ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2015年2月2日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信
限定的な特定地域指定に加え「タクシー自由化特区」が再燃
 迷走するタクシー政策〜規制改革会議の圧力に国交省は…

 さる1月25日に意見募集が締め切られた改正タクシー適正化新法の特定地域指定基準案。本稿締切時点では、意見募集結果の整理や通達の発出には至っていないが、原案に沿った内容で決着するとすれば、特定地域の指定は非常に少ないものとなり、事業適正化に向けた新法効果は極めて限定的なものになりそうだ。
 一方、昨年秋の臨時国会では国家戦略特区法案に盛り込まれなかったこと、衆院解散・総選挙のどさくさに紛れて忘れられつつあった、「優良事業者に対する改正タクシー適正化新法適用除外」を柱とする大阪府・大阪市共同提案による「タクシー自由化特区」構想がよみがえりつつあるようだ。迷走するタクシー政策の最近の動向を確認してみた。

 1月22日、政府の規制改革会議は地域活性化ワーキンググループ(座長=安念潤司・中央大学法科大学院教授)の会合を開き、国土交通省などからのヒアリングを実施した。その時点ではパブリックコメント募集中の特定地域指定基準案の概要について説明され、同会議側の了承も得たとされている。同会議側が特定地域指定基準案に異議を唱えて意見書を公表し、「指定特定地域の対象タクシー台数は全国総数の半数を有意に下回ること」との要求を出したのは昨年6月。6月の規制改革会議へ説明した指定基準の当初案と今回のWGへ説明したパブコメ案の比較が別掲1(略)だ。

「意見書」…
 まさに、意見書の要望に沿うように指定基準案が手直しされていることが歴然としている。実際にパブコメ案そのものの内容で通達が発出されると全国の特定地域は限定的なものとなり、かつ、多くの地域は準特定地域に据え置かれることになるため、事業適正化の更なる進展は望めないし、旧タクシー適正化新法の下で取り組まれた減休車の不公平感解消はまったく進まないだろう。立法の趣旨だった乗務員の労働条件改善は短期的には進まないことになる。

「両輪」のはずが一輪車に?
 その代わりといってはなんだが、国土交通省が強くプッシュしようとしているのが、事業活性化策の一層の推進だ。
 1月28日には自動車局長の私的懇談会との位置づけで、「新しいタクシーのあり方検討会」(座長=山内弘隆・一橋大学大学院教授)が設置され、初会合が開催された。具体的な検討事項としては、@新たなニーズへの対応等、需要の創出・拡大に向けた活性化事業の促進Aタクシーの地域産業としての持続可能性の維持・向上B経済動向等を踏まえた事業経営のあり方C改正タクシー適正化新法の施行状況フォローアップ―を大きな柱として据えている。
 その中でも事業者の関心を集め、論議を呼びそうな課題としては「初乗り距離短縮運賃」や「少量貨物運送=貨客混載」などもあげられている(別掲2=略)。事業適正化の進展が見込めない以上、需給バランスを改善しようとすれば、需要不足を埋める事業活性化=需要創出・拡大が不可欠なのは当然の成り行きながら、旧タクシー適正化新法ではクルマの両輪だった「適正化」と「活性化」は、新法においては早くも「一輪車」と化した観も否定しがたい。そもそも、今後のタクシーのあり方を考えるとき、政策の中心に事業活性化を据えるなら、タクシー適正化新法の改正が必要だったのかとの素朴な疑問は拭えないところだ。

