ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2015年10月26日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信

「白タク」まず特区で解禁へ
      全国展開阻止へ、タクシー業界は

 今月20日に開催された政府の国家戦略特別区域諮問会議で安倍晋三首相は「日本を訪れる外国の方々の滞在経験をより便利で快適なものとするため、過疎地等での自家用自動車の活用を拡大する」と宣言し、石破茂・国家戦略特区担当相や同会議民間有識者議員らを激励しつつ、具体化に向けた検討を指示した。すでに交通空白地(過疎地等)での自家用車ライドシェア実現に向けた提案は京都府京丹後市、兵庫県養父市、秋田県仙北市から出されており、今後雪崩を打って同様の提案が相次ぐ可能性は小さくない。政府の規制改革会議は今期の検討課題として自家用車ライドシェアを取り上げることは見送っているものの、シェアリングエコノミー全般については「どのような分野で実現可能か」を検討する方向性を示しており、国家戦略特区での先行事例が「成功だ」と認められれば、全国展開していくことが基本とされている。白タク解禁の全国展開は阻止できるのか、いまタクシー業界にできることは何なのか考えてみる。

国家戦略特区とは何か
 一口に国家戦略特区と言っても、読者の皆さんはもちろん、われわれ記者にとっても必ずしもなじみ深いものではないだろう。7ページの図は、内閣府が作成した国家戦略特別区域法の概要を示したものだ。その趣旨は国際競争力強化、経済活動の拠点形成の観点から、国が定めた特定の地域に限って規制緩和政策を総合的・集中的に実施するもの―とされている。
 国家戦略特区諮問会議はその仕組みの中で司令塔に当たるもので、安倍首相を議長とし、官房長官、国家戦略特区担当相、必要に応じて首相が指名する閣僚が加わっており、さらに民間議員として竹中平蔵・慶応義塾大学教授らが参画している。同諮問会議の議論の結果を踏まえて政府は国家戦略特区基本方針を閣議決定するとともに、具体的な特区を政令に基づいて指定する。
 この部分については「諮問会議及び関係自治体の意見を聴いて、特区を指定するとともに、特区ごとの区域方針を決定する」と説明されている。
 こうして、区域が確定したら次にその区域内で実施すべき規制の特例を盛り込んだ事業計画を作る必要がある。その作業は区域ごとに設置された国家戦略特別区域会議で行うことになっており、同会議のメンバーは国家戦略特区担当相、関係自治体の首長、首相が選定した民間事業者となっており、さらに必要に応じて関係行政機関の長や区域計画に密接な関係を有する者を加えることができるとされている。ここでの議論により合意が形成されれば国家戦略特別区域計画の出来上がりとなり、諮問会議の同意を経て首相が認定する。すべてのプロセスに内閣が直接にかかわっており、仕組み全体が首相官邸主導になっている。

地方都市からの具体的提案
 すでに報道もされ、大きな話題を呼んでいる京都府京丹後市の白タク解禁提案は、国家戦略特区ワーキンググループに提出されたもので、同WGは特区の具体的な制度設計を行うために設置された組織で竹中平蔵氏の盟友、アジア経済研究所所長の八田達夫氏が座長を務める。
 一方、養父市、仙北市の提案はそれぞれ、すでに設置されている区域会議に対して提案されたものだ。例えば、養父市における区域会議の構成メンバーは、石破茂・特区担当相、広瀬栄・養父市長、民間代表として岡本重明・新鮮組代表取締役社長、竹中平蔵氏、八田達夫氏らとなっている。個々の区域会議の構成からすると、そこに提案が出てきた段階で、阻止することはかなり難しいことが窺える。

規制改革会議との連携
 自家用車ライドシェアの解禁について来年6月までの1年間にわたる今期の審議項目として、政府の規制改革会議(議長=岡素之・住友商事相談役)は取り扱わないことを決めた。一方で、シェアリングエコノミーの拡大そのものについては閣議決定された成長戦略に明記されていることから強い意欲を岡議長も表明しており、この1年間に限っては米・Airbnb(エアー・ビー&ビー)をモデルとする「民泊サービス解禁」に集中し、成果をあげることを目標に定めた。
 岡氏は10月5日の会議後会見で国家戦略特区での先行事例による成功体験の積み上げにより、「全国でも規制緩和することが適当との結論が得られることは十分ある」との趣旨で発言しており、民泊サービス解禁はもちろんのこと、シェアリングエコノミーの一環としての白タクサービス解禁についても来年6月の答申以降、再び同会議における議論の対象として取り上げられる可能性は濃厚だ。それまでの間、国家戦略特区で白タク解禁の先行事例を積み上げてくれれば、よりやりやすいとの意図も透けて見える。

