ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2009年8月11日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信

供給過剰解消への決意滲む
  適正化新法10月施行へ〜見えてきた進路
   
国交省が特定地域における「基本方針案」

本紙『ファックスプレス』8月5日号で報じた通り、国土交通省は1日から「特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(タクシー適正化新法)」の施行規則(省令)と、同法4条1項に基づく、「特定地域における基本方針」の案をそれぞれまとめ、パブリックコメントの募集を開始した。前者が法律の中で行政に権限等を委任した内容について明らかにする一方で、後者においては交通政策審議会答申で触れられた、供給過剰進行地域で関係者一体となった取り組みの中で「何をなすべきなのか?」を国の方針として示したものだ。本稿では、後者について詳しく紹介する。地域協議会については「素人に掻き回されて何も決まらないさ」とタカを括る向きも業界内には少なくなかったが、基本方針によって一定のタガが嵌められており、そういうことにはなりそうもないように感じる。減車を含む供給過剰の解消に向けた国の意気込みも強く滲む。ある前提の下に議論が進むことが次第に明瞭になりつつある…。

 今月1日に国土交通省がパブリックコメントにより意見募集を開始した「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する基本方針」は、タクシー適正化新法4条において「国土交通大臣は、特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化に関する基本方針を定めるものとする」と規定されている。同条2項では「基本方針は次に掲げる事項について定めるものとする」とされ、具体的には第4条2項1〜4号において、▽タクシー事業の適正化・活性化の意義及び目標に関する事項▽適正化新法9条1項に規定する地域計画の作成に関する基本的な事項▽特定事業その他の第9条1項に規定する地域計画に定める事業に関する基本的な事項▽その他タクシー事業の適正化・活性化の推進に関する基本的な事項―となっている。

地域公共交通としての機能を発揮できるよう
 具体的にこの条文に沿って、今回公表された国交省の基本方針案の概要について見てみると、第4条2項1号に定める基本方針の「意義」および「目標」について、▽タクシーは鉄道・バス等と共に我が国の地域公共交通を形成している重要な公共交通機関である▽しかしタクシー事業を巡っては、長期的な需要の低迷や車両数の増加などの影響により、地域によっては収益基盤の悪化や運転者の労働条件の悪化等の問題が発生し、タクシーが地域公共交通としての機能を十分に発揮することが困難な状況になっている▽地域社会におけるタクシーの役割の重要性に鑑みれば、問題の発生している地域において、関係者が連携協力を図りつつ、タクシーが地域公共交通としての機能を十分に発揮できるようにするための取り組みを推進することは、極めて大きな意義がある―と説き、またその意義を達成するための目標として「特定地域において生じている以下の諸問題の解決を図り、各地域においてタクシーが地域公共交通としての機能を十分に発揮できるようにしていくことを目標とする」と強調。解決すべき具体的な問題点を、@タクシー事業の収益基盤の悪化Aタクシー運転者の労働条件の悪化B違法・不適切な事業運営の横行C道路混雑等の交通問題、環境問題、都市問題D利用者サービスが不十分―の5つとした。

供給過剰に強い問題意識
 大臣が定める基本方針の意義・目標について、交政審答申と比較してみると、同答申では供給過剰地域における対策の「基本的な考え方」の項において「新たな供給がなされることは、それが利用者のニーズに合致したサービスを提供し、新たな需要の開拓等に繋がるものであれば、利用者のみならず地域のタクシー事業全体にとって望ましい。しかし、新たな供給がそうした効果を生じることなく、単に供給を増やすだけのものであれば、いわゆる供給過剰を生じさせ、様々な問題の深刻化を招く要因となる」「このような供給過剰は、タクシー事業の収益基盤の悪化、タクシー運転者の労働条件の悪化、違法・不適切な事業運営の横行、道路混雑等の交通問題、環境問題、都市問題、さらには過度な運賃競争やそれらを通じた安全性やサービスの低下の懸念などタクシーを巡る様々な問題の背景に存在する根本的な問題であり、供給過剰が進行することにより、こうした諸問題の深刻化を招き…」とされていることに符合する。
 次に適正化新法4条2項2号では「地域計画の基本的な事項について定める」となっている。今回の基本方針案では地域協議会の設置と、そこで定める地域の総意としての地域計画についてどのように構成し、何を議論し、何を決めるべきなのかを明らかにする。