忘れかけていた「自由化特区」が
 そうした環境の中で政府は1月27日、国家戦略特区諮問会議(議長=安倍晋三首相)を開催した。主な議題は「区域計画の認定」「規制改革事項の追加」「地方創生特区の指定」の3つ。タクシー業界が注目せざるを得ないのは2番目の規制改革事項の追加だ。すでに一般紙でも小さく報じられているが、昨秋の臨時国会に提出されながら、衆院解散・総選挙により廃案となった国家戦略特区法改正案に、従前のものに加え、さらなる規制緩和の追加事項を盛り込もうとの方針を決めたのだ。
具体的な規制緩和項目の追加は13項目あり、「議論が概ねまとまりつつあるものまたは各省が前向きに検討中のもの」が3項目、残る10項目については「各省が困難として、議論が続いているもの」に分類されており、後者の方に「特区内優良事業者に対する『タクシー減車法』(需給・運賃規制)の適用除外」が明記されている(これらの項目は今後さらに追加される可能性があることも明記されている)。国家戦略特区諮問会議としては所管省庁が抵抗している項目も含めて法案に盛り込み、いまの通常国会に提出し、成立を図る方針になったということだ。
 安倍首相は会議の議論を受けて、「通常国会の質疑がスタートしたが、わたしはこの国会を『改革断行国会』と位置づけている。この国会に、農業・医療・エネルギー・雇用といった、いわゆる岩盤規制に挑戦する法案を提出していく。この一環として、残念ながら先の国会で廃案となった、国家戦略特区法改正案をさらにパワーアップした上で提出し、成立を期したい。農林水産業や観光業など、特に地方創生に資するものをはじめ、本日提起された改革事項については、関係大臣には実現する方向で対応策を検討していただきたいと思う」と述べている。
 会議終了後の会見で石破茂・国家戦略特区担当相は、所管省庁の抵抗で難航している案件への今後の政府としての対応について問われ、「なぜ、それができないのかという挙証責任は各省にある。そこについて得心のいく説明がされるかどうかということであって、各省ともそれをやる方向でということだから、その規制改革ができないとするならば、どれだけ時代の要請あるいは公の利益、あるいは地方創生に改革しないことが適うのかということはきちんとご説明いただきたいということだ」と述べている。
 改正タクシー適正化新法の運用がいわゆる官邸の意向と言われるものに歪められてきた(と業界では信じられている)という経緯からすると、改革しないことの合理的説明が可能か否かよりも、タクシー自由化特区の今後の行方は政治的判断によるものと思えてくる。特定地域に指定を受けながら、特区の指定も受けて、優良事業者限定で一部自由化ということになれば、当然新法で規制する意味はほぼなくなるだろう。やはり、政府としてのタクシー政策は迷走していると言わざるを得ない。(了)
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No.571 2月2日号 主な内容
■巻頭人物:若狭 勝氏(自民党衆院議員)
■気になる数字:12.4%/新たに公示された適正車両数に対する大阪市域交通圏の供給過剰率
■トピックス
 :「タクシー自由化特区」が再燃〜特定地域指定基準に続く規制改革会議の圧力
 :「東京除外」で注目の大阪市域〜地域指定のスタートラインに立ったものの…
 :<シリーズ> 2015春闘―産別・労組は今 〜交通労連ハイタク部会
 :「オール東京」へ着実に〜東タク協「スマホdeタッくん」バージョンアップ
 :「スマホdeタッくん」ミニフォーラム〜「タクシーとIT、その未来」
 :生き残りをかけて合併を! 〜再編が加速する大阪の個人業界
 :<データ> 準特定地域における適正車両数〜関東&近畿
■東西往来
 :いち早く「ユニバーサルツーリズム」/事故発生「ワースト交差点」は
■この人/この言葉:田城郁氏、青木輝久氏、後藤光男氏、北坂隆生氏
■シャッターチャンス
 :いずれが明で、いずれが暗か… /なりふりに構っている時でない
 :再延長ない消費税率10%に向け/若年層の不足は20年以上前から
■アラカルト
 :内外交差点「京都発! 天下御免の個人タクシーが行く」 嶋田勝一氏A
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 日車営収が01年度超えれば解除
    混乱回避で指定後2年は解除せず
      特定地域の指定基準公示、即日実施

【 東京 】国土交通省は1月30日、改正タクシー適正化新法に基づく「特定地域の指定基準」について関係地方運輸局等に宛てて自動車局長名で通達した。25日まで募集していたパブリックコメント原案に対し、特定地域の指定解除要件について「指定6要件に該当しなくなったとき」に加えて、「指定期間中でも日車営収が2001年度と比較して増加した場合」を明記するとともに、これらの指定解除要件に合致した場合でも「指定からの期間が2年未満の場合を除く」を追加し、指定後まもない期間で再び解除することによって混乱する事態を避ける措置を講じた。その他指定に当たって満たすべき要件について原案からの変更はない。

