ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2018年2月5日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信

政策立案の発想、根本的に転換を
 〜話題の経産省若手官僚G・レポートを読む

 昨年後半から国土交通省をはじめとする中央省庁の一部で20歳代後半から40歳そこそこまでの若手官僚によって今後の日本のかじ取りをどうすべきか、抜本的な政策転換が必要かなどを検討するためのプロジェクトが次々と発足している。その先駆けとなったのが2017年5月に発表された経済産業省の若手官僚グループによって作り上げられた「不安な個人、立ちすくむ国家〜モデルなき時代をどう前向きに生き抜くか」だ。レポートでは少子高齢化を迎えた日本の構造問題への現状認識を素人にもわかりやすく解き明かすとともに、政策立案の根本的な発想の転換を求めており、この点が高く評価され、同省ホームページからのダウンロード数は150万件を超え、ヘタなタクシー配車アプリをはるかに凌ぎ、新書やマンガなどの書籍化もされている。一方で、これまでの官庁にありがちな数値目標やその達成のための前提条件などは書かれておらず、「不安をあおるだけ」との批判も少なくない。10〜20年後に彼らが中央省庁内で部課長や局長級以上に昇進し、政策立案のかじ取りを実際に行うとき、このレポートの内容に沿った行動様式が取られているかもしれず、その意味でも注目したいところだ。
 経産省のプロジェクトは16年8月に事務次官の音頭で、省内からメンバーを公募、20歳代、30歳代の若手官僚30人で構成された。その目的は、「国内外の社会構造の変化を把握するとともに、中長期的な政策の軸となる考え方を検討し、 世の中に広く問いかけることを目指す」ものとされていた。また、東京大学の一流学識者との定期的な意見交換の場を設定し、学者らの助言も受けていた。
 本レポートの構成は別掲(略、以下同)の目次の通り。第1章では「液状化する社会と不安な個人」として、「世の中は昔より豊かになり、日々の危険やリスクは減っているはずだが、個人の不安・不満をこのまま放置すると、社会が不安定化しかねない」と警告し、「われわれは、再び、『権威』や『型』に頼って不安・不満を解消するのではなく、『自由の中にも秩序があり、個人が安心して挑戦できる新たな社会システム』を創るための努力をしなければならないのではないか」と主張する(別掲2)。第2章では「政府は個人の人生の選択を支えられているか?」と題し、既存の枠組みや価値観に疑問を呈する。国としての社会システムが個人の選択をゆがめているとした上で、高度成長時代に作られた制度や人生設計のあり方を「昭和の人生すごろく」と定義、そのコンプリート率は、すでに大幅に下がっているとする(別掲3)。例として高齢者の定年後の過ごし方なども取り上げ、「定年退職を境に、日がなテレビを見て過ごしている」などと指摘もしている(別掲4)。

「高齢者=弱者」に疑義
 意欲や健康、経済状況など高齢者が置かれた状況が多様化しているにもかかわらず、現在の社会システムは一律に「高齢者=弱者」として扱い、個人に十分な選択の機会を与えていないと指摘、高齢者を支える医療・介護・年金のあり方にも疑問を呈する。一方で、子どもや若者の貧困を食い止め、連鎖を防ぐための政府の努力は十分か?との課題も投げかけている。「日本の母子世帯の貧困率は世界でも突出して高い」と指摘し、OECD加盟国中でワーストワンである事実も突きつけ、「母子世帯は高齢世帯に比べセイフティネットの恩恵を受けていない」と嘆いてみせ、貧困が連鎖・固定化する構造が存在していることを指摘する(別掲5)。若者の意識にも目を向け、「日本の若者は(社会への)貢献意識は高いが、社会を変えられると思えていない」との見方も示す(別掲6)。
 こうした現状を踏まえ、「多様な人生に当てはまる共通目標を示すことができない政府」に対する無力感も漂う。高度成長時代のような努力すれば報われるとか、物質的に豊かになるなどの分かりやすい目標設定が困難になっている現状を本レポートでは「1人当たりGDPが伸びても、かつてのように個人は幸せにならない」と断ずる(別掲7)。「合計値としてのGDP、平均値としての1人当たりGDPを増やしても、かつてほど個人の幸せにつながらない。幸せの尺度はひとつではなく、ましてや政府の決めることでもない」と指摘する。現政権が掲げる目標GDP600兆円という分かりやすい価値観とは、かなり違った物差しということもできる。
 第3章では「われわれはどうすれば良いか」とのテーマを掲げている。同章の冒頭では、「戦後、日本は、世界に誇れる社会保障制度の構築に成功し、公平性を維持した経済成長を実現した。しかし、本格的な少子高齢化が進む中、過去に最適だった仕組みは明らかに現在に適応していない」と指摘し、さらに「すでに人々の価値観は変化しつつあるにもかかわらず、過去の仕組みに引きずられた既得権や固定観念が改革を阻んでいる。シルバー民主主義を背景に、大胆な改革は困難と思い込み、誰もが本質的な課題から逃げているのではないか」と主張する。