国交省の基本スタンス
 白タク解禁に対する国交省の立場はいかなるものか。今年7月2日の参院国交委の質疑で民主党・田城郁氏の質問に答える形で当時の太田昭宏国交相は「旅客の運送につきましては、安全の確保、利用者の保護等を図る観点から、道路運送法において必要な許認可等を定めているところです。こうした安全上の許認可を得ることなくマイカーを用いた旅客運送を行うことは、いわゆる白タクに当たります。安全の確保等が図られないことから、これを認めることは適切ではないと、このように考えています。高い安全性と安心できるサービスこそが日本社会が世界に誇るべき点だと、このように考えています。また、安全、安心の担い手であるドライバーの技術がしっかりと評価され、誇りを持って仕事ができるということもまた大事なことだというふうに思っています。こうした点が損なわれることがないよう、道路運送法の運用等におきましてしっかり対応してまいりたいと考えております」との考えを表明している。
 9月17日の国家戦略特区WGからのヒアリングにおいても国交省は、自家用有償旅客運送の規制緩和を実施してきており、登録手続きの簡素化や、運送対象の拡大などにも取り組んできたことから、自治体に対しては「まずは、自家用有償旅客運送の活用を」とのスタンスを崩していないし、さらに、改正地域公共交通活性化・再生法にも触れて、「まちづくりと一体となった公共交通の再編は可能であり、地域のバス事業者やタクシー事業者がこれに協力できる仕組みは整っている」との立場をとっている。
 もっとも、ヒアリングの引き金になった京丹後市の提案で、同市側への意見聴取が9月11日の1回で終わっているのに対し、国交省へのそれは9月17日、10月2日、同9日、同16日と数次にわたって継続されており、なかなか苦労している様子もうかがえる。

改正地域公共交通活性化・再生法
 国交省が白タク解禁を容認しない背景には自家用有償旅客運送の規制緩和を続け、「相当程度、自治体にとっても使い勝手が良くなっているはず」との思いに加え、「改正地域公共交通活性化・再生法の施行で自治体を主役に地域の交通運輸事業者を生かすことも十分可能な仕組みを用意した」との自負もあるだろう。
同法の目的は「地域の総合行政を担う地方公共団体が先頭に立って、関係者との合意の下で、まちづくり等の地域戦略と一体で持続可能な地域公共交通ネットワーク・サービスを形成すること」などとされており、来年度予算の概算要求では地域公共交通確保維持改善事業として約350億円が計上されている。
 具体的な支援の内容としては、過疎地域等におけるバス、デマンドタクシーの運行なども予定されており、補助金は国から自治体に降りる格好だが、自治体を中心にタクシー事業者も参画できるプランを立案できれば、タクシー事業者にも最終的に補助金が交付される仕組みだ。

