ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2015年11月16日

    交通界WebNews
最新号ニュース
発行物について
購読のご案内
採用情報
会社概要・沿革
広告のご案内
 










「週刊交通界21」毎月4回情報発信

白タク阻止へ待ったなし
 速やかな対応と業界の対案を
       全タク連・富田昌孝会長 特別寄稿

 昨年の事業者大会では全く話題にも上らなかった課題がタクシー業界に急浮上し、見る人によっては、これが業界にとって戦後最大の危機との捉え方もされている。それが白タク解禁問題だ。新経済連盟による全国一律の白タク解禁要望が政府・与党に繰り返し働かきかけられているほか、ウーバーのプレゼンによるとみられる国家戦略特区を活用した交通空白地における白タク解禁要望が京都府京丹後市からなされ、兵庫県養父市、秋田県仙北市もこれに続く気配だ。安倍晋三首相は観光客の利便性確保に向けて国家戦略特区での自家用自動車活用の検討促進を指示、にわかに暗雲が業界に垂れ込めている。いま、業界が直面している緊急課題について全タク連の富田昌孝会長が一文を寄せた。

 昨年11月7日に全タク連・全国事業者大会が開催されてから、丸1年が経過致しました。この1年間には当時まったく想定もしていなかったような情勢の変化が生じています。昨年の本稿では、業界第一の課題に改正タクシー適正化新法における「特定地域指定基準」のあり方をあげ、その関連で第3次産業の一つとしてのタクシーにおける人手不足の問題や、実働率低下対策としての「預かり休車制度創設」の提言も行いました。また、燃料高騰対策としての燃油サーチャージ制度の検討にも触れて参りました。満足できる内容ではないものの、一応の形を成したものもあれば、引き続き業界にとっての懸案であり続けているものもあります。解決に至っていない課題がありますことにつきましては、本稿をお借りして力不足をお詫びしたいと思います。

急浮上した最優先課題
 さて、上述のような諸課題につきましても引き続き解決策を見つけるべく努力を続ける必要がありますが、それをいったん置いても最優先で取り組まなければならない課題が急浮上して参りました。それがいわゆる「白タク問題」です。報道等を通じて皆さんもすでにご承知のことと思いますが、米国のウーバーが先鞭をつけた白タク配車マッチングサービスは、スマートフォンを活用して登録された自家用車のドライバーがアプリをダウンロードしたお客様を有償で運送するという形態のものです。
 同社は白タク解禁に向けて、今年2月に福岡市での無償旅客運送の形態を採った実証実験を行い、わが国における白タク解禁運動の口火を切りました。これは国土交通省の指導により、現行道路運送法に定める白タク行為に当たるとの判断で実験が中止された格好となりましたが、それによって問題が完全に解決したわけではありませんでした。
 米国内ではウーバーの強力なライバルと目されるリフトがよく知られていますが、事業形態はほぼ同じであり、米国内でサービス網を拡大しつつ、タクシー行政を所管する規制当局と摩擦を生んでいることはウーバーと同様です。そのリフトには日本のインターネット関連事業大手の楽天が3億ドル=約360億円もの巨額の出資を行っており、楽天の三木谷浩史・会長兼社長が取締役にも就任しています。日本経団連から脱退し、三木谷氏が設立したIT系新興企業を中心に設立された団体を前身とする経済団体が新経済連盟であり、代表理事を三木谷氏が務めています。

新経連の「白タク合法化」要求
 その新経連が今年の春から政府・自民党に対し、公然と道路運送法改正による白タク解禁を要望しています。新経連の主張によれば、彼らの政策提言「ジャパンアヘッド」を実現すればその経済効果は約150兆円あるとされ、そのうち「シェアリングエコノミー=共有経済」の効果は約10兆円とされています。繰り返しになりますが、新経連は白タクサービスをライドシェアと称し、道路運送法改正による全国一律の合法化を求めるに至ったのです。
 わたしたち全タク連と致しましても、これに対する強い危機感を持ち、国土交通省はもちろんのこと、自民党タクシー・ハイヤー議員連盟や各党関係機関に機会あるごとに白タク解禁絶対反対の意向をお伝えして参りました。その意味で、白タク解禁をめぐる攻防は一進一退を繰り返してきたということもできます。

