ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2011年3月28日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信

適正化新法2年目の方向性は…
東日本大震災とタクシー業界

 3月11日発生の東日本大震災が東北地方を中心にもたらした惨禍はすでに連日報道されている通りで、本紙紙上でその全貌を改めて書く必要はあまりない。一方、地震余波としての津波による福島原発の事故は、地元はもちろんのこと、東京都内をはじめとする住民の生活にも少なからぬ影響を与えており、首都圏経済全体の冷え込みが、都内タクシーの営業成績にも直接的かつ目に見える形での影響を及ぼし始めている。物理的被害がほとんどないにもかかわらず、電力需給の不安定化が首都圏経済の脆弱性をあからさまなものとしたが、日本のエネルギー政策の基本的な方向性とも相俟って、解決すべき課題はいずれも中長期的な観点で判断すべきものばかりだといえる。そのような大きなテーマではタクシー業界でできることは非常に限られているが、今回の震災被害を改めて総括しつつ、これまであまり知られてこなかった政府の中央防災会議の『首都直下型地震対策専門調査会報告書』の概要をも紹介しながら、これから先の首都圏経済やタクシー業界への影響の有無について探ってみることにした。

東日本大震災の被害規模と被災後の現況
 このたびの東日本大震災による人的被害、建物被害等については本号「気になる数字」欄に掲載した通りだ。死者・行方不明者は合わせて約2万4000人を超える戦後最大級の自然災害となっている。地震後の津波発生よる死傷者が被害の中核を占め、揺れそのものによる建物倒壊による圧死、火災発生による焼死が多数を占めた阪神・淡路大震災とは様相を異にする。

タクシー業界の現況〜東北および関東
 国土交通省によれば、航空、鉄道、乗合バス等、交通網各モードでの運行再開は相当進んできたともいえるが、タクシー業界の復興は東北ブロックにおいてはまだまだ時間がかかりそうだ。特に岩手、宮城県内では事業所そのものが津波によって流失してしまったケース、経営者、乗務員が流されて死亡したケースなども確認されており、事業再開は困難を極める。宮城県仙台市内などに支社を持つ、グリーンキャブ(高野公秀社長、新宿区)などへの本紙取材では「震災後、LPガスの供給が絶えて、営業をストップしていたが、数日前から燃料確保に途がつき、通常営業体制にほぼ復帰した」という。一方で「複数の乗務員の死亡が確認されており、1週間経った現在もなお1人の連絡がつかないままになっている」とする。
 関東ブロックでは、震源地により近い茨城や千葉県内の一部で物理的被害が相対的に大きく、東京都内では日本交通、東京エムケイ、日の丸交通の一部営業所、車庫での被害以外には目立った災難には遭っていない(現時点ではほぼ通常運行体制を確保している)。
 関西圏などでは、一部に観光客のキャンセルなども出ており、「新型インフルエンザの風評被害よりも酷い」といった声もあるが、現段階では関係業界の受け止めとしても多分に心理的なものが大きいともいえそうだ。