ITマッチングによる「公」の再構築
 従来の延長線上で個別制度を少しずつ手直しするのではなく、今こそ、社会の仕組みを新しい価値観に基づいて抜本的に組替える時期にきているのではないかとし、@一律に年齢で「高齢者=弱者」とみなす社会保障をやめ、働ける限り貢献する社会へA子どもや教育への投資を財政における最優先課題にB『公』の課題をすべて官が担うのではなく、意欲と能力ある個人が担い手に(公共事業・サイバー空間対策など)―を提言している。少子化であればこそ、子どもの教育にもっと投資すべきだとの考え方については、従来は「勤労世代が高齢者を支える」とされてきたが、「子どもを大人が支える」と発想を転換すれば、支える側の分母の人数はぐっと増えるとの見方をも示している(別掲8)。
 また、意欲と能力ある個人が『公』の担い手にという考え方についても、「ITでマッチングを効率化し、『公』を再構築すべきだ」と主張し、「プラットフォーム上で、課題と解決手段を持つ者をマッチングする」ことで効率化が可能との見方を示している(別掲9)。

高齢者が「支える側」に
 最後に本レポートでは、「2025年には、団塊の世代の大半が75歳を超えている。それまでに高齢者が支えられる側から支える側へと転換するような社会を作り上げる必要がある」と改めて主張し、「そこから逆算すると、この数年が勝負」だとする。「かつて、少子化を止めるためには、団塊ジュニアを対象に効果的な少子化対策を行う必要があったが、今や彼らはすでに40歳を超えており、対策が後手に回りつつある。今回、高齢者が社会を支える側に回れるかは、日本が少子高齢化を克服できるかの最後のチャンス]だとした上で「2度目の見逃し三振はもう許されない」と結んでいる。
 このように本レポートでは、政策立案の抜本的な発想の転換を求めているが、個別具体の政策案を示すものではない。わが国の現状という意味では、的を射た指摘も少なくなく、残念ながら、ここ数年が勝負ということであれば、わが国は第二打席もカウント・ツーストライクまで追い込まれているとみた方が良さそうだ。全体として本レポートからは中央省庁の若手官僚から無力感や虚無的な空気が蔓延しているのではないかとの危惧も感じざるを得ないが、危機感としては適切なものではないかと思う。(了)

No.711  2月5日   主な内容
■巻頭人物:住野 敏彦氏(交運労協議長
■気になる数字:488人→1000人
      〜日本在住外国人ドライバー増強計画の高いハードル
■トピックス
:政策立案の発想、根本的に転換を 〜経産省若手官僚G・レポートを読む
:実証実験の意味あるの? 〜大タ協「5・5遠割是正」利用者に何を訴える…
:神戸市域のアンケート結果に「議論と分析」は?
             〜県下全域で運賃問題胎動の兵庫業界
:地域交通とタクシーの役割 〜「市民会議」シンポ―名大・加藤教授の講演から
:商都交通新社長に三野勝義氏 〜三野文男会長は代取会長に
:自分で決断するチャンス、自分を変えるチャンス
             〜ライオン交通「L-project2018」
:地域に愛され利用がどんどん増えるように
             〜オービーシーGが大東市東部で乗合タクシー
■東西往来
:忘れられない最後の授業 / 「何でもあり」の交通政策にNO!
■この人この言葉
:富田 和孝氏 / 平岩 千明氏 / 田畑 孝芳氏 / 信原 智彦氏
■シャッターチャンス
:シギとハマグリにならぬよう / 少しの気配りだけで
:これもシェアリングエコノミー / 流行りものには必ず落とし穴…
■内外交差点  タクシー乗務員の生きがいづくり  田中 敬子氏D
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Faxpress 関東版
「変動迎車料金」政府公約に
  「シェアエコ伝道師」の地域派遣も
   未来投資会議、18年版産業競争力強化・実行計画案