情勢を一変させた首相発言
 そのような中、情勢を一変させたと考えられるのが、今年10月20日に開催された政府の国家戦略特別区域諮問会議における安倍首相のご発言です。正確を期すために、政府が公表している同会議の議事録からそのまま引用しますと、安倍首相は「『戦後最大の経済、GDP600兆円』の実現に向けて、生産性を抜本的に向上させてまいります。国家戦略特区は、規制改革の突破口です。人々の創意工夫が活かされ、地域が元気になるように、制度を変えていきます。日本を訪れる外国の方々の滞在経験を、より便利で快適なものとしていかなければなりません。このため、旅館でなくても短期に宿泊できる住居を広げていく。過疎地等での観光客の交通手段として、自家用自動車の活用を拡大する。外国人を積極的に受け入れ、地方創生の加速化を図る自治体の先行的取り組みを後押ししていかなければなりません。このため、入国管理の迅速化を進める。日本のアニメ、和食、デザイン、ファッションなどを学びに来た留学生が、日本で本格的な実務経験を積むための就業許可の基準が明確になるよう、総合的に在留資格を見直します。農林水産業の競争力を抜本的に強化し、輸出産業としても発展させていかなければなりません。あらゆる分野で、日本の潜在力を解き放っていかなければならないと考えます。石破担当大臣と民間有識者の皆様には、引き続き、規制改革のメニューの大胆な拡大と、指定区域の追加について、精力的なご議論をお願いしたいと思います」と述べられました。

前後して出てきた「ライドシェア特区」構想
 政府の公式な態度は自家用車ライドシェアの解禁が正式に決まったわけではないというものですが、新聞・テレビ等の報道からも、それを額面通りに受けとめる向きは少ないと言えるでしょう。これと前後して京都府京丹後市、兵庫県養父市、秋田県仙北市から交通空白地におけるライドシェア解禁を含む自家用自動車の活用を特区で認めるよう提案があったことから、われわれとしても「いよいよ、白タク解禁か」と非常な危機感を覚えるに至ったというわけです。
 いまのところ、国家戦略特区における白タク解禁要望は過疎地等に限定することを大義名分としています。そもそも過疎地とは何でしょうか。過疎地域とは、「人口の著しい減少に伴って地域社会における活力が低下し、生産機能や生活環境の整備等が他の地域に比べ低位にある地域」とされ、過疎地域自立促進特別措置法に基づき、総務省が指定した該当地域は2010年の統計調査によれば、国土面積の約57%に当たり、過疎地域人口は約1120万人で全人口の約9%に当たるとされています。
これらの定義に基づく過疎地は全国47都道府県のうち、神奈川県を除く全都道府県に存在し、東京都でも桧原村、奥多摩町などが指定されており、大阪府でも千早赤阪村がこれに該当しています。広い意味では過疎地はわれわれの、あなたの隣にもあるのです。
 また、旅客運送事業を規定する法令上で交通空白地の厳密な定義も存在していないようです。道路運送法の特例として認められている自家用有償旅客運送の一つでもある過疎地有償運送は今年4月からその名称が公共交通空白地有償運送に変更となりました。国交省自動車局によれば、いわゆる交通空白地の定義については自家用有償運送の運用通達上で、市町村が主宰する運営協議会において地域の人口やタクシー等の輸送実態などを踏まえて協議会において合意形成された地域ということになるとのことです。また、総合政策局によれば交通空白地の厳密な定義は存在せず、各市町村において条例等で定義しており、一般的には徒歩による最寄公共交通機関への距離により定めることが多く、例えばバス停まで500メートル、鉄道駅まで1キロなどとされることが多いと言います。