業界にできることは何か
 安倍首相の発言で「とにかく白タクはけしからん。絶対阻止だ」ということは現実的にはかなり難しくなってきた。国交省の立場としてはできるだけ既存の制度を有効活用して業界に対案を示してほしいということに尽きるのではないだろうか。
京丹後市や養父市では東京、大阪の大手事業者から「それならその地域に進出してタクシー空白地帯ではない状況を作る」との声も漏れ聞こえてくる。それも一つの方法だが、まずは地元事業者及び隣接自治体に事業所を持つ周辺事業者が自らのアイデアを自治体にプレゼンしなくては始まらない。東京業界で本格化し始めた初乗り距離短縮運賃もそうした白タク防波堤の一つという側面は否定できない。
一方で、対案を示せば必ず白タクを阻止できるという保証もどこにもないが、それでもそこから始めなければどうしようもないところへ追い込まれつつある。特区での白タク解禁には規制の例外事項として現行の国家戦略特区法を改正しなければならず、次期国会がその法案提出目標になっている。通常国会が来年1月召集、会期末が7月として会期中の成立が見込まれるとすると、業界側は年内、遅くとも年度末までには何らかの対案を示せなければなすすべもなく白タク解禁に向かうことは避けられないのではないかと思う。(了)
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No.605 10月26日号 主な内容
■巻頭人物:海谷 厚志氏(国交省交通計画課長)
■気になる数字:1287円/かつての「340円タクシー」、日車営収は原計平均を上回る
■トピックス
 :「白タク」まず特区で解禁へ〜全国展開阻止へ、タクシー業界は
 :「反対決議」だけでは止まらない〜過疎地からの「蟻の一穴」に危機感
 :ウーバーが市幹部に直接提案?〜兵庫県養父市の特区構想
 :「見せる接客」でタクシー認知を〜東京無線・接客コンテスト
 :「適正化」という名の重い十字架〜秋山泰男・大タ協適正化特別委員長
 :奇をてらった取り組みはNO!〜道野隆・大タ協活性化特別委員長
 :個タクは今こそ「都民の足」に〜IP無線システム導入を目指す日個連都営協
 :地域におけるシェア確保の仕組みを〜全大個協会、民主党府連に要請
 :接客も、職場環境も「一番」に〜東洋交通G、2社目のタクシー出発式
■東西往来
 :ひたむきに取り組んでいるか?/「死角」に注意
■この人・この言葉
 :上澤 彰氏、幸田 和雄氏、野 福己氏、信原 智彦氏
■シャッターチャンス
 :白タク解禁で業界向け託宣は? / プラス評価につながる浸透度
 :身近なところにある「過疎地」 / タクシー運転者の適正年齢
■データ
  関運局管内・9月原計輸送事績
速さ+確かさ
交通界ファックスプレス(『交通界21』特別サービス号/ 週3回配信)

 

Faxpress 関東版
 「白タク解禁」めぐって風雲急
   全タク連、正副会長会議を緊急招集
      27日開催、兵庫・秋田両協会幹部も出席

【 東京 】全タク連(富田昌孝会長)は週明けの27日、臨時正副会長会議を招集し、国家戦略特区を活用した白タクサービス解禁の動きが急速に広がりを見せいていることへの対応を協議する。
 国家戦略特区でのライドシェア解禁等の動きは京都府京丹後市、兵庫県養父市、秋田県仙北市で相次いでおり、20日開催の国家戦略特別区域諮問会議で安倍晋三首相が具体化に向けた検討を指示し、このままでは白タク解禁に歯止めがかからない事態が危惧されていた。こうした情勢の急変を受け、全タク連では27日に臨時正副会長会議を招集し、正副会長会議のメンバーではないものの、当該特区提案のあった地域である兵庫県タクシー協会、秋田県ハイヤー協会に対しても会長クラスの幹部の出席を要請、地元の意見も聴くことにした。
 白タク問題は14日の定例正副会長会議でも国交省の藤井直樹・自動車局長を交えて意見交換しているが、その直後に京丹後市に続いて養父、仙北両市の提案が表面化、さらに安倍首相発言があったため、急ぎ対応を協議することとしたようだ。 
〔10月24日号関東版掲載〕  <Topへもどる>

2015年10月24日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】「白タク解禁」めぐって風雲急/全タク連、正副会長会議を緊急招集/27日開催、兵庫・秋田両協会幹部も出席
【 秋田 】会長らが仙北市長と面談/秋田県協会、特区提案の真意質す
【 京都 】全タク連・富田会長の京丹後入りも/京タ協が緊急正副会長会議
【 東京 】自公両党が業界ヒアリングへ/白タク問題、官邸の姿勢に危機感も
【 横浜 】警察庁含め、スタンスは不変/白タク問題で濱・関運局長
【 東京 】ライドシェア含む政策提言/新経連が公明党にプレゼン
【 東京 】ライドシェア「首都圏にも来る」/東京ハイタク交通共済・川村理事長
【 東京 】白タク阻止で共同行動/自交東京、単組ごとに申し入れ
【 横浜 】グリーン経営認証リーダー研修会/横浜で30日、交通エコモ財団
【 青森 】特定地域の指定基準に不備/青森の乗務員8氏が国賠訴訟
【 横浜 】新たに三重地連が発足/全自交労連・定期大会
【 横浜 】「常識と法令違反」テーマに/三和交通Gが新人研修
【 東京 】車両譲渡後の厚年掛金めぐって/社会保険審査会・公開審理
【 横浜 】吉祥リムジン、新規許可
 