【 東京 】政府は1日、首相官邸で未来投資会議(議長=安倍晋三首相)を開き、生産性革命パッケージの推進について論議し、2018年版の産業競争力の強化に関する実行計画案をまとめた。その中で重点施策と担当大臣を決め、運輸分野には「タクシーの変動迎車料金の導入」(国土交通相担当)が、一方でシェアリングエコノミーの推進では「グレーゾーン解消制度の活用等に向けた支援、地域へのシェアリングエコノミー伝道師の派遣」(IT担当相、総務相、経産相が担当)などを盛り込んでいる。これにより、変動迎車料金は政府の公約と位置づけられる。安部首相は従来型の事業法による縦割りの発想からの脱却を宣言するとともに、規制のサンドボックス制度実現に向けて現在の通常国会への法案提出の意向を示した。
 会議は、各関係省庁閣僚らから生産性革命の具体化に向けた今後の取り組みなどについて報告し、民間議員らが意見を述べる形で進行。昨年に閣議決定された「未来投資戦略2017」(17年6月9日)、「新しい経済政策パッケージ」(同12月8日)の方向性を踏まえ、また、「日本再興戦略2016」に基づく実行計画の進捗状況などを報告した上で、「産業競争力の強化に関する実行計画案」(18年版)を策定した。同計画には、重点施策の着実な進行が謳われ、現時点での施策内容、実施期限、担当大臣を具体的に示し、必要なものについては「法案を提出する」と明記している。具体的な重点施策の内容、実施期限、担当大臣については、中小企業対策の一つに「業種別の特性に応じた生産性の向上」として「中小企業等経営強化法に基づく業種ごとの生産性向上指針の策定や業種ごとの事業者団体との連携・推進体制づくりを計画的に行うこと」(総務相、厚労相、農水相、経産相、国交相が担当)をあげた。
 また、運輸分野の対策では実施目標の一つに「タクシー変動迎車料金の導入」をあげ、「タクシーのダイナミックプライシングの仕組みの一環として、変動迎車料金の導入に向けた実証実験・運用指針の整備の検討」(18年度中。国交相担当)を盛り込んだ。一方、シェアリングエコノミーの推進についても、「内閣府のシェアリングエコノミー促進室で民間事業者・地方自治体等からの相談に対応して必要な情報提供や調整、法令解釈に係るグレーゾーン解消制度の活用等に向けた支援を行う」「地域へシェアリングエコノミー伝道師を派遣するとともに、地域の課題解決や経済活性化の取り組みを促進する『シェアリングエコノミー活用推進事業』等によって、地方自治体によるシェアリングエコノミーの導入・連携を支援する」(IT担当相、総務相、経産相が担当)を盛り込んだ。民間議員では竹中平蔵・東洋大学教授は欠席したものの、意見書を提出し、その中で規制のサンドボックス関連2法案の制定と早期実施などを強く求めた。

〜「規制のサンドボックス」法案提出へ
 安倍首相は議論の締めくくりで発言し、「従来の産業分類にとらわれない革新的なビジネスが次々と登場してくる時代に、いわゆる業法のような縦割りの発想に基づく20世紀型の規制システムから脱却し、サービスや機能に着目した発想で捉え直した横断的な制度改革を進めていく必要がある。その先駆けとなるのが規制のサンドボックスだ。この通常国会に法案を提出する」などと述べた。
〔2月3日号関東版掲載〕  <Topへもどる>

