【 東京 】東京乗用旅客自動車協会（富田昌孝会長）は21日、千代田区の自動車会館で第４回理事会を開き、民主党タクシー政策議員連盟総会開催報告と議連加盟議員増加に向けた事業者からの非加盟議員への呼びかけ要請、ランク評価制度の見直し問題、東旅協の一般社団法人移行とこれに伴う団体名称の変更（一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会）などを審議、了承した。タクシー事業法案の詳細については三浦宏喜副会長の報告の中で、通常国会への法案提出を前提とした場合、条文案は３月までに明らかになるとの見通しも示された。
　富田会長は冒頭あいさつの中で、タクシー適正化新法施行後、なおも解決困難になっている課題として�@何ごとも相談ができない独占禁止法問題�A減休車取り組みの事業者間格差�B東京ではあまりないが、運賃問題�C特定地域の指定が来年９月に切れること―の４つを挙げた。その上で、「これらを解決するためにタクシー事業法の制定に取り組んでいる。本来なら今年の通常国会という予定だったが、東日本大震災などもあり延びてきた。詳しい内容が発表できておらず、概要案（骨子案）がいろいろと変わってきたが、それくらい民主党内も揺れ動いているということ。詳しく申し上げられないが、内容については賛同いただけるものと思っている」などと述べた。また富田会長は今月２日の民主党タク議連総会開催に触れる中で、新たな同議連加盟議員増加に向け、理事・会員事業者の地元議員への働きかけの協力を要請した。
　議連総会およびタクシー事業法案については三浦副会長が説明。現行法に基づく適正化・活性化の限界を指摘するとともに、概要案の主要な変更を報告する中で、「来年の通常国会に法案提出となれば、遅くとも３月までには条文のきちんとした整備が必要だ」との考えを示した。
　法人タクシーランク制度の見直しについては磯博樹副会長が、東京タクシーセンターに設置された「ランク評価制度の見直し検討委員会」の見通しについて、「今月に第１回会合を開催し、３月に１回、５月には最終会合という予定になっている。とは言え、これでどこまでできるのか。これで終わりとはならないのではないかとも思っている」とした。
　このほか、秋山利裕・広報委員長が「タクシー１００周年記念事業」について報告。都内４交通圏地域協議会の取りまとめやタクシー活性化プロジェクトチームの発足、タクシー政策研究会の立ち上げ、自転車事故防止対策、乗務員の高齢化問題への対応などについて報告された。乗務員の高齢化問題では10月の個人タクシーによる重大死傷事故が契機となったこと、一般紙やテレビ報道等では「個人タクシーであることは触れられず、『タクシー運転手』としか言われていないこと」などにも触れて「結論が出る前に法人で事故を起こすと社会問題になるので注意してほしい」との呼びかけも行われた。質疑では理事の中から「定年制論議も行われているようだが、若い人も入ってこないので、慎重に対応してほしい。一部の人で決めないでもらいたい」との注文も出た。
　理事会終了後には顧問・相談役、正副会長、専門委員長らと在京業界紙記者団との懇親会が開催された。
〔12月24日関東版掲載〕　 <バックナンバー一覧へもどる>

【 大阪 】無線事業の見直しを進めている関西ハイタク事業協組（山田健理事長）は、来年１月１日から本格導入するナビ付きＧＰＳ―ＡＶＭ「新視令Ｖ」（モバイルクリエイト製）の導入台数が３００両に到達した段階で現在のＶＩＰ無線を廃止、「新視令Ｖ」に移行する方針だ。22日、正副理事長が揃って出席した無線事業者説明会で計画が示された。
　関協は、１月１日から１００両規模で「新視令Ｖ」を導入することを決めており、21日には無線委員会のメンバーらが、全車に導入している国際興業大阪（迫田謙典社長、４６４両）の本社営業所（大阪市東淀川区）を視察。現場の運用状況を見学して説明を受けた。迫田社長は「未配車も減少し（無線事業も）順調に推移している」などと述べた。
　翌22日には大阪市北区の日興ビル５階会議室で、同協組の無線事業者を集めて説明会を開催。無線委員会担当の古知愛一郎・副理事長、高月廣海委員長のほか、山田理事長、天野太郎、��橋昌良の両副理事長も出席した。この中で、１００両規模でスタートする「新視令Ｖ」について、当面の目標とする３００両に到達した時点でＶＩＰ無線を廃止して「新視令Ｖ」に移行、一般無線とＧＰＳ―ＡＶＭを両輪に無線事業を運営していく計画が明らかにされた。
　説明会では、各事業者に現在実証実験中の「新視令Ｖ」について「継続するか、返却するか」、継続する場合には「何台希望するか」、また利用に当たっては「買い取りにするか、リースにするか」、さらに返却の場合「一般無線で継続するのか、廃局するのか」などといったアンケート用紙を配布。今月27日を期限として回答を求めた。
〔12月24日関西版掲載〕<バックナンバー一覧へもどる>