2015年10月24日号−2 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】初乗り0.88キロ、370円など/距離短縮、特区・武三での実施例/運賃制度WG初会合、実証実験に向け論点整理
【 東京 】距離短縮で執行部見解表明へ/東タク協、11月2日に常任理事会
【 東京 】個タク乗務員の処分、制度化を/指導員暴行事件受け東タクセン
【 東京 】銀座・甘粕ビル乗り場を廃止
【 横浜 】神タ協川崎支部がモニター委嘱式
【 横浜 】関運局、特区武三で譲渡譲受5件認可
 
2015年10月23日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 横浜 】1キロ近辺で全社なら制度改正に/「単純転嫁」に相当せず、従来の手順で/初乗り短縮運賃で関運局見解
【 横浜 】「その他ハイヤー」のタク転用/関運局管内で8社・37両に
【 横浜 】15地区中13地区が増収/関運局管内・9月の原計輸送実績
【 東京 】白タク解禁「絶対阻止」/交通労連・東ハイ労定期大会
【 東京 】「世界一のタクシー」の姿を/東京無線が接客コンテスト
【 横浜 】接客コンテスト優勝は岡庭さん/チェッカー無線営業委員会
【 東京 】タクシー政策の方向を提起/自交総連が政策委員会報告案
【 東京 】菊池委員長らを再任/東洋交通労組・定期大会
 
2015年10月21日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】安倍首相「ライドシェア特区」に意欲/年明け通常国会に特区法改正案提出へ?/諮問会議で実現に向けた検討指示
【 東京 】国交省が運賃制度WG/座長に太田教授、23日初会合
【 東京 】11月1日付で札幌、大阪、福岡/特定地域「同意」19地域の指定確定
【 長崎 】事業者区分は「50両」に/長崎交通圏特定地域協議会
【 東京 】白タク問題「外部への発信力を」/国際労組・定期大会で茨木委員長
【 横浜 】UD専用乗り場の実証実験/みなと赤十字病院、10月末まで延長
【 東京 】初乗り短縮は多数派形成がカギ/「340円」経験のコンドル・岩田氏
【 東京 】事前試験制度の取扱要領/都個協理事会、改訂版を説明
【 横浜 】五輪関連の緩和策は期間限定で/東京ハイタク労働団体
【 東京 】私鉄東ハイ労、新宿駅で街宣
 
2015年10月17日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】タク事業者による主体性発揮望む/「白タク阻止」へ早急に具体的提案を/全タク連・正副会長会議で藤井・自動車局長が取り組み促す
【 東京 】特区・武三は天候の恩恵/東タク協・8月全社輸送実績
【 東京 】初の来春卒業者の内定式/三和交通、女性含む5人
【 東京 】全自交東京が街宣活動
【 東京 】新規搭載車両の縮小傾向続く/タクシー無線デジタル化状況
【 横浜 】法人の事業停止1件/車停は7件、関運局9月処分
 
2015年10月17日号−2 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】完全自動運転に備え法整備へ/事故時の責任など、課題洗い出し/23日にも初会合、警察庁が有識者会議
【 東京 】規制改革会議、今期は「民泊」に集中/シェアリングエコノミーの審議で結論
【 東京 】天候不順で一時的に需要増/東タク協・9月原計輸送実績
【 東京 】東タク協三多摩支部、優良従業員表彰式
【 東京 】三菱電機が自動運転コンセプトカー
【 東京 】第3回は書面開催、意見締切/特区・武三準特協分科会
【 東京 】白タク阻止へ全労働者の結集を/自交総連・定期大会
【 東京 】日交が「ぐるナビ」に特設ページ/観光ドライバー5氏が情報発信
【 東京 】KPU委員長に京自労・釘本氏
 
2015年10月16日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】民泊に続いて「ライドシェア」?/今期の審議テーマ、月内に確定へ/規制改革会議・岡議長が前向き姿勢
【 東京 】タクシーあっても「ライドシェア」/京都・京丹後市が特区構想
【 東京 】ライドシェア解禁要望広がる/養父(兵庫)、仙北(秋田)両市も
【 長野 】デジタル化へ新たな「受け皿」/全自無連「無線共済事業」創設へ
【 福岡 】第一交通産業、大阪で2社買収
【 東京 】ハイタク部会は「白タク断固拒否」/交運労協・定期総会
【 東京 】白タク反対運動に参加へ/東個労定期大会で青木委員長
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Faxpress 関西版