2018年2月3日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】「変動迎車料金」政府公約に/「シェアエコ伝道師」の地域派遣も/未来投資会議、18年版産業競争力強化・実行計画案
【 東京 】今月中にも一部日交車両で運行へ/昭栄自動車など移籍の3社
【 東京 】乗車効率アップへ柵撤去/東京駅八重洲口乗り場
【 名古屋 】民間主導の実証実験/名古屋交通圏で「相乗りタク」
【 東京 】多言語対応端末の導入補助/東京都、18年度予算に1億円
【 東京 】海外PFとの連携に「反対」/自交総連、運賃制度破壊を危惧
【 横浜 】活性化対応で「固定給」へ見直し急務/全自交神奈川・水野委員長
【 横浜 】神タ協、第5回UD研修
【 横浜 】東横線日吉駅前の待機場/3月末まで最適地点で確保
【 東京 】タクシーの新規登録なし/1月のグリーン経営認証
【 東京 】ウーバーとエア・ビー&ビー/日経BP社が刊行
【 名古屋 】名古屋で白タクリムジン摘発
【 金沢 】小松空港でも白タク啓発活動/石川協会など、LCC就航で
【 長崎 】アプリでSASチェック/総務省IoTサービス創出支援事業
【 静岡 】CSTのタク向けSW事業部門/システムオリジンが譲受
 
2018年2月2日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】ビッグデータ活用して需要予測/タク問題懇談会でトヨタ自動車講演/富田新会長、健全経営へ体質改善
【 東京 】IT活用で点呼の規制緩和へ
【 東京 】一部ゾーン廃止の個タク50人/羽田空港定額運賃
【 横浜 】昨年末から126人減/京浜の運転者証交付・1月末
【 東京 】LPG、2月CPは大幅安
【 東京 】「勤怠システム」の普及支援/矢崎エナジーが開発元と提携
【 東京 】「多言語対応ICT化」の取り組み/五輪関連行事でタクセンがプレゼン
【 東京 】千代田ビルの修祓披露/杉並交通、ハイヤー営業所に
【 東京 】「働き方改革」の大口値上げ/ヤマトHDが業績予想上方修正
【 東京 】白タク合法化阻止で取締まり強化など/私鉄総連が交通政策統一要求
【 横浜 】20点超のタク事業者は3社/関運局、17年度末の累積違反点数
 
2018年1月31日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】正規タクシー配車へ国交省の支援/日本国内での事業展開に自信/ウーバー、公式HPで今後の方針
【 東京 】計画未議決なら延長なし/特定地域の指定延長で指針案
【 東京 】「AIタクシー」きょう運行開始/東京無線、2月中にも1350両に
【 東京 】タク事業者等の乗合許可延長へ/通達改正案、3年程度まで柔軟に
【 東京 】UD研修に53人、2・3月も開催へ/東タク協三多摩支部
【 東京 】事故発生率上昇で原点に返る/ライオン交通、18年の安マネキックオフ
【 横浜 】フェリス女学院の学生乗せて/神タ協経営委が夜景観光タク
【 東京 】人身事故対応の留意点など学ぶ/東個労・新春の集い 
【 東京 】貨客混載の自動運転実証実験/長野の「道の駅」で2月に
 
2018年1月27日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 サンフランシスコ 】ウーバーCEO、政府高官と会談へ/2月中旬にも来日、国交省幹部とも?/タクシー配車の連携圧力さらに
【 東京 】白タク・ライドシェア合法化を否定/定例会見で石井伊国交相
【 東京 】法施行3年後に720時間目指す/全タク連「働き方改革」AP案
【 東京 】11社が「ノート」30両一括購入へ/東タク協三多摩支部・総合政策委
【 訃報 】龍生自動車・佐藤和夫社長が死去、87歳
【 東京 】75歳超の運転免許更新確認/都個協、検査混雑で緊急措置
【 東京 】全自交東京の加入承認へ/東京ハイタク労働団体
【 東京 】「労使協議で働き方大転換を」/新年交換会で交運労協・住野議長
【 東京 】関自無協総会は5月10日/さいたま市で開催
【 静岡 】月額要求1万円、最低賃金創設も/全自交労連が18春闘方針
【 東京 】健康・労務管理で事故防止/国交省、2月8日にセミナー
【 横浜 】キャピタルGの観光ルート別運賃認可
【 横浜 】関運局、譲渡譲受認可
 
