【大阪】梅田交通グループの古知愛一郎代表（大タ協副会長）は6日、大阪市淀川区の幸福交通で本紙のインタビューに応じ、大阪・関西万博への対応について、「大タ協をはじめタクシー業界は許される枠内であらゆることを検討しながら最大限の対応はすべきだと思っている」と述べた。また、全国で対応が求められる日本版ライドシェア（ＮＲＳ）と公共ＲＳについて、両者の線引きが必要と指摘した（詳細は『交通界21・2025新年特別号』に掲載）。
　万博に向けて古知氏は、大阪府が求める万博ライドシェアや、大タ協提案の「なにわモデル」について、申請も認可もされておらず、「現時点においては予測不能で、これといった具体的な指針がない」と前置きしつつ、「協力でき得ることは可能な限り協力させてもらう」とした。年末に向けた需給見通しについては、「肌感覚としては、かつての年末の忙しい雰囲気はなく、この延長線上で行けばある程度の需要増は見込めるものの、最近は配車アプリのマッチング率も良く、一時的な供給力不足はあったとしても、極端な供給力不足はないと思う」との認識を示した。さらに、ＮＲＳそのものについては、「万博との絡みもあるが、実際に動かしているところは少ない。当グループでは、今の管理と時間規制も守りながら少数を動かしているものの、非常に難しい。手間もかかる。車両の面からも考えても、著しく供給力が不足した時のタクシーの補完になるかというと、現状では難しい」と述べた。
　全国展開の中、和歌山市域でもＮＲＳに取り組むことになったことについて、「非常に悩むところで、和歌山市域でも和タ協の理事会社なので、実施の意思表示をして来年3月から1両のＮＲＳを稼働させる予定ではある」としながら、「一方で（グループ会社の新昭和タクシーがある）秋田県潟上市などは冬場は需要がほとんど見込めず、地方で実施されているいわゆる自家用有償旅客（公共ライドシェア）の方が、ＮＲＳよりも向いているのではないかと思う。そこのところの道運法78条の2号、3号の線引きが、都心部と周辺部、これもどこまでが周辺部かということろもあるが、それら地域で展開するＮＲＳと住民も少なく需要が全く見込めないような地域での公共ライドシェアとの線引きを、ある程度は検討していかないと、どこでもここでもライドシェアというわけにもいかないし、『需要はある』と言っても1日1回程度の需要しかなければ、タクシーも公共ＲＳもＮＲＳも伸びない」と指摘した。
〔12月14日号関西版掲載〕　<Topへもどる>