〜適正車両数クリアで指定対象外確定
 通達では特定地域の指定について、「直近年度末現在のタクシー車両数が適正車両数の上限値を上回っている準特定地域の中から(パブコメ原案通りの)6要件いずれにも該当する営業区域を指定する」とした。これにより27日に各地方運輸局等で公示された新しい適正車両数の上限値と比較して、13年度末現在の実在車両数が下回り、適正車両数の範囲内に収まった準特定地域が指定対象から外れることが確定した。また、原案通り、日車営収が01年度と比較して増加している地域についても自動的に指定の対象から外すこととした。
 これらの前提条件を満たした準特定地域のうち、@実働実車率(実働率×実車率)が01年度と比べ10%以上減少していることA「当該営業区域内の赤字事業者のシェアが2分の1以上である」か「赤字事業者のシェアが3分の1以上で、かつ前年度と比べ同シェアが10ポイント以上増加している」のいずれかを満たすことB人口30万人以上の都市を含む営業区域であることC総実車キロが前年度と比べ5%以上増加していないことD「日車営収または日車実車キロが01年度と比べ10%以上減少していること」「当該営業区域における走行100万キロ当たり法令違反件数の直近5年間の平均値が、同・全国平均値を上回っていること」「当該営業区域における走行100万キロ当たり事故発生件数の直近5年間の平均値が、同・全国平均値を上回っていること」の3つのうち、いずれかを満たすことE当該営業区域における準特定地域協議会の同意があること―を指定要件とした。この6要件についてはパブリックコメントの原案から変更はなかった。
 特定地域の指定期間について通達では、「原則として毎年1月1日を目途に3年を超えない範囲で期間を定めて指定するものとし、指定の延長は原則として1回に限って行うことができる」とされた(原案通り)。
 指定期間中の解除について通達では、原案の「6要件に該当しなくなった場合」を、「日車営収が01年度と比べ増加していない場合+6要件に該当しなくなった場合」に拡大して修正、6つの要件の前提条件を満たさなくなった場合にも指定を解除できることとした。あわせて指定直後に解除になる混乱を回避するため、指定解除要件に「指定からの期間が2年未満の場合を除く」との例外を追加した。特定地域の指定を解除したり、延長を行わない営業区域については「原則として準特定地域として指定する」(原案通り)とした。指定、指定解除は告示により行う(同)。
 このほか、原案への追加事項として「指定に当たっては各年度ごとの旅客自動車運送事業等報告規則に基づく法人事業者の事業実績報告等を用いるものとし、地方運輸局は、毎年度の営業区域ごとの数値を原則として7月30日までにとりまとめ、本省に報告するものとする」と定められた。本通達は1月30日、即日施行。
〔1月31日号関東版掲載〕  <Topへもどる>

2015年1月31日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】日車営収が01年度超えれば解除/混乱回避で指定後2年は解除せず/特定地域の指定基準公示、即日実施
【 東京 】LPG2月CP、久々の上げは小幅
【 東京 】「人材確保」「経営」のWG/国交省「新しいタク検討会」
【 横浜 】UDタクで「工場夜景ツアー」/川崎タクシー、実績評価の市が支援
【 東京 】距離短縮運賃「必ず浮上」/東タク協・武居副会長
【 東京 】櫛引会長「労務管理が最大の仕事」/労政研が新年賀詞交歓会
【 横浜 】関運局、個タク法令試験3月16日に
【 東京 】「マスターズ制度は屋上屋」/東個労・青木会長
【 東京 】日交労赤羽支部が新年旗開き
【 横浜 】ドライバーの眠気を検知/富士通が安全運転支援システム
 
2015年1月30日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】「タクシー自由化特区」再燃/国家戦略特区法案に追加提案/政府諮問会議が決定、今国会で成立図る
【 横浜 】管内準特地域への参入・増車「不可」/関運局、29地域の需要状況判断
【 東京 】選択配車、英語版など機能強化/「スマホdeタッくん」記者発表会
【 東京 】遠方への観光需要等に対応/観光ルート別運賃制度見直しへ
【 東京 】タクセン指導員への暴言で除名/日個連都営協・理事会決定
【 東京 】2月10日に合同委員会/事故防止で東タク協&交通共済
【 東京 】「規制緩和万能」の風潮に警鐘/タク懇新年会で京大・藤井教授
【 静岡 】特定地域指定基準案に反対決議/全自交労連「法律趣旨を愚弄」
【 東京 】後継の「NV200」に期待/ダッ研が新年賀詞交歓会
 