適正化・活性化推進の中心的役割担う地域協議会
 基本方針案では、まず地域協議会の根本について、▽協議会は、地域計画の策定主体となるものであり、計画実施に係る関係者間の連絡調整を行うなど、特定地域におけるタクシー事業の適正化・活性化を推進する上での中心的な役割を担うもの▽地域の多様な関係者が積極的に協議会に参画し、共有の認識の下、タクシー事業の適正化・活性化に関する取り組みを総合的かつ一体的に取り組んでいくことが期待される―と位置付けた。
 具体的な協議会の構成についても基本方針案では、▽地方運輸局長、関係地方公共団体の長(都道府県知事、市町村長など)、タクシー事業者・団体、運転者の団体、地域住民のほか、必要に応じて他の公共交通事業者、地元企業、学識経験者等を構成員に含めることが望ましい▽また、協議事項に関係する関係行政機関(都道府県労働局または労働基準監督署、都道府県公安委員会等)の参画を得ることも重要―とし、メンバーの必要条件、十分条件を明らかにする。このほか、協議会の意思決定方法等については透明性・実効性の観点から「規約を定めることが望ましい」とし、また国会答弁にもあった通り「地域公共交通活性化・再生法に基づく協議会等と合同で開催することも考えられる」などとし、協議会運営の効率化の観点から設置根拠法令等の異なる複数協議会の実質的な統合も許容する方針を示している。

地域計画は「適正車両数」重視
 また、地域計画そのものについて基本方針の中では、基本的な考え方として、▽地域計画は、特定地域における地域公共交通としてのタクシーのあり方に関する基本的な方向性を示し、タクシー事業の適正化・活性化に向けた地域の総合的な取り組みを定めるもの▽地域計画の策定に当たっては、協議会において地域の輸送ニーズやタクシー事業の実情を十分把握し、それらに的確に対応した取り組みを進めることが必要▽この際、特定地域においては供給過剰の進行や過度な運賃競争により地域公共交通としてのタクシーの機能が低下していることに留意し地域の実情に応じて、供給過剰の解消や過度な運賃競争の回避、運転者の労働条件の改善・向上、タクシー車両による交通問題の解消のための対策について定めることが求められる―と提示。
 その地域計画に具体的に記載されるべき事項についての留意事項として、▽協議会における関係者間の共通認識形成に資するものとして、地域におけるタクシーの位置付け・役割、タクシー事業を巡る現状の分析・取り組みの方向性等について、可能な限り具体的に記載▽タクシー事業を巡る現状分析・取り組みの方向性を定める際には地方運輸局長が提示する当該地域において適正と考えられる車両数を適切に斟酌することが重要―との前提を示した。

地域全体の総意として解決を
 その上で基本方針案では、地域計画に具体的に記載すべき目標として「次の事項を参考にして設定する」とし、@タクシーサービスの活性化A事業経営の活性化、効率化Bタクシー運転者の労働条件の悪化の防止、改善・向上Cタクシー事業の構造的要因への対応D交通問題、環境問題、都市問題の改善E供給抑制F過度な運賃競争への対策―の7項目を挙げた。これらは供給過剰によって引き起こされた諸問題について、特定地域が地域全体の総意として解決すべき事柄の具体的目標を地域計画に書き込むよう求めたものといえ、当該地域の個別事業者が単独または複数によって特定事業を通じて達成すべきものであると位置付けられる。
 その特定事業は、地域計画に定めるべきその他の事業と合わせて、適正化新法4条2項3号によって、基本方針に盛り込まれることとなっているが、今回の基本方針案によれば「地域計画には、法令に違反せず、適正化新法及び本方針に定める事項に逸脱しないものであれば、タクシー事業の適正化・活性化に資するあらゆる事業について定めることが可能」とした上で、特定事業などを通じて達成すべき、地域計画に定めた目標実現のための事業は、@輸送需要に対応した合理的な運営A法令の遵守の確保B運送サービスの質の向上C輸送需要の開拓―といった観点に基づくものであることを求めている。
 いずれにしろ、今回の基本方針案では交政審答申で指摘された「供給過剰はタクシーを巡る諸問題の背景要因」という考え方を全面的に肯定、踏襲した上で「供給過剰は解消されるべきもの」との国交省の意向が強く滲む。