市町村の判断で決まる?「交通空白地」
 この定義に従えば、2011年度のデータでは、交通空白地の総面積は3万6477平方キロで、日本で人が住むことのできる可住地面積の約30%を占めているということです。つまり、過疎地は法令により厳格な定義が定められているものの、交通空白地は市町村が国のガイドライン等も参考にしながら自主的に判断することができるものとされており、今後該当地域が拡大していく可能性を否定できません。過疎地有償運送を公共交通空白地有償運送と言い換えることで自家用有償運送の対象地域を拡大していく狙いがあったかどうかはいまとなっては分かりませんが、両者の定義の違いを当てはめて考えてみますと、白タク解禁を目指す側の立場に立てば、交通空白地という言葉は何とも便利な言い回しであるということになるのではないでしょうか。
 このように国家戦略特区での白タク解禁が実現すれば、交通空白地の拡大解釈が実行され、ジワジワと白タクが都市部へと滲み出してくることも容易に想像できます。
 さる10月7日には臨時正副会長会議を招集し、まずは、具体的な提案のあった京丹後市、養父市を訪れ、また、仙北市についても事業者大会後に現地に赴き、本当にタクシー空白地なのかどうか、また、地元及び周辺地域のタクシー事業者にできることはないのかを確かめることと致しました。
 国家戦略特区ワーキンググループのたび重なるヒアリングで国交省は、自家用有償旅客運送の規制緩和をたびたび行ってきたこと、改正地域公共交通活性化・再生法の枠組みにおいて自治体が主役となって地元の鉄道、バス、タクシーなどの交通事業者やその他の関係者を交えて持続可能な地域公共交通の確保維持を実現できる制度は整っているとして、直ちに安易な白タク解禁に踏み込まないよう努力してくれていますが、何しろ安倍首相自らのご指示となれば、いつどのような形で白タク解禁に踏み切らないとも限りません。

念仏を唱えているだけでは守れない
 そこで、いま一度確認しておかなければならないことがあります。われわれは「地域住民の足はわれわれタクシー事業者が担う。タクシーは優れた運転技能=2種免許を持った乗務員と適切な運行管理・整備管理により輸送の安全がしっかり担保されており、サービス水準も世界のタクシーの中で最高のレベルだ」との自負があり、「故に、白タクなど絶対に認められない」と主張して参りました。いまもその原則は揺るぎないものですが、安倍首相のご発言以降、もはや原理原則を主張すれば最後は理解してもらえるという事態ではなくなってきたのです。まさに「タクシーは公共交通機関だと念仏だけ唱えていれば良い」という事態ではなくなってきました。
 過疎地等の自治体の立場に立って考えてみますと、「白タク解禁により将来発生するかもしれない事故を心配するよりも、今現在の住民の移動手段をどうするか」の方が、より深刻で間近に迫った喫緊の課題であることは間違いありません。しかも、人口減少で税収の少ない過疎地の自治体においては、タクシー事業者による輸送確保のための助成を行う余裕はなく、そのため「安くできるならそれに越したことはない」と考えがちです。事故が起きた時のことはその時考えるというのはいささか無責任にも感じますが、自治体はそれくらい切羽詰まっているとも言えるのではないでしょうか。
 実際、先に触れた改正地域公共交通活性化・再生法などでは、地域公共交通の維持確保のため一定の予算額を確保し、国から自治体へ補助金を出す仕組みが整えられています。われわれ事業者としては、自治体が乗れるプランを提示し、国からの助成を自治体経由で受け取り、タクシー事業者の手で地域住民の足を守るお手伝いをすることが急務となっているのではないでしょうか。

反対のアピールとともに、当該地区に「対案」提示
 原理原則に基づく白タク反対は広く社会にアピールしていかなければなりません。白タクがなぜ禁止されているのか、その危険性、諸外国ですでに発生している不具合などを強く訴えていく必要があります。一方で、住民の足を今まさに失いつつある自治体に対しては、具体的な白タク解禁への代案を提示することが急がれます。
 仮に政府が特区での白タク解禁を目指す場合、最短のケースでは次期国会での国家戦略特区法改正案提出が想定されます。臨時国会が開催されないとなった現状では、次期国会とは来年1月召集が見込まれる通常国会を指しており、その場合、非予算関連法案の国会提出、審議開始は同年4月頃、会期末の6〜7月中成立を期すこととなるでしょう。このスケジュールから逆算しますと、業界としてはまず京丹後、養父、仙北各市の提案への対案を早ければ年内、遅くとも年度内にまとめ上げる必要があるのではないでしょうか。また、これら3市に追随する自治体が現れるとすれば、それらへの対応も必要になります。このように白タク問題への対応は非常に緊急性の高いものとなったことをこの機会に是非ともご理解くださるよう、事業者の皆さんにはお願いし、また、それぞれの地元及び周辺地域の状況を踏まえて積極的にこの問題にかかわってくださることを願ってやみません。対案の提言に加え、地元国会議員の先生方への個別陳情は何度行ってもやり過ぎということはなく、機会あるごとに訴えていただくよう、改めてお願い致します。