2015年1月28日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 横浜 】特区・武三の供給過剰3.8%に/多摩3交通圏と神奈川県央は「適正」範囲/関運局、管内準特地域の適正車両数公表
【 東京 】ミニトークショーも開催/「スマホdeタッくん」きょう記者発表
【 東京 】特定地域「一定の指定期間」保証を/全タク連、指定基準案パブコメに意見
【 東京 】「運営協議会で対応」の原則確認/自家用有償運送の権限移譲で全福協
【 東京 】権限移譲で国交省がパブコメ募集
【 東京 】労災多発で対応強化求める/労働局の要請受け東タク協
【 東京 】「東京外し」前提の指定基準/自交総連中央委で批判
【 静岡 】「タクシー事業法」に向け努力/全自交労連・中央委
【 東京 】早くも12件・770両申請/交通共済協組のドラレコ助成
【 東京 】高幡不動尊に安全祈願/東個交通共済協組
【 東京 】連絡会議を「共闘会議」に格上げ/自交東京加盟の日の丸2労組
【 東京 】高幡不動尊に安全祈願/東個交通共済協組
【 東京 】連絡会議を「共闘会議」に格上げ/自交東京加盟の日の丸2労組
【 東京 】11グループが増加/12月の都内無線配車回数
【 東京 】「都営協側の考え聞くしか」/理事候補選出で都個協・木村会長
【 東京 】労働側の意見、しっかり発信を/日交労旗開きで伊藤委員長
 
2015年1月24日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】総需要減退で必要車両数も縮小か?/リーマンショック、震災含む「直近5年」/国交省、準特地域の需給動向算定見直し
【 東京 】パブリックコメントに賛否
【 東京 】改正新法のフォローアップなど/国交省が新検討会、28日に初会合
【 横浜 】都個協の内紛「早期解決願う」/関運局定例会見で奈良部長
【 東京 】川崎駅のUDタク乗り場設置/川崎市にバリアフリー功労の大臣表彰
【 東京 】マスター参加の理事資格要件/都営協、都個協総会で削除要求へ
【 東京 】「賃金水準」欠落に異議/交通労連ハイタク・五十嵐部会長
【 東京 】福祉限定輸送の問題改善へ/初の全国会議に関係者参集
【 東京 】共同で外国人旅客接遇研修/平和自交とアサヒ交通
【 東京 】中労協・中労研が新年賀詞交歓会
 
2015年1月23日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 横浜 】関運局、準特地域の適正車両数を再計算/「直近5年間の実績値」で変動必至?/2月24日開催の東京4協議会に報告
【 横浜 】実質増収は15地区中6地区のみ/関運局・12月の管内原計輸送実績
【 東京 】前方注視、後方確認を徹底/交通共済15年度「事故防止対策要綱」
【 東京 】接客コンテスト準本選会/都個協、2月24日に開催
【 福岡 】認知症サポーター養成講座/第一交通産業、120人超が参加
【 東京 】都内主要乗り場で街頭活動/ハイタク労働団体、全自交東京地連
【 横浜 】2種免許取得の「指定教習所」に/飛鳥交通ドライビングカレッジ川崎
 
2015年1月21日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】多摩地区拡大へ初の現地説明会/新年度も継続の助成金制度も追い風に/東タク協「スマホdeタッくん」
【 東京 】新卒含む20代女性が複数人/昭栄自動車「固定給」に応募
【 東京 】高裁での審決取消は10%未満/公取委、過去130件の訴訟例
【 東京 】高齢運転者対策を強化へ/認知検査など道交法改正案
【 横浜 】指定基準案「需要反映しない数値」/三和交通・吉川社長が意見提出
【 東京 】6社24事業所を永年表彰/昨年12月のグリーン経営認証
【 東京 】臨時総会は2月中旬以降に/都個協、理事補選に時間
【 東京 】都営協・中島氏、タクセン理事辞任
【 東京 】菊池委員長「地域協で声を」/東洋交通労組が新年会
【 東京 】国交省人事(16日付)
【 横浜 】108条通報で文書警告29件/関運局、昨年12月の行政処分
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■ 旧法下での不公平感払拭が大前提
     大タ協 牛島・経営委員長、特定地域協での減車論議

