅運賃
 今回の協議会では運賃問題が主要な議題になっていた。新法に沿えば各地方運輸局が提示した公定幅運賃の範囲の指定について意見を聴くということになっている。加えて、今回の会議では公定幅運賃そのものだけでなく、国交省通達に示された加算運賃の加算距離1回分の初乗り距離短縮の是非を問うというものだった。
運賃問題では会議の後半に早稲田大学の戸崎肇教授が指摘したように公定幅運賃の公示案そのものへの意見というよりも、「適正に消費税を運賃に転嫁すべき」との声が大半。会議本来の論点からずれるが、車種区分ごとの上位と下位との加算距離1メートルの違いや、深夜割増がどうなるのか―など事業者としては気になるのはもっともだ。ただし、深夜割増の取り扱いなどは2月15日付の国交省のパブリックコメント募集などで周知の事実であり、決まったわけではないが、すでに方針は示されており、そのことはこの協議会で議論すべき問題でないことは戸崎氏の指摘通りでもある。
 このように、いろいろ脱線もあったが消費税単純転嫁を柱とする公定幅運賃は承認が大勢を占め、結論としてもそのように取り扱われることとなった。その点では、安売りのエムケイが、東京とはいえ公定幅運賃で強硬な姿勢を見せることもなく淡々としたものだったのは別の意味で印象的だった。
 初乗り距離短縮については、業界労使のみでなく消費者代表からも「メーター表示額をそのまま払う習慣になっている。距離短縮よりも深夜割増や迎車料金の方が気になる」(工藤芳郎・くらしのリサーチセンター副会長)、「初乗り短縮の1.72キロという距離感がピンとこない。640円と表示されていれば運賃が安いと勘違いするかもしれない」(下谷内冨士子・全国消費相談員協会顧問)―といった声があがっていたことで、賛否両論という格好になった。この点についても関東運輸局への協議会の意見として両論併記することが決まっている。

今後の課題
 協議会の位置づけとしては、繰り返しになるが地域公共交通機関としてタクシーの機能をいかに発揮させるかとの観点で、地域全体にとっての最善を探るものになる。太田会長の指摘するように「個別の事情のみに基づく議論はよそでやってくれ」ということになるものの、今後、東京4交通圏が特定地域に指定された場合にはさらに構成員が増加することも起こり得る。
 また、その場合に供給輸送力削減が最大の課題になるものとみられるが、輸送力削減を盛り込む「特定地域計画」の合意要件は地域全体の法人・個人タクシー総台数の3分の2の合意が必要かつ、法人大手、法人中小、個人タクシーのカテゴリーごとに過半数を確保しなければならないことになっており、しかも大手、中小の区分自体も協議会の議論に委ねられていることから、その際の議論は相当白熱することも織り込んでおかなければならない。
 協議会の議論そのものは会長がコントロールできたとしても、計画合意に向けた採決では個々の構成員がそれまでの議論の経過とは関係なく、個別の事情に基づいて行動することを妨げる仕組みが新法には仕込まれていないことが難点だと言えるだろう。
 特定地域指定後の協議会では立場の違う構成員同士がかみ合った議論をすることができ、しかもその議論の経過、結論を踏まえた行動をとることができるか、できなかったとしても地域にとって最善の計画を立案、合意に至るかどうかはなかなか容易なことではないように見えるのだ。(了)
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No.527 3月3日号 主な内容
■巻頭人物  :太田和博氏(東京4交通圏準特定地域協議会会長)
気になる数字:226万800円/平成25年の全産業男性労働者とタクシー運転者の年収格差
トピックス
:改正法下の地域協〜その滑り出しと今後の課題
:スマホdeタッくん〜運用開始から約1カ月、2週連続の大雪に威力発揮
:「7・3遠割」へ一気呵成!〜大阪業界「5・5」脱却へ
:7年目迎えた安マネ「キックオフ」〜ライオン交通が続けてきたこと
:災害時には電気をプレゼント〜これからのタクシー@扇タクシーグループ
:燃費と耐久性で選んだHVカローラ〜これからのタクシーA日本城タクシー
東西往来:べた凪の準特協か/「通天閣高い」は遠い昔
この人/この言葉
:岡田佑氏、上村満氏、小野幸親氏、杉山和義氏
シャッターチャンス
:早めの説明会開催は意図的に?/支度金より“居心地競争”こそ
:「戦争突入前夜の日々」とは…/「7・3」なら乗務員負担OK?
■アラカルト
:<連載第55回> 多田清社長殿創業史―「相互十年」を読む
:<内外交差点> これからの労組と産別  茨木不尽彦氏A
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交通界ファックスプレス(『交通界21』特別サービス号/ 週3回配信)