白タク理由の「適正化回避」を懸念
 さて、白タク問題の急浮上により、本来業界の懸案であったはずの改正タクシー適正化新法の運用にかかわる問題はややかすんでしまった観も否定できません。しかしながらようやく運輸審議会での審議も終えて、すべての特定地域指定合意地域の指定が完了致しました。わたくしが特に懸念致しますのは、白タク問題が浮上したことを契機に、「輸送力削減どころではない。減休車などしていては、白タクのために市場を整えてやっているようなものだ」という声が上がるのではないかということです。
 しかしながら、旧タクシー適正化新法の制定も、同法の改正もいずれにおいてもその立法趣旨は乗務員の賃金・労働条件を改善して輸送の安全をしっかり担保し、利用者利便の向上を図るというものでした。われわれは自ら「労働条件改善で安全輸送の確保が必要だ」と言いながら、「白タクが来るから、労働条件改善のための減休車などしていられない」と言っていて良いのでしょうか。これはつまり、「輸送の安全確保は後回しで良い」と言っているに等しく、「白タクは危険だ」ということと矛盾してしまいます。私たちタクシー事業者は立法の趣旨に忠実でありたいし、国会との約束には誠実でありたいと考えています。

特定地域で事業適正化の大成功例を
 そうした前提をあえて確認させていただいた上で、ひとつ申し上げたいことは、改正タクシー適正化新法の枠組みにおいて特定地域に指定された地域の事業者の皆さんにはご負担をおかけしますが、「やはりどうしても、指定19地域のうち1カ所でも良いから、事業適正化で大成功を収めてほしい」ということです。成功例が1つあることで、立法の趣旨が正しかったことが証明されますし、後に続く地域にも勇気を与えることができると信じています。
 特定地域指定19地域のうち、協議会開催にこぎ着けた地域はいくつかありますが、先行した地域でもさまざまな課題があり、特定地域計画の策定に至っていませんし、協議会開催さえ予定が立たない地域も少なくありません。わたくしの地元、東京業界も指定基準があのような形で決着したことから、候補地から外され、この問題で中心的な役割を果たせなかったことを申し訳なく思うとともに、指定地域の皆さんには改めて事業適正化の模範を全国に示していただきたく、重ねてお願い致したいと思います。
 そもそも2度にわたる立法措置でタクシー事業の適正化を果たさなければならなくなった背景には、長期にわたる需要の低迷があげられます。規制緩和以前においては、バブル崩壊後の急激な需要減で説明できますし、確かにその後も日本経済自体が「失われた20年」としばしば表現されるように低迷を続けたのも事実であります。一方で、ここ10年余に限ってみても、他の公共交通機関と比較して輸送人員の落ち込みは圧倒的に大きく、他の交通モードが伸び悩みにとどまっているのに対し、タクシーは25%程度も減少しています。「なぜタクシーだけが」という事実からわれわれは目を背けることはできません。
 立法により一時的に需給のバランスを回復しても、あるいは業界の努力によって白タクを打ち払うことができたとしても、将来にわたってタクシー事業を持続可能なものとするためには、この事実に真摯に向き合って、原因を追究し、新たな需要を掘り起こすことが必要です。バブル期に近距離のお客様をぞんざいに扱ったことの悪影響があるにしても、その後のサービス改善には評価すべき点も多々あり、それだけが原因ではないはずです。規制緩和以前からわれわれ事業者は切磋琢磨を怠ってきたわけではありませんし、限られた顧客を囲い込むための競争は続けてきました。しかしながら、供給が新たな需要を生む―というような画期的な創意工夫はまだ生まれていません。そもそも道路運送法を改正し、規制緩和した当時は「新たなプレイヤーが参入することで創意工夫が生まれ、優勝劣敗の市場原理に基づき、自然に需給は均衡する」と説明されてきました。しかしながら、規制緩和さえしておけば新たなサービスが生まれ「収まるべきところへ収まる」ということ自体が虚構であったことがこの10余年で証明されました。規制緩和が生んだのは増車競争と値下げにより他社の顧客を奪うという古典的な競争方法のみであり、イノベーションにはつながりませんでしたし、立法措置によって行政の後押しで事業活性化に取り組まざるをえなかったこと自体が、規制緩和万能論の虚構を端的に示しています。