2018年1月26日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】「旅行商品」なら法的規制及ばす/海外アプリのタク配車「変動運賃」/関運局、PF側との契約条件次第
【 東京 】「1.5種免許」等拒否の国交省に強い不満/規制改革推進会議・大田議長
【 東京 】差戻審の高裁判決、2月15日に/国際自動車・城南の未払い賃金訴訟
【 東京 】ブロックごとに副会長配置/自民党タク議連が役員人事
【 横浜 】アクションプラン策定に向けて/神タ協・労務委が全タク連に意見書
【 横浜 】メーター運賃での運送631回/羽田定額一部廃止の個タク50人
【 東京 】「NV200」を応援/ダッ研が賀詞交歓会・講演会
【 東京 】日の丸自動車労組が旗開き
【 京 】メーター連動決済の推奨機器決定/都営協理事会、「JPNタク」展示も
【 東京 】チェッカー役員、今月末で退任/平和自交・杉田社長
【 東京 】日枝神社に安全祈願/東京交通共済幹部ら
【 東京 】団地−最寄駅間を乗合タクシー/町田市が2月から実証実験
【 札幌 】ハラスメント対策で運送約款改定/弁護士客の暴行事件教訓に
 
2018年1月24日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】メーター運賃の堅持等が前提/海外アプリとの連携、直接配車も回避/第一交通産業・田中社長が基本姿勢
【 横浜 】「プライベートリムジン」の実証実験/特区・武三で開始、「車庫有効活用」も
【 横浜 】相乗りタク実証実験、大雪で延期
【 東京 】新たに英語検定合格など/羽田国際線ターミナル乗り場
【 東京 】働き方改革はライドシェアに直結/自交総連中央委で城委員長
【 横浜 】日車営収減は多摩のみ/関運局管内・12月の原計輸送実績
【 静岡 】白タク問題「昨年以上に厳しく」/全自交中央委で伊藤委員長
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Faxpress 関西版

 「遅滞なく」は1カ月以内?
    事業者計画の減休車実施めぐって

【 大阪 】大阪市域交通圏の事業者計画は、2日時点で合意事業者136社中134社が申請を終え、67社が認可を得ている(近運局旅客第二課集計)が、減車および全日休車(預かり休車)をめぐる「遅滞なく実施」の解釈をめぐって齟齬があるようだ。旅客第二課が「(認可後)概ね15日程度。遅くとも1カ月以内が目安」とするのに対し、特定地域協議会事務局の大タ協は「年度内」を想定していたようで、改めて話し合いたいとしている。
 事業者計画の認可を得た事業者の中には、減車対象車両がリース車で、「認可を得て、初めて知った」という「1カ月以内」の登録抹消期限に「間に合わない可能性もある」とし、実施遅れによる行政罰も含め、不安を口にする向きもある。「事業年度で処理するつもりだった」「事前解約は申し入れているが、契約の絡みもあり、1カ月以内で収まるかどうか」と言った声も聞かれるなど、総じて「一定の猶予期間は与えられる」との認識でいたようだ。
 二課関係者は2日、本紙の取材に「確かに(事業者計画には)1カ月以内とは明記していないが、『遅滞なく』と書いてある」と説明。局側の認識では「遅滞なく実施」と言えば、「速やかに実施してくださいという意味合い」で、具体的な日数で言うならば、「大体15日程度で、遅くとも1カ月以内が目安といったところ」と回答した。遅れた場合のペナルティーについては、「例えば、全日休車で認可を受けているにもかかわらず、一向に休車手続きもせず、1年、2年と放置していれば、変更命令などの厳しい対応で臨むだろうが、正当な理由があって若干ずれ込む程度なら、断言はできないが、問題はないかと思う」とし、「支障があるようなら、まずは局に相談願いたい」と述べた。
 一方、大タ協事務局は、「実は『遅滞なく』の表現をめぐっては、こちらでも一体どれぐらいの期間だろうかということで、あれこれ考えた」と回答。結局、運輸局側とは違い「(全体的に見て)大体3月一杯ぐらい」をリミットと考えていたようだ。「合意した事業者は皆一様に車が余っていて、一刻も早く削減したいという一点だけで話を進めてきた。いずれにしても『遅滞なく』の表現については、こちらと運輸局で認識に違いがあるようなので、また一度話し合ってみる」とした。
〔2月3日号関西版掲載〕 <Topへもどる>