 

Faxpress 関東版
 4月1日実施の公定幅運賃等公示
   関運局、加算の「1メートル」差は解消
      1.72キロなど初乗距離加算短縮運賃も

【 横浜 】関東運輸局は2月28日、4月実施の消費税率引上げに伴い、管内のタクシー運賃を公示した。初乗り額は現行自動認可運賃に105分の108を乗じて10円単位に四捨五入したものとし、加算額は事業収支全体で税率アップ分の範囲内となるよう距離短縮して設定した。改正タクシー適正化新法に基づく準特定地域では「公定幅運賃」として、その他の地域では「自動認可運賃」として公示した。東京特別区・武三地区、同多摩地区など一部地域では準特定地域協議会の意見に基づき、現行初乗り距離に加えて初乗り距離短縮運賃も併せて公示している。
 東京都特別区・武三地区の場合では普通車上限で初乗り2キロ730円、加算280メートル90円、時間距離併用制1分45秒90円で、下限運賃は同700円、加算292メートル90円、時間距離併用1分45秒90円。普通車の初乗り距離短縮では上限で初乗り1.72キロ640円、下限で1.708キロ610円となっている。加算、時間距離併用では初乗り2キロの場合と違いはない。2月18日の東京4交通圏準特定地域協議会合同会議でも意見のあった同地区の特定大型下限の加算距離と大型車の上限加算距離の1メートルの四捨五入差は統一され、「265メートル90円」に一本化された。
 多摩地区の普通車上限運賃は初乗り2キロ730円で、加算276メートル90円、時間距離併用制1分40秒90円。下限運賃は同700円、加算288メートル90円、時間距離併用制1分45秒90円。普通車の初乗り距離短縮では上限で1.724キロ640円、下限で1.712キロ610円などとなっている。加算、時間距離併用に初乗り2キロの場合との違いはない。

〜神奈川は距離短縮型の設定なし
 神奈川県京浜地区では普通車上限で初乗り2キロ730円、加算293メートル90円、時間距離併用制1分45秒90円。下限では2キロ690円、加算310メートル90円、時間距離併用制1分55秒90円など。初乗り距離短縮型の設定はない。
 千葉県のうち、千葉交通圏では普通車上限で初乗り2キロ730円、加算289メートル90円、時間距離併用制1分45秒90円、下限同660円、加算320メートル90円、時間距離併用制1分55秒90円。初乗り距離短縮型では普通車上限で初乗り0.844キロ370円、下限0.72キロ300円などとしている。
 公定幅運賃の対象地域については3月31日までに各事業者が届出を行うこととし、自動認可運賃の対象地域では公示日(2月28日)から2週間以内(3月14日)に認可申請を行うこととされている。いずれも適用開始は4月1日から。
〔3月1日号関東版掲載〕  <バックナンバー一覧へもどる>