付加価値の高い提案で活性化を
 わたしたちはこのような規制緩和万能論とは一線を画しながら、いまこそ謙虚に需要減退の原因を追究し、将来につながる活性化に取り組まなければなりません。利用者アンケートをとると、「近距離では乗務員の愛想が悪い」「地理をよく知らない」などの回答は昔も今もあまり変わりがありません。乗務員が高齢化していたり、定着率の悪化で常に一定数の新米乗務員がいることで、これらのことは「仕方がないこと」と片づけていなかったでしょうか。いまこそ、利用者の目線で何が求められているのかはもちろんのこと、「タクシーにそんな使い方があったのか」というような付加価値の高い提案も必要になっています。さる10月30日に新経連は新たな提案書を官房長官、規制改革担当大臣、国土交通大臣らに提出しました。その中で「いま、なぜライドシェアが必要なのか」と訴え、その経済効果や都市部、過疎地などさまざまな場面での有用性をアピールしています。国家戦略特区での白タク解禁問題について国交省はすでに存在している自家用有償旅客運送などの制度活用を主張して、タクシーを生かすため、よく防戦に努められていますが、われわれ事業者からの具体的な対案提示という援護射撃なしには、もはや陥落寸前というのが実情と言えるでしょう。東京では初乗り距離短縮運賃の検討が進んでいます。大阪では京丹後市のタクシー空白地解消に向けて新規許可申請しても良いという事業者も現れました。わたしたちは「1円たりとも損はしたくない」と、もはや言ってはいられない断崖絶壁に追い込まれているのです。事業者団体である以上、会員事業者の合意形成を軽視するつもりはまったくありませんが、議論のための議論を繰り返している時間的余裕はすでになくなりました。具体的な対案提示に向けて速やかに行動する時が来たのです。

事態は切迫、まとまれる者から行動を
 白タク事業者側の事情に詳しい関係者によると、「ウーバーなどは『タクシー業界としては採算が合わないからやれない』と言っているようなことでも、何でもやる」と言っているとのことです。われわれ業界としては「タクシー事業者全体で何らかの対案を示すこと」が最も重要なことではありますが、ことここに及んでは「全体で直ちにまとまれないなら、何かできる事業者からまとまって先に行動を起こすこと」ですら必要になりつつあります。法人タクシー事業者は約6500社、個人タクシー事業者は約3万8000人で、合わせて約4万5000人分の足並みが揃うのを待っている余裕はなくなりつつあります。国交省をはじめ行政関係者にもこの認識は共通のものであり、浸透しつつあるものと思っています。くどいようですがもう時間がありません。速やかに行動する時が今なのです。
 最後になりましたが、これまで2度の立法実現に際して見事な団結を示していただいた会員事業者の皆さんに改めて感謝申し上げるとともに、白タク問題を契機に決して足並みの乱れを見せることなく引き続き団結をお示しくださるようお願いしてこの稿を終えたいと思います。
<Topへもどる>