日本経済および首都圏経済への影響
 地震そのものによる被害状況は相当酷いものではあるが、被災地周辺(主に岩手、宮城、福島、茨城の4県)のわが国GDPに占めるシェアは7%程度であり、日本経済全体に対する打撃が相当大きいとまではいえない。一方で、福島原発の放射線漏れ事故による電力需給の逼迫が首都圏経済にジワジワと影響を及ぼし続けており、同じくGDPシェアでは千葉、埼玉、東京、神奈川の4都県だけで約30%強を占めており、計画停電の長期化等による影響が首都圏経済に与える影響は大であるといえるだけでなく、日本経済のあり方そのものにも影響がないわけではないだろう。欧米各国の一部大使館、領事館業務が関西圏に一時避難していること、外資系企業が駐在員を日本国内から引き揚げ始めたことなどはすでに新聞、テレビなどでも報じられている通りだ。実際に都心ではあれほど日常的だった外国人の姿が目立って減っている。
 一方、国民の日常生活という意味では東北地方の住民が大変な思いをしていることはいうまでもないことながら、東京都内では震災直後から始まったガソリン不足は春分の日を含む連休明けからはほぼ解消した。休業中のスタンドは依然、少なくないが給油待ち行列はもう見かけなくなった。また、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでの食品等の慢性的品切れという状況はほぼ解消した。ただ、23日になって、福島原発事故の影響により東京都が水道水から放射性物質が検出されたことを発表し、その直後から「水」の買いだめ騒動が発生しており、日常生活が完全に「元通り」になるのはもう少し先になるかもしれない。
 全体としては生活そのものが落ち着きを取り戻しつつあるとはいえ、電力需給の逼迫は根本的には解決しておらず、首都圏の企業活動や住民の生活は「節電モード」に入ったままである。春に向かって暖房需要が一段落すれば、ある程度の改善も期待できそうなものだが、6月の梅雨入り、本格的な夏の到来で現在以上に電力需給が逼迫を余儀なくされることは避けられないと言われている。都内でも、震災当日は実働日車営収で6万円を超えるなどしたほか、翌日も自宅に帰れなかった人々の需要に応える格好で土曜日ながら5万円台を記録したとされるものの、以降は「泣かず飛ばず」どころではなくリーマンショック直後をも下回る状況にある。3万円台前半でコンスタントに推移しており、震災1週間後の金曜日(18日)も3万円少々となっているとされ、急ブレーキがかかったままになっている。実態として営収の曜日波動はなくなっており、事業所によっては「昼勤、夜勤の組み合わせの場合、昼勤の営収の方が高くなってきた。減休車で余剰車両は保有しておらず、『みんな昼に乗れ』とは言えない状態だ」ともいう。多くの事業者は感覚的に「計画停電が4月末まで予定されており、少なくともそのくらいまでは現在の数字から大きく回復することはないかもしれない」と悲観的な見方をするが、「そこから先はまったく読めないね」というのは偽りのない心境といえるのではないか。すでに一部の中堅事業者では「4月以降を見据えて、平成23年度(同年4月1日〜24年3月31日の事業年度)については日車営収3万5000円を通年平均の前提でどう赤字化させないかという経営計画を立案している」と話すものの、想定をも下回った場合については「どうやっても赤字になる」と打つ手なしの状態だという。

ケース東京:首都直下型地震への備え
 地震そのものの被害に加えて、原発事故発生のダブルパンチが日本経済への信認を低下させている観は否めないのが現状だが、日本経済の牽引車そのものといっていい首都圏が、遠く離れた東北沖地震でこの有り様である。仮に東京で大地震が起きたら一体、どうなるのか? あまり考えたくない事態であるが、日本政府はそうした事態をも当然シミュレーションしている。日頃はあまり注目されることもないが、内閣総理大臣を長とし関係閣僚、医療・通信・金融関係者、学識者等で委員が構成される「中央防災会議」が平成17年7月、小泉内閣当時にまとめた「首都直下地震対策専門調査会報告」によれば、いくつかの被災パターンのうち、被害が最も深刻で広範囲に及ぶケースでは予想死者数約7300人〜1万1000人、経済被害は約94兆円〜112兆円に達するとしている(阪神・淡路大震災は約10兆円、今回の東日本大震災の内閣府試算は約16〜25兆円)。被害規模に幅があるのは地震の発生時刻や風速、風向きなどでかなりの違いが予想されるからである。地震による直接的な避難者は約610〜700万人、一定期間以上避難所生活を余儀なくされる人は約400万〜460万人に達すると予想されている。東日本大震災の発生した3月11日にも都内各所で帰宅困難者が大量に発生し、各交通モードは麻痺状態に陥ったが、首都直下地震の起きた場合には都内の帰宅困難者は約390万人、1都3県合計では約650万人になるという。日本経済そのものが壊滅的打撃を受ける以上、その時点でタクシー業界がどうなるか気を揉んでもしようがないというのが正直なところである。