2014年3月1日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 横浜 】4月1日実施の公定幅運賃等公示/関運局、加算の「1メートル」差は解消/1.72キロなど初乗距離加算短縮運賃も
【 東京 】特区・武三の運改認める/物価問題閣僚会議
【 東京 】公定幅運賃移行で運送約款改正
【 横浜 】車種区分別の乗車定員を改正
【 東京 】4月2日に事故防止講習会/東京無線協組・理事会
【 東京 】LPG3月CPは大幅下げ
【 東京 】東個協、本選へ9人推薦/接客コンテスト準本選会
【 東京 】タッ懇がブレーキ工場見学
【 東京 】保険会社の超過給付抑制へ/日個連交通共済が規程改定
【 東京 】KPUが4、5日にビラ配布/東京地連・中央委が春闘方針
【 東京 】14春闘方針などを確認/全自交東京地連・中央委
【 東京 】日交G連絡協が春闘統一要求
【 訃報 】小宅三雄氏(府中観光交通会長)2月26日死去。87歳
 
2014年2月28日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】個人旅行の外国人に焦点/東京、大阪、京都でモニターツアー/国交省、タクシー利用促進へ検討会
【 東京 】「スマホdeタッくん」PR/クラウド展示会で東タク協
【 東京 】公定幅運賃の届出手続きなど/東タク協常任理事会で説明
【 横浜 】大型下限と普通車上限の関係/神奈川3交通圏準特協で意見
【 東京 】UD、スマホ配車などアピールへ/東タク協、今年の「タクシーの日」
【 東京 】霞が関駅周辺で宣伝活動/東洋交通&日交労赤羽支部
【 東京 】東タク協、3月11日に防災訓練/防災無線の定期通信訓練も
【 東京 】事故防止で上位支部に報奨金/二個連都営協、専門委の設置も
【 東京 】センター指導員に暴力行為も/街頭指導会議で報告
【 東京 】景気回復の追い風を春闘に/関東交運労協が決起集会
 
2014年2月26日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】実働率アップへ救済措置?/再登録禁止期間の短縮目立つ/登録運転者の行政処分基準緩和
【 横浜 】「かながわ観光タク」認定研修/神タ協、関心高く約200人応募
【 東京 】「おもてなしBOOK」を実践/大和自交G、各社で乗務員研修
【 東京 】4、5月は羽田空港で/3〜6月の街頭指導計画
【 東京 】チーム対抗で危険予知/ライオン交通・安マネキックオフ
【 横浜 】労使協調のボウリング大会/全神奈川ハイタク労連
【 東京 】ポストLPG車に「アテンザ」/月島交通が2両導入
【 東京 】賃金確立など13項目要求へ/全自交関東・東京が春闘討論集会
【 横浜 】新高速乗合バスの添乗調査結果
【 横浜 】3月11日に電話対応研修会/子育てタクシー神奈川支部
 
2014年2月24日号 関東・関西版 臨時速報 ニュースヘッドライン
【 東京 】タク運転者の平均年収298万円/25年賃金統計調査、全産業平均との格差は226万円/前年比0.6%増、改善の伸び鈍化
※タクシー運転者の都道府県別賃金・労働時間
 
2014年2月22日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】迎車料金「310円」の可否は?/「四捨五入」の原則通りならアウト/関運局の判断に注目、中小無線Gに厳しい選択も
【 横浜 】適正車両数には10%削減が必要/京浜交通圏・準特協議会
【 横浜 】15地区中10地区で増収/関運局管内・1月の原計輸送実績
【 東京 】東京準特協、業界外委員の発言
【 東京 】セドリック生産中止に意見相次ぐ/東タク協 環境・車両資材委員会
【 東京 】モバイルアンケートは109件/東タク協・サービス改善対策委
【 東京 】私鉄東ハイ労脱退、全自交加盟へ/東洋交通労組が臨時大会
【 千葉 】千運支局が外国人接遇研修
【 東京 】3月5、6日に要請行動
 