■ 全タク連・富田会長、京丹後入りも
    白タク問題緊迫、京タ協が緊急の正副会長会議

【 京都 】京都府タクシー協会(安居早苗会長)は23日、緊急の正副会長会議を開き、京丹後市のライドシェア特区問題への対応を協議した。北部地区の川本惠三委員長(京都タクシー社長)、前日に同市役所を訪ねて現状を確認した地元・峰山自動車の矢谷平夫社長(同地区副委員長)も出席し、情報を共有するとともに意見交換した。協議内容は今月27日に開かれる全タク連の臨時正副会長会議で安居会長が報告する。11月初めには安居会長とともに、全タク連の富田昌孝会長も京丹後市を訪れるもようだ。

〜安居氏「安全輸送の担保は行政の責任」
 会議を前に本紙記者の取材に応じた安居会長は、輸送の安全確保と事故時の対応などの面からライドシェアビジネスは容認できないと強調。「一種免許さえあれば、どんな素人でも簡単に旅客輸送ができるような行為を国が容認するとなれば、その後に起きた事故の責任は一体誰が取るのか?ウーバーやリフトは仲介業者ということで、問題が発生しても当事者である個人に押し付けるだけで、責任など取るはずもない」と述べた。さらに、犯罪行為を誘因することや、反社会勢力の資金源になる可能性にも言及。納税や社会保険料負担の義務を果たしているタクシー乗務員と、「アルバイト感覚、小遣い銭稼ぎのような感覚で対価を得る」一般ドライバーとの間の不公平も指摘し「万が一にも道路運送法が改正され、白タクが合法化された場合には、社保や消費税で苦しむタクシー事業者が鞍替えするケースも出てくるのではないか」と訴えた。
 安居氏はさらに、「過疎化にさらされている地域によっては、どうしても一般車両を用いて地域住民の輸送を担わなければいけない部分も出てくるかもしれない。だがそういう場合でも、行政が監督責任を担い、そういった輸送手段を管理する組織体を作る。一歩譲るにしても、これは最低限必要なことだ。大きな問題にならないように責任の所在は当然はっきりしなければならない。こういうことになる以前の問題として、過疎地でも安全輸送が担保できるよう、タクシー事業者に一定の助成を考えるなど、行政として果たすべき役割があるだろう。コストをかけずにできるからと実態も明らかでないようなものに安易に飛びつくなど、もってのほか。まずは安全輸送のノウハウを持つタクシー会社の意向を聞いて、しっかりとメリット、デメリットを精査した上で対策を講じるのが真っ当な行政のあり方、考え方だろう」と断じた。
〔10月24日号関西版掲載〕<Topへもどる>

2015年10月24日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 京都 】全タク連・富田会長、京丹後入りも/白タク問題緊迫、京タ協が緊急の正副会長会議
【 東京 】全タク連、27日に正副会長会議を招集
【 京都 】11月4日の再移設に伴う入構規制/京都駅八条口、業務センターが通達
【 京都 】インバウンドタクシーの認定制度/実証実験の実行委発足へ
【 京都 】全京・小野理事長が委員参加氏
【 横浜 】養父市の特区問題で兵タ協と連携/全自交関西・北坂委員長
【 横浜 】新副委員長に北坂氏/全自交労連・定期大会
【 神戸 】神鉄・北鈴蘭台駅を視察/兵陸部、乗り場協議会を提案
【 大阪 】「府政・市政の転換を」/交通・運輸の未来を語る夕べ
【 神戸 】所属事業者6社呼んで通告/兵サセン、乗務員の喫煙等で処分
【 大阪 】低運賃の努力を怠ったツケ/「ライドシェア」でワンコイン・町野氏
【 神戸 】姫路地区予選会に個人含む15人/兵タ協・接客コンテスト
【 神戸 】地域協では活性化に重点/神戸個人・前野理事長
【 神戸 】山陽タクシー労組・定期大会
【 和歌山 】和タ協、11月24日に優良従業員表彰
【 大阪 】更新研修会に137人
【 京都 】京都の第一3社→20両、東京・日交
【 京都 】周山タクシー、役員変更届
【 大阪 】近運局、法人2社車停
※大運支局監査情報
 