当面の東京業界:被災後の影響見極めとその後
 実際のところ、5年以上前にこうしたシミュレーションを政府として行ってはいるものの、被害予想としなければならないことは報告書にも列挙されているものの、「十分な対策が必要なだけ行われているか」という問題については、今回の東日本大震災への対応を見ればいささか心もとない。関係者が現場で命がけの作業を行っていることなどは報道を通じて知っていてもなお、災害への準備という観点でそれは必要十分とはいえなかったことが結果として明らかになっている。
 来るか来ないか断言できない首都直下地震はさて置くとしても、現在の東日本大震災後の東京業界の状況は、上述の通り決して楽観できるものではない。とはいえ、先にも触れた通り、東京電力がいう計画停電のスケジュール通りなら、「4月末までは我慢しながら様子を見るしかない」のもまた事実である。国土交通省、被災地の東北運輸局はもとより関東運輸局など運輸行政当局も今ではインフラ復旧、物資輸送の確保、住民の交通網確保に懸命で、タクシー適正化新法の効果測定はやはり遅れざるを得ない。東京都特別区・武三交通圏では昨年1月末から始まった特定事業計画の認定申請、その2カ月遅れ程度で開始された事業再構築に基づく実質的な減車届出、休車届出による日車営収の回復基調は確認されており、ほぼ丸1年に及ぶその効果のほど(経営改善効果、乗務員の賃金・労働条件の改善効果)について総括することは簡単ではないにせよ、圧倒的に難しいことともいえない状況にあった。3月24日にはフォローアップのための地域協議会開催目前の時点で大震災が発生したが、すでに総括のための下準備は実質的には完了に近く、最終コーナーを回ったところへ差し掛かっていたものと考えられる。難しくなったのは、むしろ1年目の総括を踏まえて、また、震災後の需要の大幅減を受けてこうした特殊要因をどのように評価し、適正車両数に反映させ、あるいは反映させないと決定するか。そうした決定を受けた2年目の取り組みの方向性をどう打ち出すかということだろう。
 行政、業界ともにこれからの季節は人事の季節とも重なりあっており、タクシー事業の適正化(そして活性化も)は一時的に足踏みを余儀なくされつつあるのが現状だ。1日も早い東北地方の復興とそのための支援が首都圏、東京のタクシー業界にとっても自らの先行きに光明を見いだす近道のようにも思えてならない。
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No389. 3月28日号 ニュースヘッドライン
■巻頭人物 :秋山 利裕氏/東旅協・広報委員長
■気になる数字 112/東北、関東運輸局管内で被災したタクシー事業所
■トピックス :適正化新法2年目の方向性は…/東日本大震災とタクシー業界
         :大タ協・関会長が退任表明/藤原新会長誕生へ
         :東日本の復興支援/大タ協、被災地・被災協会へ義援金など
         :今こそ個タクの基本「接客」に返る/全個協関東支部中核リーダー研修会
          :適正化の実効確保は?/近運局、“非協力事業者”の経営実態調査へ
          :移転契機に仕切り直し/東京福祉タクシー総合配車センター
          :共有財産?受益者負担?/京都EVタクシー事情
■東西往来 :備えあれば憂い無し
         :過度の自粛は被災地を救わない
■シャッターチャンス :注目の東現職は…
                 :復興へタクシーの優先順位は?
               :タクシー事業者の評価制度より
               :安心・安全対策の免罪符に非ず
■この人この言葉   :佐藤 雅一氏、榎元 紀二郎氏、山田 健氏、藤井 聰氏
■アラカルト
         <続大阪タクシー産業盛衰記> 岡本頼幸氏を偲んで 増田和幸氏に聞く
         
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Faxpress 関東版
東旅協・富田会長の去就に注目
   2期・4年満了も「再規制」道半ば
     4月4日の理事会までに言及?