No.608 11月16日号(全国事業者大会報告・特別編集号) 主な内容
■トピックス
 :<特別寄稿> 白タク阻止へ、待ったなし〜全タク連・富田昌孝会長
 :「白タク阻止」決議受け行動へ〜第55回全タク連・全国事業者大会
 :タクシーのビジネスモデルは永遠か〜前門の白タク、後門の完全自動運転車
 :「白タク」を否定、経済効果3.8兆円超〜新経連提案書を検証
 :<内外交差点> 理屈―どうして白タクなの〜坂本篤紀氏D
 :地域公共活性化・再生法のスキーム活用〜大タ協・三野文男会長
 :兵タ協、来春にも叩き台〜近畿でも検討進む初乗り短縮
 :特定地域指定基準に不備〜青森のタクシー乗務員8人が国賠訴訟
 :行政指導の強制性と正当化理由を掲げて闘う〜口頭弁論迫る新潟・公取委審決取消訴訟
 :「あさが来た」タクシー業界に朝は来るのか? 〜ライドシェア問題と世相を反映する?NHK2つの看板番組
速さ+確かさ
交通界ファックスプレス(『交通界21』特別サービス号/ 週3回配信)

 

Faxpress 関東版
「地方版規制改革会議」の設置呼びかけ
   「有識者」活用して利用者の選択広げる
      規制改革会議、自治体の条例改正支援

【 東京 】政府の規制改革会議(議長=岡素之・住友商事相談役)は12日、地方自治体に「地方版規制改革会議」の設置を働きかけ、地域の実情に合わせて必要な条例の改正等を機動的に行えるよう支援していくことを決めた。
 すでに条例改正などに取り組めるよう、規制改革部門を設置した例などもこれまでにあったとし、栃木県の「規制改革専門部会」、大阪府・大阪市の統合本部「大阪府市規制改革会議」、静岡県の「産業成長のための規制緩和推進会議」などの例も紹介。社会構造や経済情勢の変化により、創設当時には一定の合理性を有していた規制が、現在では事業者の創意工夫を阻害したり、利用者の多様な選択の妨げとなっている場合がある―などとし、地方版規制改革会議の設置推進の必要性を説いている。
 同会議のイメージとしては、有識者等で構成する会議を設け、地域住民や企業、関係団体から規制改革についての提案を受け付ける。自治体内部の関係部局で提案内容を検討し、結果を会議で検証、見直しの必要性の有無を議論するというもの。内閣府規制改革推進室が地方版規制改革会議設置、運営のためのノウハウを提供し、支援していくという。
〔11月14日号関東版掲載〕  <Topへもどる>

2015年11月14日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】「地方版規制改革会議」の設置呼びかけ/「有識者」活用して利用者の選択広げる/規制改革会議、自治体の条例改正支援
【 東京 】全国特定地域の車両数は全体の29%/WGは国交省からヒアリング
【 東京 】富田会長、18日に秋田県・仙北市へ/19日は新潟・三条市で乗合タク等視察
【 東京 】天候不順が需要呼び好調/東タク協・9月全社輸送実績
【 東京 】乗務員4000人対象に/東京無線、タワーリーダー講習会
【 東京 】準特協の構成員交代
【 東京 】燃料費下落などで増益/大和自交・第2四半期連結決算
【 東京 】ライドシェア排除で認識共有/ハイタク労働団体が東タク協交渉
【 東京 】初乗り距離短縮運賃に反対声明/全自交東京「営収低下招く」と
【 横浜 】白タクには高品質の提供で/三和交通G・吉川社長が対抗策
 
2015年11月14日号−2 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】「需要増は天候頼り」抜けきれず/多摩1.8%減収、特区・武三も失速/東タク協・10月原計輸送実績
【 金沢 】「運賃問題も忘れずに」/事業者大会で徳島協会・藤田会長
【 東京 】全従業員対象にSAS検査/ワイエム交通、産業医と連携
【 東京 】「総意」に至らず継続審議に/IP無線導入で都営協理事会
【 東京 】「健康寿命」延ばして事故防止/東個交通共済、高齢化で意識強化
【 東京 】バスレーン走行は従来回答/東京交運労協の要求に東京都
【 横浜 】京浜地区の運転者、60代後半が24%
【 東京 】自交総連は「白タク絶対阻止」/交運共闘が11.12中央行動
【 横浜 】アサヒタク労組の加盟承認/神交運・第60回定期大会
【 前橋 】全自交関東、新委員長に溝上氏
【 横浜 】法人の車両停止7件/関運局・10月の行政処分
 