2014年2月21日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 横浜 】公定幅運賃、加算部分に修正の余地/初乗短縮は意見書見て「本省と協議」/関運局定例会見で奈良・自交部長
【 横浜 】京浜準特協の会長は伊藤・神タ協会長/車種区分の加算運賃案で修正意見
【 東京 】構成員の発言時間に上限設定/準特協、設置要綱で予防策
【 横浜 】関運局館内、33社・318両/3月末までの期間限定減車ハイヤー
【 東京 】タクシー運賃の消費税転嫁/内閣府・消費者委が承認
【 東京 】東京準特協、業界労使の発言要旨
【 東京 】「特定地域指定に理解を」/私鉄東ハイ労がビラ配布
【 横浜 】神タ協、県観光協会に加入へ
【 東京 】需給バランス確立へ減車の流れを/自交東京・中央委で城委員長
 
2014年2月19日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】普通車730円〜700円提示/消費税転嫁は賛成、初乗短縮では両論/東京4交通圏準特協、会長に太田教授
【 東京 】新たに11氏が構成員に
【 東京 】大和自交・第3四半期決算
【 東京 】大型下限の動向を注視/公定幅運賃めぐり都個協・木村会長
【 東京 】モード間の有機的連携を/舛添都知事が交通体系課題に
【 東京 】地域公共交通活性化・再生法/改正案を閣議決定
【 東京 】事故率トップは「第一方面」/警察庁、昨年のタクシー関与事故
【 東京 】日交G連絡協が統一要求書提出へ
【 横浜 】車停は法人5社、個人2者/関運局・1月の行政処分
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Faxpress 関西版

■ 5・5遠割、見直し申請100社超える
    未申請、関中Gの動向に注目

【 大阪 】遠距離割引見直しに向けた大阪業界の変更申請は2月28日、新たに48社が提出、24日以降の申請は102社となった。このうち1社は現行の5000円超分5割引きを維持(運転免許証返納割引の申請)しており、「5・5遠割」の見直しは101社で、ほとんどが7000円超分3割引を選択している。注目の大手は梅田交通グループ、第一交通グループ、相互タクシーグループ、未来都が同日、いずれも7・3割引への変更を申請。最も動向が注目される関西中央グループは同日時点で申請に至っていない。
 業界内では、公定幅運賃と同時の4月1日実施は「2月中の申請が期限」と説明されてきたが、近畿運輸局旅客第二課は同日、本紙の取材に「期限を切った覚えはない」と回答。従来通りの個別審査という原則論を示しつつも、改正適正化新法の参院附帯決議の趣旨なども踏まえて、「事業者側の努力を応援していこうという気持ちもある」とし、今月16日の事案公示を睨みつつ、週明け以降の動向を見極める姿勢をうかがわせた。新自動認可運賃公示後に申請取り下げが相次いだ京都の二の舞いだけは避けたいとの思いもうかがえる。
 新たに申請したのは以下の48社。このうち1社は5・5遠割を維持。また、駒姫タクシーなど3社が9・1割引から7・3割引に変更する追加申請を行った。
 【7・3遠割】▽松原交通(飯尾源明社長)▽古市交通(杉ノ原信男社長)▽仲川交通(仲川芙美代社長)▽近鉄タクシー(平山晃社長)▽東宝タクシー▽新東宝自動車▽新東宝タクシー(以上3社、岸下義幸社長)▽南タクシー(大岡信夫社長)▽大阪自動車交通(向井哲己社長)▽大都交通▽都島自動車商会(士修社長)▽都島交通(士誠司社長)▽東亜交通(金子勝典社長)▽猪山タクシー(前田晋弥社長)▽大阪合同交通(田中稔社長)▽泉陽タクシー(角谷裕一郎社長)▽大阪山陽タクシー(村岡朋典社長)▽大阪第一交通▽堺第一交通(以上2社、井上道人社長)▽御影第一(青木勝利社長)▽未来都(笹井美智子社長)▽近畿交通(内城徳子社長)▽青空交通▽新梅田交通▽梅田自動車交通▽梅田興業▽梅田交通第二▽極東交通▽梅田交通▽北港タクシー▽毎日交通(以上9社、古知愛一郎社長)▽梅田タクシー▽新泉北タクシー(以上2社、古知昭一郎社長)【7・3遠割・運転免許証返納1割引同時申請】▽大阪大同交通(田畑太郎社長)▽オール大阪交通(長谷川浩之社長)▽南大阪交通(梅アm茂代表)▽栄和交通(茶木諭志社長)▽ひまわりタクシー(服部秀一社長)▽達磨交通(服部達也社長)【7・4遠割・運転免許証返納1割引同時申請】▽相互タクシー(小野幸親社長)▽大阪相互タクシー(松田満夫社長)【5・2遠割】▽東洋タクシー(関淳一社長)▽東丘タクシー(関健史社長)【9・1遠割】▽幸福交通▽金星タクシー▽門真交通▽深井タクシー(以上4社、古知愛一郎社長)【変更なし・運転免許証返納1割引同時申請】▽ナニワ交通(白山壽社長)【追加申請9・1変更→7・3】▽駒姫タクシー(藤原悟朗社長)▽鳩タクシー▽テイサン大阪(以上2社、馬場毅社長)。
〔3月1日関西版掲載〕<バックナンバー一覧へもどる>
2014年3月1日号 関西版 ニュースヘッドライン