需給バランス回復へ供給力削減に力点
 適正化新法4条2項4号には「その他タクシー事業の適正化・活性化の推進に関する基本的な事項」を基本方針に記載することが定められているが、今回の基本方針案の中でも「事業再構築」を取り上げ、▽事業再構築は、地域計画に位置付けられた特定事業の実施と相俟ってタクシー事業の適正化・活性化の推進に資するものであり、特定事業の効果を高めるのに有効であると判断される場合には、積極的に事業再構築に取り組むことが望ましい▽地域におけるタクシー事業の需給バランスを改善するためには需要の減少に歯止めをかけるだけでなく供給輸送力を減少させることも必要であり、適正な競争や利用者利益が確保されることを前提として、自主的かつ協調的な減車や休車を推進することが期待される▽減車等の事業再構築はタクシー事業者の組織再編等を伴うこともあり、その実施に当たっては、タクシー運転者の地位を不当に害することやその労働条件を不当に変更することのないよう留意することが必要―と盛り込み、国として需給バランス回復に向けた有効な手立てとして供給輸送力の削減にかつてなく重きを置いていることを示している。
 そのことは基本方針案の中で事業者・団体や地方公共団体の役割として「積極的な協議会参加」を促すなどに止まっている一方で、国の果たすべき役割の中で「タクシー事業の適正化・活性化に関する取り組みに必要な情報提供等に努めることとし、特に地方運輸局長は特定地域において適正と考えられる車両数を算出し、協議会に提示する」と強調。同時に、「国は効率的かつ効果的な監査を実施するなど事後チェックの強化を図ると共に、特定地域における安易な供給拡大を抑制するよう、関係する許認可について処分基準・審査の厳格化を図る」ことも合わせて盛り込んでいる。

まだ「減車などできっこない」と?
 こうして見てみると国土交通大臣が定める基本方針の中で、交政審答申の趣旨を漏れなく取り込み、その目標達成のためタクシー事業の適正化・活性化に向けた取り組みを様々に示している。しかしながら地方運輸局長による地域ごとの適正車両数提示のように、実質的な数値目標とも受け止められる事項はほかに見当たらない。
 事後チェックのさらなる強化方針と合わせ、これをして「減車などできっこない」とは到底言えそうもない。そんな感想を抱いた次第なのだが、読者の皆さんはいかがお感じになるだろう。
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No316. 8月10・17日合併号 ニュースヘッドライン
■巻頭人物 : 三浦宏喜氏/全タク連・経営委員長
■気になる数字 :2〜30円/12都道府県が求められた21年度最賃引き上げ額の目安
■トピックス 供給過剰解消への決意滲む/適正化新法10月施行〜見えてきた進路
         : 21回目のタクシーの日/東旅協は「防犯情報システム」稼動
         :福祉、エコ貢献もPR/大タ協「タクシーの日」でチケット寄贈
         :改善の兆し見えた入構問題/枚方市駅〜レーン規制から1カ月
         :新規参入抑制問題への対処は/全個協・木村会長に聞く
■シャッターチャンス :ねじり鉢巻で宿題に追われる?
               : まず「政策の誤り」を認めよ!
               : 関心高まる低燃費車の弱点
               :29社がいつの間にか20社に!
■この人この言葉 :村澤儀雄氏、金澤悟氏、塚本新二氏、梅木健一氏
■東西往来 :NASVAにライバル!
        : 行列のできるタクシー乗り場に期待
■その他<新関西ハイタク裏面史>連載開始にあたって
      <大阪タクシー産業盛衰記> 増田和幸氏に聞く
      