2015年11月13日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 金沢 】ニーズに応え、もっと「公共交通」に/それぞれの地域の実情に応じた対策を/全タク連事業者大会で藤井・自動車局長
【 金沢 】「白タク阻止」決議受け行動へ/全タク連、事業者「総決起大会」
【 金沢 】役員歴任者8氏に感謝状
【 横浜 】初乗り短縮運賃の模擬実験結果/神タ協、定例役員会に報告へ
【 金沢 】「白タク反対」で声揃える/全タク連懇親会に与野党国会議員ら
【 東京 】交通空白地での個タク活用など/法個運営研で都個協・木村会長
【 東京 】休憩所に巨大ディスプレー/夢交通、映像で周知徹底
 
2015年11月11日号−2 関東・関西版 ニュースヘッドライン
【 金沢 】白タクの対案、遅くとも年度内に/「陥落寸前」「断崖絶壁」の最大危機と富田会長/第55回全タク連・全国事業者大会速報
【 金沢 】白タク理由の減休車回避にクギ/富田会長「安全確保の主張と矛盾」
【 金沢 】白タク行為断固阻止を特別決議/適正化・活性化など8決議採択
 
2015年11月11日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】「絶対反対」堅持して対案示せ/白タク問題で全タク連からヒアリング/自民党タク議連が幹部会合
【 金沢 】きょう第55回全国事業者大会/全タク連、金沢市で開催
【 東京 】観光立国の実現「政治主導で」/政府構想会議で安倍首相
【 東京 】60代後半が法人21%、個人29%/10月末の運転者証等交付状況
【 福岡 】タクシー事業も増収増益/第一交通産業、第2四半期連結決算
【 東京 】10年連続の4社・8事業所表彰/グリーン経営認証
【 東京 】IP移行回線料金は870円/全自無連のデジタル化共済事業
【 東京 】愛知県・次世代研究会と意見交換/東タク協・タッくん活性化特別委
【 東京 】ライドシェア急成長の背景など解説/IT起業家の尾原氏が自著で
<Topへもどる>
 
速さ+確かさ
交通界ファックスプレス(『交通界21』特別サービス号/ 週3回配信)

 

Faxpress 関西版

■ まず網野町に営業所設置へ
    京丹後防衛へ日本城タク、営業区域拡大を申請

【 京都 】日本城タクシー(坂本篤紀社長、本社・大阪市住之江区)は12日、京都運輸支局を通じ近畿運輸局に京都府丹後交通圏(網野町限定)を営業区域とする事業計画変更(営業区域拡大)の認可を申請した。営業所、車庫、休憩施設の住所は、京丹後市網野町網野220ノ1。車両数は2両。
 坂本社長は、10月16日の大タ協理事会で同市などの「ライドシェア特区」申請報告に危機感を覚え、1カ月以内に実際に現地の「交通空白地」を埋める手を打ち、具体的な阻止行動を形にしたことになる。この間、現地に10回近く足を運んでいる。
 京丹後市は網野町を含む3町で構成。中山泰市長は「網野町に進出しても久美浜町、丹後町が依然空白地として残る」と発言していると伝えられ、残り2町についても、近く同じ手法で申請する見通し。