【 大阪 】5・5遠割、見直し申請100社超える/未申請、関中Gの動向に注目

【 大阪 】見積もり依頼業者4社明らかに/大無協の次世代設備委員会
【 大阪 】南地7日、北新地は12・26日/3月の街頭指導日程
【 大阪 】近畿の公定幅運賃等公示/大阪と和歌山で一部圧縮修正
【 神戸 】西神交通が近畿の届出第一号
【 大阪 】大阪市域は下限運賃へ/トモエG、5・5も維持
【 大阪 】「7・3」では根本解決にならない/乗務員負担撤廃が趣旨と産別幹部
【 東京 】LPG3月CPは大幅下げ
【 京都 】エムケイが52両減車へ
【 神戸 】兵タ協が輸送の安全確保講習会
【 神戸 】個タク更新研修会に約40人
【 大阪 】山陽交通労組、春闘単組要求
【 大阪 】つばめ交通2両→はくろタク認可
【 大阪 】ディマンド10両→スターハイヤー認可
【 大阪 】近運局、法人1社車停処分
 
2014年2月28日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】5・5遠割変更申請、54社に/「7・3」集中で恒久認可も?
【 大阪 】「メーター改造費の経費控除を」/近畿ハイタク協、地元議員に重ねて要望
【 神戸 】ジャンボタクシー実証運行/阪急が西宮・生瀬地区で
【 京都 】地域包括ケアのサポート企業に/キャビック、養成研修に全員参加
【 神戸 】適性診断のフォローを/事故防止の実効性で訴え
【 東京 】個人旅行の外国人に焦点/タクシー利用促進へ国交省検討会
【 大阪 】HVカローラ着々と導入中/日本城タクシー・坂本社長
【 大阪 】北新地で合同街頭指導
【 大阪 】近傍連が春闘学習会
 
2014年2月26日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】5・5遠割、12社が変更申請/主流は「7・3」、4月1日実施へ28日期限?
【 大阪 】交友会が公定幅運賃等の説明会
【 大阪 】大阪駅の乗り場で要請文書/大タ協、関係各所に提出へ
【 大阪 】EVタク、個別助成3月末で終わり/大阪府、継続要請に返答なく
【 神戸 】運賃ステッカーは希望で対応/兵タ協、上限〜下限の全運賃
【 大津 】滋タ協、改正法と公定幅運賃説明会
【 大阪 】全大個協組が定例理事会
【 大阪 】なみはや交通に自交系労組
【 大阪 】地方整備局との協定内容を精査/災害時の緊急輸送等で大タ協
【 大阪 】新金岡運賃訴訟判決/町野氏「完敗ではない」
【 大阪 】東大阪、堺でタクシー強盗/大タ協が防犯速報で注意喚起
【 大阪 】大会宣言で大幅な割引是正など/大阪トンボ交通労組
【 神戸 】植田交通が運行継続/常時3〜6両で営業?
 