【 東京 】タクシー業界全国組織の要職を分け合う東西事業者団体のうち、大阪タクシー協会の会長ポストが来る29日の大タ協総会で関淳一氏から藤原悟朗氏へと禅譲されることがほぼ決まりとなったことで、主要団体の役員人事での関心事項は大阪業界から東京業界へといったん移りそうだ。行方が明らかにされていない東京乗用旅客自動車協会の会長決定の方向性と、これを受けた全国ハイヤー・タクシー連合会の役員人事が4月中旬に向けて動き出す。
 主要団体では今年春の通常総会などで任期満了を迎えることから役員改選に関心を向ける関係者は少なくない。大阪では藤原氏が早くから立候補宣言する一方、現職の関氏が25日の記者会見で次期会長職を藤原氏に禅譲する意向を表明し、一応の決着を見た。会長ポストという意味では、次なる業界の関心は富田昌孝氏の動向へと移ることになる。
 同氏は今年5月の通常総会で全タク連と東旅協の会長職を丸2期4年務めたことになるが、就任以前から「2期4年が限度。それ以上はやらない」と周囲に語っていたとされる。そうした中、東旅協の役員改選では、定款及び会長選出規定に則り、立候補受付の締切を4月19日とすることが固まったこと、大阪業界の人事が一段落したことで、東京業界の役員人事が本格的にスタートする格好だ。
 富田氏自身が掲げた両団体会長就任時の公約=「再規制」の中身は「需給調整規制の実現と同一地域・同一運賃の実現」を二本柱とするが、同氏自身は「タクシー適正化新法と道路運送法9条の3の読み替えをもって公約実現とは考えていない」とする一方、民主党タクシー政策議員連盟、業界労使で取り組んできた「タクシー事業法案」の今通常国会提出と会期中の成立に目鼻が付いていれば、必ずしも続投に執着しない姿勢とも言われている。東旅協会長選出規定では立候補に当たって20人の会員事業者の推薦が必要となっており、かつてのように当選の可能性が低い候補が立候補する余地は少なく、協会支部や協同組合単位での組織的支援なしでの対立候補擁立は考えにくく、富田氏自身が後継指名しての禅譲のほかには同氏自身の続投しか現実味のある選択肢はなくなっている。
 タクシー事業法案の成立はこれまでの政治状況や11日に発生した東日本大震災への対応の必要性などからも通常国会中は極めて難しい情勢にあるが、このためかえって民主党政権は当面、倒されにくくなっていることも事実。来月4日には3月例会に替わる臨時の東旅協理事会が開催されることになっており、それまでに富田氏自身が去就について言及するのではないかと見られている。その直後の13日には全タク連の定例正副会長会議も予定されており、東旅協会長としての同氏の去就が明らかにされていれば、同会議で全タク連会長としての去就にも言及される可能性が高い。
〔3月26日関東版掲載〕  <バックナンバー一覧へもどる>

2011年3月26日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】東旅協・富田会長の去就に注目/2期・4年満了も「再規制」道半ば/4月4日の理事会までに言及?
【 大阪 】大タ協・関会長が退任表明/後任に藤原副会長を推薦
【 東京 】導入義務化5月に延期/アルコール検知器
【 東京 】営収落ち込みで危機感露わ/各労組、非常事態打開へ交渉開始
【 東京 】28日に正副・専門委員長会議/東旅協、震災復興支援など協議
【 東京 】ピーク時1000万kw超の不足/今夏の電力需給見通し
【 東京 】経団連が「復興特別委」
【 東京 】組合員1人の死亡確認/全自交労連、その後の調査で判明
【 東京 】春闘統一対応除外、個別対応に/私鉄総連、震災復興に全力
【 東京 】「全中労セミナー」中止
【 東京 】全個協、東北6県への募金開始
【 東京 】東個協が義援金200万円
【 東京 】「民主党バス議連」発足
 
2011年3月25日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】規模の大小問わず大打撃/自粛ムードが停滞に拍車/都内業界、震災後の営収低下
【 東京 】関係団体の調整「独禁法上、問題なし」/救援物資輸送で公取委見解
【 東京 】全福協が一般財団に移行/タク関連団体のトップ切り
【 横浜 】増収は15地区中9地区/関運局管内・2月輸送実績
【 東京 】VISA商品券も利用可能に/チェッカー、東京無線との連携で
【 東京 】全自交、東北等の組合員は無事/救援活動資金、物資届ける
【 東京 】全自無連が各種委員会を開催/総務委、大震災支援策など取りまとめ
【 東京 】国交省、高速道の新割引延期
【 東京 】中核リーダーに接客講習/全個協関東支部
 