2015年10月23日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 神戸 】ウーバーが市幹部に直接提案か?/養父市の「ライドシェア特区」、兵タ協常任理事会で報告
【 神戸 】「白タク認可ならタクシーも自由に」/兵タ協・信原副会長
【 大阪 】「予約センター」苦戦/インタク実務担当者会議
【 大阪 】「安全、接遇、経営も一番」/東陽G「一番」が出発式
【 大阪 】大阪空港乗り場の改修計画変更/空港会社側の申し入れで再協議
【 京都 】検討の主体は青年部会メンバー/インバウンドタクWGで北川氏
【 大阪 】大無協が解散総会
【 和歌山 】「空白地の掘り起しを」/和歌山第一交通・野社長
【 神戸 】51両中41両を5社に譲渡へ/法人解散の甲南交通
【 京都 】NV200で違法駐車等の啓発活動/市個人、青少年の深夜徘徊防止も
【 大阪 】大タクセン「英語講座・初級編」/きょう開講、ケーブルTVが取材
【 大阪 】府下幹線道路で終日取り締まり
【 大阪 】近運局、バス17社を無事故表彰
 
2015年10月21日号 関西版ニュースヘッドライン
【 大阪 】議論重ね、供給削減の枠組みを/大タ協 秋山・適正化特別委員長
【 大阪 】息の長い事業展開を模索/道野・活性化特別委員長
【 東京 】大阪市域交通圏を特定地域指定/運輸審答申受け11月1日付で
【 大阪 】「交通運輸の未来を考える夕べ」/W選挙へ、23日に反維新決起大会
【 大阪 】全株譲渡で2社脱退/親交会定例会で報告
【 大阪 】ターミナル周辺で重点指導/大タクセンが11月
【 神戸 】悪質駐車取締りの啓発指導/兵サセンなど、日程周知で平穏
【 大阪 】新年から慶弔共済の運用開始/ヤマト交通労組・定期大会
 
2015年10月17日号 関西版ニュースヘッドライン
【 大阪 】「空白地帯」解消の取り組みを/大タ協理事会、「ライドシェア特区」に危機感
【 大阪 】委員長に道野氏、副委員長は浦氏/大タ協、活性化特別委も始動
【 大阪 】吸い殻のポイ捨てなど/関協、処分規程を厳格化
【 大阪 】大運支局、9月の苦情53件
【 京都 】業務センター、マナー問題で通達
【 大阪 】「インタク」専用HP開設/11月中には外国人向けサイトも
【 奈良 】生駒交通、2人代表に
【 大阪 】75歳以上の譲渡、シェア確保など/全大個協会、民主党府連に要望
【 東京 】完全自動運転に備え法整備へ/警察庁が有識者会議
【 京都 】19日に夜間合同街頭指導/四条通「駐停車禁止」を徹底
【 大阪 】近運局、法人2社を車停
 
2015年10月17日号−2 関西版ニュースヘッドライン
【 京都 】仮設乗り場移設でショットガン/京都駅八条口乗り場、平日の11時〜4時
【 京都 】インバウンドタクシーでWG/京タ協、経営委に設置
【 京都 】インバウンド対応等に意欲/天谷・近運局長、京都の団体長と懇談
【 神戸 】神戸地区は過去最高の17社・36人/兵タ協接客コンテスト予選会
【 大阪 】事前試験制度の積極活用を/全大個近畿、正副支部長会議など
【 大阪 】全大個協会がスキルアップ研修会
【 大阪 】「インタク」実務者会議、19日開催
 
2015年10月16日号 関西版ニュースヘッドライン
【 大阪 】適正化特別委員長に秋山氏/坂本氏は担当副会長、大タ協「特別シフト」採用できず
【 大阪 】不法駐停車にも点数制/乗禁地区、乗り入れに続き検討
【 東京 】タクシーあっても「ライドシェア」/対象地域拡大、京丹後市が特区構想
【 奈良 】奈良の特定地域協は越年か?
【 大阪 】北新地、11時以降は「別の顔」
【 大阪 】「一番」運行開始は21日に
【 神戸 】不動産の処理問題決着/枝松理事長「オール兵協」へ
【 大阪 】ハード、ソフト両面に課題/大阪無線「配車アプリ」2カ月半
【 福岡 】ロイヤルG2社を買収/第一交通産業、大阪で877両に
【 京都 】地元紙の先走り報道で釈明/京都市のインバウンド対応タク
【 大阪 】「転職フェア」出展でアンケート/採用条件など、大タ協・女性部会
【 奈良 】新規講習2人受講/奈良県登録センター
【 大阪 】乗務員マニュアルDVD/大タ協、項目ごとに台本練り直し
【 大阪 】近運局、個タク譲渡譲受28件認可
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