2014年2月24日号 関東・関西版 臨時速報 ニュースヘッドライン
【 東京 】タク運転者の平均年収298万円/25年賃金統計調査、全産業平均との格差は226万円/前年比0.6%増、改善の伸び鈍化
※タクシー運転者の都道府県別賃金・労働時間
 
2014年2月22日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】5・5遠割、駒姫が廃止申請へ/大タ協理事会で藤原会長が「宣言」
【 大阪 】「死活問題」自社は絶対外せない/5・5遠割めぐって関協幹部
【 大阪 】協組の協議も独禁法に抵触/足立・専務理事「公取委の見解」
【 大阪 】「以前から明々白々」/遠割問題、労組交えて議論を
【 大阪 】乗務員負担撤廃への第一弾/全自交大阪・加藤委員長
【 大阪 】「下限で5・5」なら最悪の事態に/自交大阪・庭和田書記長
【 大阪 】5・5の収入減は5%余り/大タ協・経営委の調査結果
【 大阪 】新大阪乗り場「一本化」/交通安全委、前向きに取り組む
【 大阪 】影響力浸透で効率化も?/北新地・自主街頭指導
【 京都 】全京、公定幅運賃の届出で通知
【 大阪 】「ISO39001」グループ全社に/安マネ講習会で相互・小野社長
【 大阪 】大無協・次世代委、見積もり4社に
【 大阪 】大阪山陽タクシー、役員変更届
【 大阪 】港都5両→明石タク、認可
【 京都 】京都タクシー、住所変更
【 京都 】さくらタクシー、役員変更届
 
2014年2月21日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】5・5遠割の廃止求め、抗議集会/大阪の労働団体結集、参加「ゼロ」の事業者に憤り
【 大阪 】大阪市域除いて「新JR2」に/JR西日本、3月1日付で切り替え
【 大阪 】セドリックの生産継続要請へ/大タ協・技術環境委
【 大阪 】公定幅運賃「大幅値上げ」に反対/京阪市のMK労使が意見陳述
【 大阪 】40両規模で明るい話題を/大タ協「ビリケンタク」説明会
【 和歌山 】和歌山市域準特協も意見提出
【 大阪 】3月の本格運用へ視界良し/全大個協組「Smart to TAXI」
【 大阪 】大運支局、2カ月続けて苦情が大幅増
【 神戸 】大阪空港の入構排除で入構禁止処分/兵タ協神戸・阪神間支部センター委
【 大阪 】高槻・上之宮天神祭で仮設乗降場
【 大阪 】個タク更新研修会に141人
【 大阪 】改正適正化新法の説明会/交労関西ハイタク部会が3月3日
 
2014年2月19日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】なみはや訴訟、6月26日判決/「取消」の執行停止4年目へ
【 大阪 】両論併記で「意見」提出へ/公定幅運賃で大阪準特協
【 大阪 】新大阪駅の近距離対応など改善へ/ピンポイント通達と検討会も?
【 大阪 】公共交通とまちづくりの一体推進/近運局が地域公共交通シンポ
【 大阪 】大タクセン、指導主任者研修会
【 神戸 】兵タ協姫路支部でUD研修
【 京都 】近接地の条件付きで実証実験承認/八条口乗り場「ショットガン」
【 大阪 】「あべのハルカス」Gオープンへ/タクセンが周辺地域の指導強化
【 大阪 】累進歩合制の廃止指導など/自交大阪、中央行動の請願署名
【 神戸 】個タク21氏に認可書授与
【 神戸 】神戸・阪神間支部の運賃研究委
【 大阪 】島崎委員長ら執行部を再任/新東宝タク労組・定期大会
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