〜坂本社長、養父市にも進出の意向
 坂本氏は、「年内には兵庫県養父市の対策に取りかかる」と抱負を語った。
〔11月14日号関西版掲載〕<Topへもどる>

2015年11月14日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 京都 】まず網野町に営業所設置へ/京丹後防衛へ日本城タク、営業区域拡大を申請
【 大阪 】「預かり休車制度」で意見交換/大タ協、第2回適正化特別委
【 京都 】あす15日に完成記念式典/歩道拡幅の四条通整備
【 大阪 】特定地域での個タク特別枠「困難」/全大個との懇談で公明・樋口議員
【 大阪 】「乗り場の入れ替え」再協議/大阪空港ビル改修に伴う整備会議
【 大阪 】労使産別の枠超え対峙を/「事業存続の危機」と自交大阪
【 大阪 】大運支局、10月の苦情47件/障害者手帳の扱いなど注意
【 神戸 】喫煙乗務員の1カ月入構禁止/兵サセン、事業者代表呼んで通知
【 大阪 】高額チケットの照会、任意に/関協・営業委「各社判断で」
【 和歌山 】過疎地で町民の足守る/串本タクが3社共同でLPGスタンド
【 大阪 】敷島タク、中学生の職場体験に協力
【 大阪 】阪急タク労組が秋闘要求
【 大阪 】ニュー岸交→珊瑚交通、変更届
【 大阪 】近運局、奈良の3社車停
※大運支局監査情報
 
2015年11月14日号−2 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】女性乗務員、88社が受け入れ態勢/大タ協・女性部会、26日には転職フェアでアピール
【 神戸 】兵サセン、夜間街頭指導を巡回式に
【 京都 】キャビック、役員変更届
 
2015年11月13日号 関西版ニュースヘッドライン
【 大阪 】削減目標12%、1622両/大阪市域交通圏の適正車両数公示
【 奈良 】特定地域協、奈良市域は1月開催?
【 神戸 】養父市に陳情書提出へ/兵タ協、白タク対応で連携模索
【 大阪 】泉州交通圏に新規参入/LCCタクシーに事業許可
【 金沢 】「白タク阻止」決議受け行動へ/全タク連、事業者「総決起大会」
【 金沢 】「白タク反対」で声揃える/懇親会に与野党国会議員ら
【 京都 】Uターン、はみ出し禁止など徹底/京都駅八条口の入構規制等説明会
【 大阪 】10月の不法乗り入れ8件/北新地、大タクセン12日間集計
【 大阪 】周辺の違法駐停車等も2点科料へ/大タ協・交通安全委が了承
【 大阪 】白タク問題「業界は消費者指向に」/ワンコイン八尾・大石社長
 
2015年11月11日号−2 関東・関西版ニュースヘッドライン
【 金沢 】白タクの対案、遅くとも年度内に/「陥落寸前」「断崖絶壁」の最大危機と富田会長/第55回全タク連・全国事業者大会速報
【 金沢 】白タク理由の減休車回避にクギ/富田会長「安全確保の主張と矛盾」
【 金沢 】白タク行為断固阻止を特別決議/適正化・活性化など8決議採択
 
2015年11月11日号 関西版ニュースヘッドライン
【 東京 】「交通空白地」速やかに業界の対応を/自民党タク議連、白タク問題で全タク連からヒアリング
【 大阪 】「勝利しないと運輸業なくなる」/京丹後進出宣言の日本城タク・坂本社長
【 大阪 】第2回適正化特別委/大タ協、13日に開催へ
【 大阪 】自治体との第2回意見交換会/大阪府準特合同協議会が26日
【 神戸 】減車抜きでは営収ダウン必至/初乗り短縮で全自交・伊藤委員長
【 神戸 】既存の白タクも「適法」の可能性/全自交大阪・加藤委員長
【 神戸 】白タク阻止で地元業界団体と連携/再任の全自交兵庫・北坂委員長
【 和歌山 】さくらG労組の加盟承認/全自交大阪・定期大会
【 大阪 】インタク認定運転者/19日に第2回研修会
【 京都 】インバウンド対応「FFタクシー」/実証実験へ第1回実行委
【 大阪 】UD研修の受講促進で意見/大タ協・ケア輸送委
【 大阪 】既存運転者登録、順調に/拡大実施の府下各交通圏
【 大阪 】大福協が合同委員会
【 大阪 】「指差しシート」の活用法/13日にタクセン特別講座
【 名古屋 】近傍連が50周年祝賀会
【 大阪 】全日建連帯労組が定期大会
【 訃報 】綿引久美子氏(池田タクシー会長)10月21日死去。75歳
<Topへもどる>
 
 

Copyright(C) 2009 kohtsukai Co.,Ltd All Right Reserved  株式会社 交通界  無断転載禁止