2011年3月19日号 関東 ニュースヘッドライン
【 東京 】都内業界、日車営収は3万円台前半に/どうなる?タクシー事業適正化/減休車フォローアップも霞んで
【 東京 】大畠国交相が復旧状況説明
【 東京 】全タク連、LPGの安定供給を陳情
【 東京 】早めに出庫、通勤客の足確保を/ヘキサ交通、計画停電で指示
【 東京 】やはりLPG車が良い/東個交通共済・大山理事長
【 東京 】全タク連・東北ブロック等の被害状況A
【 東京 】東北3県協会に協力要請/全タク連、被災地の輸送力確保
【 東京 】多摩地区の無線共同化を支援/関無協東京支部・担当小委
 
2011年3月18日 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】都内営収、リーマンショック直後より酷い/震災後の急上昇一転、15日から急落/経済の冷え込み長期化を危惧
【 東京 】燃料不足、優先供給を/全タク連・東旅協が陳情書
【 東京 】全タク連、東北ブロックの被害状況
【 東京 】役員選任手続きを了承/東旅協・正副会長会議
【 東京 】1000人超える職員派遣/国交省の災害対策状況
【 東京 】被災協会に激励メッセージ/全自無連・藤本会長
【 東京 】震災後の交通対応で意見交換/東京ハイタク労働6団体
【 東京 】被災地での安否確認続ける/全自交労連、支援など検討
【 横浜 】京浜交通圏の減休車効果検証/再開地域協巡り神タ協・大野会長
【 横浜 】三和交通GがAED研修
【 東京 】ロールプレイング方式の実習も/中央無線、新任研修カリキュラム
【 横浜 】神交運、新委員長に石渡氏
 
2011年3月16日関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】一部営業所で液状化現象も/鉄道運休で乗務員の出社に支障/大震災で都内タクシー各社
【 東京 】道路大渋滞と「計画停電」に苦慮
【 東京 】東旅協、運行確保で協力要請
【 東京 】地域協延期、各種日程に影響
【 福岡 】宮城、茨城両県で震災被害/第一交通産業、車両被害は軽微
【 仙台 】22社が被害、16社は連絡取れず/東北局、仙台市内の被害状況
【 東京 】被災地車両の車検延長など
【 東京 】エネ庁に優先給油申し入れ/ガソリン不足で全個協
【 東京 】LPGスタンドの被災状況
【 新潟 】大地震でアピール不発/独禁法問題「粛々と運動準備」
【 東京 】確信持って「タク免許法制」を/自交東京・臨時大会  

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Faxpress 関西版
 大タ協・関会長が退任表明
   藤原・筆頭副会長に禅譲へ