Faxpress 関東版

期間は「3年を超えない範囲」
   都市部以外は首長の要請が必須条件
     国交省が特定地域の指定要件

【 東京 】国土交通省は8日、10月からの施行が予定されている特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(タクシー適正化新法)に定める「特定地域の指定基準」の原案をとりまとめ、即日パブリックコメントの募集を開始した。自動車交通局旅客課で9月6日まで意見を受け付ける。現行法における特別監視地域の指定要件に定める「平成13年度比で実働日車実車キロまたは同日車営収が減少していること」を踏襲しつつ、事故件数、法令違反などの要件を追加し、当該営業区域に人口10万人以上の都市を含む場合と、人口5万人以上の都市を含む場合で差異を設け、都市部の方がやや指定されやすい傾向のものとした。特定地域の指定期間は「3年を超えない範囲」とする。
 国交省の示した特定地域の指定基準では、まず人口10万人以上の都市を含む営業区域について、@日車実車キロまたは日車営収が平成13年度と比較して減少していることA前5年間の事故件数が毎年度増加していることB前5年間の法令違反の件数が毎年度増加していること―の3要件のうち、1つを満たしていることとした。
 人口10万人以上の都市を含まない営業区域については、@人口5万人以上の都市を含むことA次の3要件のうち1つを満たすこと▽日車営収または日車実車キロが平成13年度と比較して10%以上下回っていること▽前5年間の事故件数が毎年度増加していること▽前5年間の法令違反の件数が毎年度増加していることB当該営業区域を含む市町村長または都道府県知事から、国土交通大臣に対して特定地域への指定要請があること―の3要件すべて満たすこととされた。したがって、人口10万人以上の都市を含まない地域については「自治体の首長の指定要請」が必須要件となる。特定地域の指定期間については「3年を超えない範囲」とされ、従来の特別監視地域、特定特別監視地域の「原則3年間」との違いを見せている。
〔8月8日関東版掲載〕  <バックナンバー一覧へもどる>
2009年8月8日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】期間は「3年を超えない範囲」/都市部以外は首長の要請が必須条件/国交省が特定地域の指定要件
【 札幌 】新法施行前の増車等で疑義質す/札ハ協、北運局に文書回答求める
【 東京 】「ナスバネット」に430社超/NASVA、22年度中に全支所で
【 東京 】個タクの安マネは自己管理の徹底/日個連交通共済・太田理事長
【 水戸 】公共交通巡り筑波大で意見交換/東旅協・三多摩支部青年部
【 東京 】事故件数が5分の1以下に/ライオン交通、安マネキックオフ
【 訃報 】松下 ハツヨさん(まつした・はつよ=拝島交通・松下克矩社長の母)88歳。
※東京の増減車情報
2009年8月7日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】悪貨が退出するマーケットに/「利害関係者」広く見て判断/桝野・自交局長が本紙に抱負
【 東京 】運賃制度研究会「最終報告」/国交省が確定番公表
【 東京 】「タッくん防犯情報システム」/東旅協「タクの日」に警視庁と協定
【 東京 】全タク連も寄付金贈呈/タクシーの日
【 東京 】集中基地局の移転計画書提出/関無協東京支部、今月中に説明会
【 東京 】タク新規は4件・6事業所/7月のグリーン経営認証
【 東京 】新設「マル優乗り場」スタート/新宿・東京両駅、まずは順調に
【 東京 】地域協議会に積極参画を/全自交東京・日部委員長
【 東京 】アルコール検知器の準備を/東海電子が義務化でセミナー
 
2009年8月5日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】地域計画は「適正車両数」重視/経営合理化に向け「休車」規定/新法の関連省令・基本方針でパブコメ募集
【 東京 】新法施行に向けて毎週開催/東旅協・サービス改善対策委
【 東京 】減車問題、労組も血を流す覚悟が/東旅協・武居労務委員長
【 東京 】六本木、上野で特別街頭指導
【 東京 】東京23区は68.3円/7月のオートガス価格
【 東京 】全国各地でイベント展開/きょう「タクシーの日」
【 東京 】本部HPのリニューアルから/チェッカー広報特別委
【 東京 】国交省人事(1日付)
 
2009年8月1日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】略奪的運賃は収支償っても却下/最終報告経てGL策定へ/国交省「運賃制度研究会」最終報告
【 横浜 】再聴取せず規定に照らして判断/国際自動車の取消巡り関運局
【 横浜 】効果出なければ監査・処分強化/関運局定例会見、違法駐停車問題で
【 横浜 】公共交通機関のNW活性化など/神谷・新関運局長が「4つの柱」
【 東京 】自動認可枠圧縮の影響も懸念/全個協関東支部・役員研修会
【 東京 】東旅協・ケア輸送委開く
【 東京 】LPG8月CP、値下がりは小幅に
【 横浜 】11月22日実施を通知/関運局、個タクの新規試験等
 
2009年7月31日号 関東版 ニュースヘッドライン
【東京】福祉有償運送の区域外営業に途/運送者は運輸支局に報告義務/国交省が特例容認の事例通達
【札幌】国側に追加反論求める/エムケイ訴訟で札幌地裁
【東京】きょう第5回運賃制度研究会
【東京】個タク急増で是正措置要望へ/東旅協・多摩地区委員会
【東京】「参入制度堅持」を決議/日個連事業協組・総代会
【東京】安マネ調査、今秋実施へ準備着々/NASVA、要員選抜終え講習中
【東京】藤本会長を再任/チェッカークラブ社長会
【東京】アークヒルズ・成田空港間30分/ヘリ+ハイヤー輸送開始へ
【東京】参加車両が約8000両に/多摩地区「こどもを守るNW」
【東京】マル優乗り場に積極入構を/日個連都営協・理事会
 