2018年2月3日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】「遅滞なく」は1カ月以内?/事業者計画の減休車実施めぐって
【 大阪 】2月理事会での決着は?/大タ協、横領事件処理問題
【 大阪 】昨年末から105人減/大阪地区の運転者証交付状況
【 京都 】駐停車マナー向上キャンペーン/MM会議、今月26日まで
【 神戸 】減車撤回求め強硬姿勢崩さず/フラワー、キューブ両社
【 神戸・大阪 】事業者計画、法人は新たに5社申請
【 奈良 】奈良近鉄G「子育てタク」終了へ
大阪 】「相乗りタク」実証実験、地方でも
【 大阪 】2種免許緩和で高卒に焦点/個タク関係者「まず法人の若返り」
【 神戸 】大沢町の自家用有償運送/神鉄タク、地域住民との検討継続
【 神戸 】今後10年で「御用聞き産業」へ/永和・永野社長、貨客混載がカギ
【 大阪 】大阪市域11社の事業者計画認可
【 大阪 】遠隔点呼への連動を危惧/IT活用の点呼規制緩和で
【 大阪 】大タクセン、指導主任者研修会
【 京都 】台湾最大手のタクシーと連携/エムケイG、アプリで空港送迎
【 神戸 】東亜タク、オーシャンを吸収合併へ
【 大阪 】鳩タク10両→大阪タク、申請
【 大阪 】北港第三3両→梅田交通第三、申請
【 大阪 】日本交通・大阪、役員変更届
【 大阪 】都市型ハイヤーで新規申請
【 大阪 】近運局、法人1社車停
※大運支局監査情報
 
2018年2月2日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】5・5是正、個タクに高いハードル/「追随」の意向も煩雑な審査基準
【 大阪 】割引設定など事前アンケート/5・5是正の実証実験で大タ協
【 京都 】新運賃実施へ対応準備/京タ協、今月23日に経営委 
【 大阪 】高速料金無料化、3月で終了へ/NEXCOのETCトラブル解決
【 京都 】タクシーフェア企画/京タ協・青年部会でプレゼン
【 神戸 】運賃問題の議論急げ/神戸市域「現状ではジリ貧に」
【 大阪 】個タク経営者学校長に桐原氏 
【 大阪 】白タク・ライドシェア阻止など/自交大阪「2.1怒りの行動」
【 大阪 】「コクヨビル前乗り場」/8日まで夜間運用休止
【 大阪 】全自交関西が第2回執行委
【 和歌山 】和歌山市域準特協、3月22日開催
【 京都 】モンキーパークのラッピングタク/帝産京都自動車が運行
【 神戸 】姫路駅広場再整備で待機場縮小/「ショットガン」で対応へ
【 大阪 】門真でタクシー強盗
【 大阪 】新名神に「宝塚北SA」/3月18日オープン
【 神戸 】日車営収は増収基調/兵タ協、17年9・10月の輸送実績
 
2018年1月31日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】2年連続で通年3万円台維持/大タ協17年輸送実績、実働率65%に低迷
【 神戸 】路線バス減便でタク利用助成/兵庫県篠山市、市町村有償運送も
【 大阪 】初乗りは1.5キロ程度に/大阪市域、5・5是正は困難視
【 大阪 】和田、道野両氏らが現地視察へ/茨木市の交通問題解消へ協力
【 和歌山 】和歌山業界、そろそろ運改?
【 大阪 】安部会長が辞任申し入れ/大阪の地域協、後任に西村教授
【 大阪 】奈良市域の特定地域協に懸念/近畿交運労協ハイタク部会
【 大阪 】女性活躍の「チャレンジ企業」/ふれ愛交通が大阪市の認証受ける
【 大阪 】関協、札幌へ親睦旅行
【 大阪 】正副部会長の選任など/大商運輸部会、3月2日開催
【 大阪 】啓発リーフレットの積極活用を/中国式白タク排除へ業界全体で
【 大阪 】栗原・自交部長との意見交換会/大タ協・女性部会、2月22日に
【 神戸 】2社の主張は「事実誤認」/減車めぐる訴訟予告に回答
【 大阪 】四つ橋線一部通行止め/夜間工事で2月3日
【 京都 】月刊誌が「ささえ合い交通」紹介 
【 大阪 】環境にやさしい交通まちづくり/和歌山でEST創発セミナー
 