【 大阪 】大阪タクシー協会の関淳一会長(東洋タクシーグループ代表)は25日夕刻、協会会議室で記者会見を行い、東日本大震災の被害が全国に波及しつつある影響を示唆しつつ「時節柄、権力争いをしている場合ではない。業界の結束優先」との判断から今期限りで会長を退任し、後任として藤原悟朗・筆頭副会長を推薦すると発表した。会見にはすでに会長選への出馬を表明している藤原氏、足立堅治・専務理事が同席した。
 関会長は、「本日、昼からタクセスの方で会議をしており、時間をかけて一応終了した。結論として、今回の会長選には出馬をしない。(後任には)藤原副会長を推薦していく。単純明快な話だ。藤原副会長には、社団法人として公平、平等な運営をお願いしたい。でき得れば、関協(の理事長)を辞して、『大タ協の藤原』として(会長を)務めてほしい。その他の注文は付けていない。大変苦労をする問題もマニフェストとして出されている。これを実行していただくことは会員のためにもなり、非常に結構なことだと思う。大タ協を良い形で運営してもらいたい」と述べた。
 質疑応答では態度表明が遅れた理由について、「(タクセスからの関氏出馬への)強い要望がなかなか頭から離れなかった。出馬に関するタクセスの会議を4回ほど開いており、決断が少し遅くなった」と説明。「土壇場で出馬を見送り、総会を目前にしてタクセスに亀裂を入れ無用の混乱を招いたとの批判もある」との質問には、「批判は甘んじて受けるが、2人が立候補して長い間やり取りして(会長争いをすることが)良いのかということだ」と述べた。
 藤原氏に対して会長就任に当って関協理事長の辞任を求めた理由を問われたのに対しては、「偏った形の運営は火種になる。関協色だけが出てくると他の協同組合もあるわけだから、そういったものはできるだけ排除して藤原個人を出してもらうのが一番良いことだと思う。私の場合は協組の理事長も退いていたので問題はなかったが、協組の理事長を兼任していると、どうしても協組の要求を出さざるを得なくなるという問題もある。その意味では関協は、広告を出すにしても何にしても割合規制を厳しくしているので、他との関係で要らぬトラブルになってもいけないということを理解してもらいたいということだ」と説明した。
 タクセスとの協議については、「私は一貫して『出ない』と言っていた。それでも引き止めがあったというのは事実だ。ずっと話し合いをして、きょう最終的に理解していただいた」と説明。「関協とタクセスだけが会員ではない。対立の構図を強調すると、それ以外の会員が疎外感を抱くのでは」との質問に対しては、「それはその通りで、それ以外の会員にも、きょう電話で話して意思を伝えている」とし、「長老会・賢人会」構想については「長寿社会の中でこれは必要だと思う」と述べた。最後に会員に対しては「長らくお付き合いをいただいた。規制緩和の積み残しの問題でご苦労をおかけするが、新しい政権の中で頑張っていただきたい」とあいさつした。

〜藤原氏はコメント控える
 関会長の退任会見に同席し、記者団から改めてマニフェストも含めて決意表明を求められた藤原氏は、「きょうは会見への同席を求められただけで、関会長の発表を聞く場であり、私がそのようなことをしゃべる場ではないと認識している。推薦は受けてもまだ決まったわけではない。マニフェストに関しては先日発表した通りで、変えるわけではないのでご理解いただきたい」と発言を控えた。
 「これで藤原氏が単独候補、無投票で新会長になるのはほぼ確実だ。他に対立候補は出ないと思われる」として執拗にコメントを求める記者もいたが、関氏は「誰が飛び出してくるか分からない。ないとは思っているが、29日(の理事会当日)まで分からない」と指摘。藤原氏も「勝負は下駄をはいたときに決まる」と、慎重な姿勢を崩さなかった。

〔3月26日関西版掲載〕<バックナンバー一覧へもどる>

2011年3月26日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】大タ協・関会長が退任表明/藤原・筆頭副会長に禅譲へ
【 大阪 】合同街頭指導にトップも参加
【 東京 】導入義務化5月に延期/アルコール検知器
【 神戸 】減休車「このぐらいで止めて」/兵タ協・通常総会で松本会長
【 大阪 】全個協近畿支部が募金活動/東日本大震災の被災地支援
【 奈良 】未申請は協会員1社含む3社に/奈良市域の特定事業計画
【 京都 】メーター検査時の手当を/関西タク労組が会社側と交渉
【 大阪 】山陽交通労組、団交継続
【 大阪 】故・坂本定吉氏を偲ぶ会/4月12日「住吉大社吉祥殿」で
【 奈良 】長谷寺「牡丹祭り」の定額運行/日の丸交通、自粛ムードを懸念
【 大阪 】大運支局長に土井・和運支局長/桐原部長は辞職、監査官大幅交代
【 東京 】「民主党バス議連」発足
【 奈良 】奈良市域の事業再構築 
【 大阪 】富士交通が住所変更
【 大阪 】近運局、4社を車停処分
※大運支局監査情報
※大阪の増減車情報
 