2009年7月29日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】是正できなければ会社が潰れる/警視庁「タクシー目の敵作戦」を予告/東旅協、交通問題で緊急代表者会議
【 東京 】麻生首相が全タク連訪問/富田会長ら在京幹部と会談
【 東京 】適正化新法の厳正な執行/民主党がマニフェスト&政策インデックス
【 東京 】適正化新法「廃止不可能」/国交省、規制改革会議に回答
【 東京 】新法施行踏まえ行政への働きかけを/ハイタク労働6団体が東旅協に要請
【 東京 】10月目処に具体案策定/交通共済「示談代行検討小委」
【 東京 】銀座等で幹部らが街頭指導/日交G、8月14日まで
【 東京 】六本木交差点付近で緊急指導/29日にチェッカーG
【 東京 】浅草で飲酒運転撲滅キャンペーン
【 東京 】個タクの参入規制に異議/東個労・バーベキュー大会
【 東京 】交通労連・東京ハイタク労連が移転
 
Faxpress 関西版

遅れる「名義貸し」の最終判定
   近運局、改善猶予期間過ぎて4カ月

【 大阪 】「名義貸し」を巡る最終判定が遅れている。近畿運輸局は、昨年6月6日に国土交通省が示したタクシー業の名義貸し行為(道路運送法33条違反)判断基準に基づく調査の結果、ワンコイン堺(堺市南区)、イーグルタクシー(同市中区)など3社で同基準に抵触する事項があったとして、速やかな改善を指示していた。ワンコイン堺とイーグルタクシー幹部は昨年末の指摘以来、同局を訪問し、名義貸し基準に抵触するとされる部分の改善に向けて取り組んできた。
 長井総和・自動車交通部長は先月16日の定例会見で、「まだ確認作業が続いている。財務諸表が出てきた。その意味では書類がある程度揃ったので、現在最終的な詰めを行っているところ。できるだけ時間を置かずに判断をしたいと思っている」と語った。
 旅客第二課は3日、「猶予措置が講じられたのは3月末まで。すでに一定の調査は終わったが、経理(処理)の問題の判断には時間がかかる。しかし判断基準の項目はいくつかあり、ひとつの抵触で判断するのではなく全体での判断になる。結果として道運法33条違反となれば、それに基づいて処分となる」とコメントしている。
 昨年11月13日の調査結果の公表では、「乗務における運賃・料金収入の全額を事業者収入に計上しておらず、また、運転者に対しては賃金としての支払いではなく、運転者の事業所得となる支払いが見受けられた。運転者の中には、タクシー事業を運営する経費等を自らが負担している者や、いわゆる保障給を下回る額の報酬しか受給していない者が見受けられ、一部の事業用自動車が当該事業者の資産として計上されていない」と報告していた。
 名義貸し判断基準は、雇用関係、運行管理関係、車両管理関係、事故処理関係など複数あるが、経理処理関係が初めて示されたことから、「6カ月を限度とする猶予期間をもって是正を求め、当該猶予期間内に改善が見られない場合に道路運送法第33条違反として処分するものとする(ただし、当該猶予措置を講ずるのは、平成21年3月31日までとする)」としていたが、すでにそこから4カ月以上が経過している。名義貸し行為の判断基準に抵触していると公表され、指摘された事業者も改善姿勢を見せてきた。改善ができていないのなら処分は当然だが、指導に従い改善できたのであれば法令違反嫌疑は速やかに晴らしてほしい、というのが当事者側の願いだ。
〔8月8日関西版掲載〕 <バックナンバー一覧へもどる>
2009年8月8日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】遅れる「名義貸し」の最終判定/近運局、改善猶予期間過ぎて4カ月
【 東京 】期間は「3年を超えないもの」/国交省が特定地域の指定要件
【 大阪 】さくらGの新規55両許可/近運局、運賃は審査中
【 大阪 】新ナニワ交通63両で許可申請
【 神戸 】灘タクが580円で三田地区進出へ
【 神戸 】空き待ちの巡回で燃料費アップ/川西能勢口乗り場で新たな悩み
【 神戸 】乗ってくださいキャンペーン/全自交兵庫、チラシで周知
【 奈良 】高円交通が2両増車へ
【 大津 】滋賀タクシーGが譲渡譲受申請
【 大阪 】相互タクシーの合併認可
【 神戸 】システム改良して10月に再開/日の丸ハイヤーのデマンド実験
【 大阪 】32カ国語に対応可能/開業4カ月の「観光夢めぐり」
【 大阪 】近運局、3社を車停
※大阪運輸支局監査情報
※大阪、兵庫、京都の増減車情報
 