【 大阪 】大阪タクシー協会の牛島憲人・経営委員長(松竹タクシー社長)は1月29日、特定地域に指定される見通しとなった大阪市域の供給輸送力削減について、旧法下での自主減車実績を勘案したものでなければ協調は難しく、不公平感の払しょくが大前提になるとの認識を示した。また、「次の減車は中小にとって身を削るものになる」と指摘。「遊休車両」の見方についても、「乗務員の勤務形態は幅が広く、一筋縄でいかない」と、合意形成の難しさに触れた。
 本紙記者の取材に牛島氏は、特定地域の指定基準案について「大タ協の意見に準ずる」とし、「いままで使ったことがない」実働実車率を指標に用いることなどに疑義を示した。
 実在車両数が新たに示された適正車両数の上限を上回り、特定地域の指定基準が定まれば、6要件に照らして適否が判断されることになるが、「6つの要件のうち5つまでは行政が判断してくるわけで、準特定地域協議会の合意についても、開催の予定もない段階で、何とも言えない」とした。ただ、減車が求められるとすれば、旧法下での実績を含めたものでなければ協調は困難で、不公平感の払しょくが大前提だと釘を刺した。
 減車の効果については、実働1車当たりの売上が上がる可能性はあるものの、全体として利用客が増える方策ではないとしながらも、「遊休車両の経費削減にはなるという効果でカンフル剤としての意味はあるだろう」とした。自社には減車用の遊休車両は1両もないとした上で、「現状ホコリを被って動いていない車両も一度事故が発生すれば代車として動く。乗務員が足りないことで片勤になっていたとしても、通し勤務が1車持ちになり働きやすくなる。これを減車して通し勤務で詰め込むと働きやすさが制限され、中小の乗務員にとって致命的なダメージになってくる。乗務員の勤務形態は幅が広く、一筋縄では語れないものがある」と述べた。
 供給輸送力の削減に関する改正適正化新法の枠組みは、大手、中小、個人というカテゴリー別の設定も想定しており、必ずしも「一律減車」ではない。また、旧法以降の自主減休車の実績を勘案、協議会の判断で旧法施行日以前に遡って減車実績に含めることもガイドラインに謳われている。ただ、あくまで協議会での協議・判断であり、「通達であって法律ではないから、保証の限りではなく、裁判に耐え得る規定か」という見方もある。

〜「集中審議のテーマ」指示はまだ
 一方、前回の理事会では三野文男会長が、運賃改定に向けた環境整備を念頭に、普通車一本化前の小型の経過措置や遠割問題など、テーマを絞って集中審議を行いたいとの意向を示したが、現段階では具体的な指示は受けていないとし、テーマ設定やスケジュールは五役会などで決定されるだろうとの見通しを述べた。
〔1月31日号関西版掲載〕<Topへもどる>

2015年1月31日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】旧法下での不公平感払拭が大前提/大タ協 牛島・経営委員長、特定地域協での減車論議
【 神戸 】早や「15%減車」が独り歩き/神戸市域、中小に動揺広がる
【 東京 】指定後2年は解除せず/国交省、特定地域の指定基準通達
【 京都 】普通車一本化が主流に/京タ協が経営懇談会
【 京都 】30両を比叡山観光タクに/廃業の明星自動車が譲渡申請
【 大津 】大津は月額2万円余の賃金上昇/滋タ協、13年8月運改後の改善状況
【 神戸 】飛んでしまった「事業法案」の思想/行政、司法に全自交関西・北坂氏
【 静岡 】春闘方針、財政健全化提案を承認/全自交労連・中央委員会
【 大阪 】一般社団定款案などを検討/大無協・総務委員会
【 大阪 】発足記念式典3月10日に変更/大タ協・女性部会
【 大阪 】オービーシー、河北営業所移転へ
【 大阪 】大阪第一交通が増車
【 大阪 】近運局、3社を車停処分
 
2015年1月30日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】大阪市域の過剰車両、1678両/準特地域の適正車両数、京都市域が「上限」クリア
【 大阪 】大阪市域、実働率は72.9%/大タ協・14年12月の輸送実績
【 京都 】パブコメ「意見」の精査に時間/特定地域の指定基準で阿部・自交部長
【 大阪 】2月中旬までにデジタル化/交友会協組、無線搭載の全車両
【 京都 】運賃問題中心に意見交換/京タ協、きょう経営懇談会
【 大阪 】一律の強制減車政策を批判/壽タクシー・浦木山社長
【 大阪 】「60歳以下」で候補者抽出/大タ協、「青年部会」も年度内に
【 大阪 】「ゆりかごタクシー」の功績称え/近運局、滋タ協に感謝状贈呈へ
【 大阪 】大協、次期無線システム検討委/メーカー3社招いて開催
【 大阪 】譲受有資格者のリスト化を/「事前試験」で阪南個人・原会長
【 大阪 】北新地合同街頭指導で新たな連携/午後11時以降に課題も
【 大阪 】全大個協組、ヘイローアプリ説明会
 