2011年3月25日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】ヒアリング事業者は覚悟を?/経営実態調査で近運局/長井・自交部長、法人の評価制度にも意欲
【 大阪 】桐原・監指部長「本訴で早期決着期す」/なみはやG2社の取消処分
【 大阪 】藤原氏に禅譲か?/大タ協・関会長、きょう去就表明
【 大阪 】メリット割引は5800万円規模/大阪交通共済協組・臨時総会
【 大阪 】東北のグループ各社が被災/国際興業、大阪労組も諸行事中止
【 大阪 】関連ゴルフ場の社員寮を無償提供/池田タクシー、震災復興支援
【 大阪 】「何がウソで、何が間違いか」/薬師寺氏、会長が誰であろうと追及
【 京都 】94%の乗務員が解決望む/駐停車マナーのアンケート結果
【 大阪 】阪急タクシー、春闘妥結
 
2011年3月19日号 関西版 速報ニュースヘッドライン
【 大阪 】大タ協理事会、4月以降も“熱い”議論?/薬師寺氏、労務問題で指摘
【 大阪 】期間中、延べ478回の運行/大阪府のEVタク有償借上
【 大阪 】車両数に応じて拠出要請/大タ協、被災地への義援金
【 大阪 】被災地支援で物資輸送も/自交大阪「阪神」の経験生かす
【 大阪 】持ち回りで代表者参加へ/北新地合同街頭指導で大タ協
【 大阪 】ワンコイン十三、運賃申請
【 神戸 】兵タ協で事故防止講演会
【 神戸 】近無協兵庫支部で高度化研修会
【 京都 】運賃論議は2段階で/「あるべき姿」と消費税対応
【 大阪 】指導無視でも罰則なし!?/新大阪駅の入構規制
【 大阪 】「5・5遠割外しは一番最後に」/小豆島タクシー・橋社長
【 大阪 】商都ハイタク労組が定期大会
【 大阪 】昨年来の交渉が結実/関中グループ8労組
【 神戸 】兵庫交通・西神交通、譲渡譲受申請
【 大津・和歌山 】滋賀、和歌山の事業再構築
【 大阪 】南大阪ダイコク、役員変更
【 神戸 】ひまわり交通・播磨交通、譲渡譲受取下げ
【 京都 】死亡事故で特別監査へ
【 大阪 】近畿運輸局行政処分
 
2011年3月18日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】大タ協会長選、藤原副会長が出馬表明/5・5遠割廃止「私にしかできない」
【 大阪 】協会運営に意見はない/「一事業者」と日交G・澤代表
【 大阪 】大タ協・関会長、去就表明まだ
【 東京・大阪 】区域外運送の処分基準強化/最高乗務距離と同様の備えを
【 大阪 】大阪のEVタク1カ月/夜間充電+急速充電1回が主流
【 大阪 】EVは輪番制で専用乗り場へ
【 大阪 】タクセン負担金滞納で事業停止へ/近運局、広円タクシーの聴聞公示
【 大阪 】非協力事業者の経営実態調査へ/大阪府合同地域協で長井会長
【 神戸 】兵庫の地域協、3カ所で幹事会
【 京都 】「第2ちょうちん」是認か?/京都の個タク協組分裂巡って
【 奈良 】生駒、中部も認定申請開始へ/奈タ協が特定事業計画説明会
【 大阪 】山陽交通労組が第2回団交
 
2011年3月16日関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】大タ協、新理事47人確定/29日に新会長選出へ
【 大阪 】新金岡の運賃値上げ指導で提訴へ/処分取消と500円認可求める
【 大阪 】ワンコイン十三は580円へ/古知代表「社名は募集中」
【 京都 】京乗協のEVタク不協和音/専用乗り場の費用負担巡って
【 大阪 】EV36両、HV57両が入構希望/新キタビル「エコ乗り場」
【 京都 】「選ばれるタクシー目指しているのに」/営業区域統合「却下」でエムケイ
【 大阪 】大タ協が被災地に義援金
【 大阪 】オービーシーが震災義援金
【 神戸 】兵タ協、特別委のメンバー決まる
【 大阪 】大運支局、2月の苦情は16件

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