2009年8月7日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】本運賃以外の認可も厳格に/商都交通・三野社長「下限割れ解消後に火種残すな」
【 大阪 】大阪駅に正副会長、行政関係者ら/大タ協「タクの日」キャンペーン
【 東京 】「悪貨が良貨を駆逐する傾向」/桝野・自交局長、退場促すマーケットに
【 大阪 】大阪の最賃14円引き上げへ/地審答申、時間額762円に
【 京都 】抽選でタクシーギフト券/京乗協はうちわとアンケート
【 神戸 】兵タ協は抽選で「初乗り券」
【 大阪 】ワンコイン八尾、苦渋の減車対応
 
2009年8月5日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】大阪、堺両市にタクシー券寄贈/「タクシーの日」記念、社会福祉に貢献/大タ協
【 東京 】地域計画は「適正車両数」重視/新法関連省令・基本方針案
【 大阪 】「新法は利用者無視」と批判/逆風のワンコイン2社
【 大阪 】65歳以上が30%に迫る/大阪の乗務員
【 大阪 】ワンコイン八尾、15両すべて減車
【 大阪 】3社合同でショットガン/長尾駅の橋上化工事で新プール
【 神戸 】プリペード割引を追加申請/オーシャン交通G2社
【 東京 】7月のオートガス/大阪市は61.5円
 
 
2009年8月1日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 東京 】下限割れ、大型割引排除の方向/GL策定へ運賃制度研究会の議論終結
【 大阪 】即日結審、10月29日判決/全自交大阪国賠訴訟・控訴審
【 大阪 】江戸城落城後も、なぜ大阪の戦い?/全自交国賠訴訟・報告集会
【 大阪 】加重処分現実味でそれぞれの判断/特特地域の増車巡って
【 大阪 】交通問題は改善の兆し/枚方市駅のレーン規制、順調に
【 神戸 】松本会長「表彰に恥じない行動を」/兵タ協が優良乗務員表彰式
【 神戸 】日新オートが事業休止届
【 大阪 】通院高齢者のニーズに対応/花菱タクシー・菱井社長
【 大阪 】譲渡譲受の鳩タクシーを監査
【 神戸 】みなと交通が増車、新設取り下げ
【 大阪 】西井氏の弁護人を証人申請へ/相続税法違反事件・控訴審
【 大阪 】東大阪オーケーを新規許可
【 奈良 】近鉄タクシーG、代取交代
【 大津 】滋賀ヤサカ自動車、草津営業所認可
【 奈良 】テイサンキャブ奈良、大口割引認可
【 京都 】都タク、総選挙で時間運賃割引
 ※大阪、兵庫、京都の増減車情報
 
2009年7月31日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】下限割れ是正へ大タ協に協力/交友会協組、チケット拡販でも連携模索
【 大阪 】M交通の区域拡張で反対聴聞/近運局、結論は9月初旬までに
【 大阪 】大阪市域の中型2万5000円台回復/6月輸送実績、その他地域は3万円台に
【 大阪 】大阪山陽タクシー再建検討小委/会社側、事業継続確約なし
【 大阪 】経過順調で早期の合理化も/関協の携帯無線配車実験
【 大阪 】いずれは電気自動車も見学へ/大タ協 照屋・車両資材委員長
【 前橋 】慰労幹事会で政策要求の意見集約/交通労連ハイタク部会
 
2009年7月29日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】ポスト赤バス「具体的代替案を」/大交労組、完全廃止決まっていないが…
【 大阪 】「名義貸し」判定、近く結論/近運局の確認作業が最終段階
【 大阪 】「佐野南海交通」の設立目指す/裁判闘争報告で堀川・労組委員長
【 大阪 】雇用保険なし→訓練・生活支援/新制度にタクシー追加の要請を
【 大阪 】枚岡交通「労組共済」を新設
【 神戸 】サン無線、玉田前理事長が続騰
【 大阪 】ポータブル清浄器を導入/オービーシー、新型インフルも視野
【 大阪 】延期の内覧会8月31日に/システムオリジン「新タクコン」
【 大阪 】近運局がグリーン経営講習会/9月18日、大阪で開催
 
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