2018年1月27日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】町内会の自家用有償運送も可能に?/泉州ブロック協、運送主体に「法人格ない非営利団体」追記
【 大阪 】商都交通社長に三野勝義氏/三野文男氏は代取会長に
【 大阪 】「値上げ」の実証実験に疑義の声/5・5遠割是正めぐって
【 大阪 】茨木市山間部の交通問題/法個で市担当者と懇談へ
【 大阪 】外国人雇用進めば労働条件悪化/産別幹部「研修制度」等を懸念
【 神戸 】新たに5社申請、25社に/神戸市域の事業者計画
【 大阪 】大東市東部の乗合タク運行開始/オービーシー、初日から10件超の予約
【 和歌山 】「運転免許返納割引」を疑問視/相互タク(和歌山)・田畑社長 
【 神戸 】兵タ協、2月2日に労使懇談会
【 東京 】相互・小野、太平・山田両社長/交通安全「緑十字銀章」受賞
【大阪 】自交大阪、今年も「怒りの行動」/2月1日、近運局前などで
【 神戸 】はくろ、松本社長が一人代表に 
【 大阪 】大阪市域の8社の事業者計画認可
【 大阪 】泉州ジャパン、営業所新設認可申請 
【 大阪 】鳩タクシー、譲渡譲受申請取下げ
【 大阪 】日本皇包車、ハイヤー増車
 
2018年1月26日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 東京 】6月答申に向け、タクシー問題協議/規制改革推進会議・大田議長
【 大阪 】「業界発展のため、早く正常化を」/関・大タ協最高顧問
【 神戸 】神戸予選会に16社29人/兵タ協・接客コンテスト
【 神戸 】取り締まり強化で大阪→神戸に/「中国式白タク」めぐり北坂氏
【 京都 】目を引く「レンタカーの外国人対応」/兼元・京タ協会長が沖縄視察
【 和歌山 】見直し懲罰規定、2月施行へ/和歌山地区タクシー輸送協
【 東京 】差戻審の高裁判決、2月15日に/国際自動車・城南の未払い賃金訴訟
【 神戸 】福祉有償の「乗合運行」めぐって/阪神地区協議会、議論継続
【 津 】熊野市の乗合タクに総理大臣賞
【 大阪 】自民党・片山議員との意見交換会/大タ協・女性部会が2月2日
【 大阪 】南地9日、北新地21日/2月の街頭指導日程
【 大阪 】「5・5遠割是正」は暗礁に?/産別幹部、大口割引など絡み
【 大阪 】近畿、三和両支部が合併へ/全大個協組、4月1日付で
【 大阪 】譲渡譲受の4氏に認可書
【 大阪 】整備終了後の具体的運用協議/2月に大阪空港タク乗り場検討会
【 大阪 】寒波の中、北新地で街頭指導
【 大阪 】大阪相互の乗務員に感謝状贈呈へ/府警高石署、特殊詐欺の未然防止で
【 札幌 】ハラスメント対策で運送約款改定/弁護士客の暴行事件教訓に
 
2018年1月24日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】帰国の元在日韓国人に照準/日本城タクが韓国でUターン求人
【 神戸 】ウーバータクの手数料/神戸市域の事業者も「割高」
【 神戸 】駅出し組に強い抵抗感/神戸市域の初乗り短縮改定
【 神戸 】姫路予選会に8社9人/兵タ協・接客コンテスト
【 東京 】東京高裁が乗務員側の控訴棄却/国際自動車・城南の未払い賃金訴訟
【 京都・大阪 】高裁判決に強い関心
【 神戸 】「新しい経済活動、事業チャンスに」/養父市長が新自家用有償運送の意義
【 京都 】常習車両18両を特定、資料提供/京都の「中国式白タク」報告
【 大阪 】配車アプリは国産を守るべき/大タ協・坂本理事「データ管理」など
【 神戸 】事業者計画、約70%集約/神個協組、月末に一括申請へ
【 大阪 】横領事件の賠償責任問題めぐって/大タ協1月理事会の主なやり取り 
【 大阪 】創立10周年・結成55周年式典/全大個協組・住吉個タク協会
【 京都 】駅近郊型保育所/キャビック、2月13日開業
【 大阪 】関西からハイタク運動発信/私鉄両団体が合同で旗開き
【 大阪 】民間車検場の事業取消 
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