2015年1月28日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】団結の真価問われる局面へ/大タ協、需給調整と運賃改定にどう対処
【 大阪 】準特地域の適正化措置で公示/需給算定等の本省通達受け近運局
【 神戸 】「人口30万人以上」に疑義/兵タ協、特定地域指定で「意見」
【 京都 】利用者利便から見直し求める/神宮道等の整備で京都個人7団体
【 大阪 】杭全個タク組合が発足記念式典/大阪の個人組織、再編活発化
【 兵庫 】全自交兵庫地連が事務所移転
【 大阪 】正副部会長に小野、押田の両氏/大タ協・女性部会、3月6日発足へ
【 大阪 】交差点での事故防止など/富士交通が安全講習会
【 大阪 】ハイタク対象に3月3日/近運局が安マネシンポジウム
【 大阪 】大阪労連が賃上げ求め「総行動」
 
2015年1月24日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】大阪駅南口乗り場2月28日廃止/西口乗り場、「降車場」ないまま仮運用へ
【 大阪 】変わらぬ「JR手法」に憤り
【 大阪 】「障害者差別解消法」踏まえて/大タ協、連名の要望書で調整
【 大阪 】乗務員マニュアルを映像化/大タ協検討委が初会合
【 神戸 】振り込め詐欺などの防止に協力/兵タ協、全車両に啓発シート
【 神戸 】災害時輸送の連絡体制確立へ/兵タ協神戸・阪神間支部
【 大阪 】「運賃は固定、公定幅は距離に」/大タ協・坂本理事「新5・5運賃」
【 大阪 】大阪駅乗り場移転問題対策協メンバー
【 東京 】準特地域の必要車両数、縮小か?/輸送需要量算定「直近5年間」で
【 京都 】塚本新二氏「お別れの会」2月11日
【 大津 】春闘統一要求などを確認/私鉄関西ハイタク協・討論集会
【 大阪 】2月10日に春闘研修会/交通労連関西地総
【 大阪 】IPとパソコンを一元管理/アイコムがNW機器の新バージョン
【 大阪 】梅田交通→淀川交通、譲渡申請取下
【 大阪 】近運局、法人1社文書警告
※大運支局監査情報
 
2015年1月23日号 関西版ニュースヘッドライン
【 大阪 】大阪の個人、3分の1が消失/全大個協会が「規制緩和以降の推移」
【 大阪 】実働実車率は「実働率×実車率」/全自交関西地連に近運局回答
【 神戸 】特定地域の早期解除に懸念も/兵タ協、指定基準案に意見提出へ
【 大阪 】大タ協は原案通りの意見提出
【 京都 】京タ協は集約不能で見送りか?
【 大阪 】経営判断に委ねた方が/受給調整めぐって事業者「意見」
【 大阪 】エムケイGの本訴、次回は3月19日/大阪地裁の公定幅運賃訴訟
【 大阪 】意見集約前に注文相次ぐ/大阪空港の乗り場改修計画
【 神戸 】春闘統一要求と現場のかい離/私鉄関西ハイタク労連・討論集会
【 大阪 】実務担当者研修会と新年会/大阪交通共済、藤原理事長が講演
【 大阪 】ナニワ交通、整備工場4月に稼働/3年計画で外注による利益体制
 
2015年1月21日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】準特協の「同意」要件削除など/大タ協、特定地域指定基準案に意見提出へ
【 大阪 】専門店リニューアルで運用再開へ/ノースゲートビルのエコ乗り場
【 大阪 】「インタク」2月にもプレ運行
【 大阪 】関協、悪質違反には厳しく対処/山根サービス向上・賞罰委員長
【 神戸 】待機中の喫煙に処分新設/兵サセン、5月末にも適用開始
【 京都 】神宮道等の再整備に問題/京都市個人・嶋田理事長
【 大阪 】運転者証新規甲府、12月は47件/神戸・阪神間
【 神戸 】神戸個人、常任理事に湯口氏
【 大阪 】「杭全個人タクシー組合」発足/西淀・城西が合併、25日に式典
【 大阪 】長期欠勤者への見舞金/ヤマト交通労組が制度化
【 京都 】第6回「京都知ったかぶり講座」
【 京都 】記念の講習会と名刺交換会/5周年迎える渉外担当者連絡会
【 大阪 】2月13日に指導者講習会
【 大阪 】グリーン経営講習会、2月27日開催
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