ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2012年12月3日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信

規制緩和と規制強化で分野を峻別
専修大・太田教授が基調講演で提唱
タクシー生誕100周年記念シンポ〜パネルディスカッション

 全国ハイヤー・タクシー連合会(富田昌孝会長)が11月22日、タクシー生誕100周年記念事業の締めくくりで開いた記念シンポジウム。前号では事業活性化に向けて全国業界の一層の団結を訴えた富田会長の冒頭あいさつと、来賓として登壇した本田勝・国交審議官の叱咤激励の弁を紹介した。今号では、それに続く太田和博・専修大学教授による基調講演、太田氏をコーディネーターとしたパネルディスカッションのもようを紹介する。「タクシーサービスと交通政策のあり方」と題した基調講演で太田氏は、分野を峻別した上での規制緩和と規制強化の組み合わせを提唱。全国一律の政策から地域ニーズを重視した政策への転換という方向性を打ち出した。

 基調講演の中で太田教授は、今後のタクシー政策のあるべき方向性について「競争が機能する分野と機能しない分野を峻別すること」「地域ごとにニーズに合ったタクシー政策を実施すること」の2つの原則を提示した。従来から、東京乗用旅客自動車協会に設置されていた「タクシー政策研究会」でも同氏らが主張していた流し地域と非流し地域の規制の区別―の延長上にあるもので、今後の立法政策論議にどのような影響があるのか否かも注目される。
 太田氏は、タクシーを含む地域公共交通の類型を3つに分け、@公共運送人義務を負うもの=対価を払う意思のあるものに対し、供給する義務を負うA公共サービス義務=採算に関係なく、公共目的のためサービスを供給する義務を負うB需要に応じた多様なサービスを提供する=利用者ニーズに応じた多様なサービスを提供すべき(従来の『公共交通はできるだけ一律であるべき』という考え方とは異なる)―とした上で、旧運輸省による需給調整規制撤廃方針や改正道路運送法施行によるタクシー規制緩和により、「民間事業者が免許制で支えられ、内部補助で維持してきた公共サービス義務の側面は後退し、その役割は@とBに絞られてきた」と指摘した。一方、タクシー適正化新法施行後の状況について太田氏は赤字事業からは単純に撤退しても良いという考え方から、あるべき活性化の姿として「弱者のためのサービスも求められ、従来の考え方に近づいている」との見方を示した。
 これらタクシーの位置づけの変化などについて解説した後、太田氏は今後の政策のあるべき方向性に言及。第1の原則として「競争が機能する分野と機能しない分野を峻別すること」を提示、競争が機能しない分野(流し営業など十分な選択ができない分野)では、同一サービスと同一の運賃、需給調整規制が有効との考えを示すとともに、競争が機能する分野(無線タクシーなど選択可能な分野等)ではさらに自由化を進めることなどを提唱した。
 また太田氏は「競争が機能する分野とは公共性が低い分野とも言える」とし、「この分野は市場による選択に任せることで良いのではないか」と述べた。また、今後制定されるだろうタクシー関係の立法についても「この辺りの切り分けがどうなされるかだと思う」とした。第2の原則としては「地域ごとにあったタクシー政策の実施」をあげた。
 太田氏は「国交省としても規制緩和後、国として全国一律にやれる政策の幅は狭まったと意識しているのではないか。むしろ、タクシー適正化新法の施行、地域協議会での取り組みを通じて『地域』の公共交通機関という意識が関係者間に浸透してきたと思う」と述べた。また、東京の地域協座長の経験から「同地域協では『東京の行動が全国に波及する』との言い方がしばしばされるが…」とし、そうした考え方自体が過去のものになりつつあることを示した。

パネルディスカッション
 全タク連は11月22日のシンポジウムの中で、専修大学の太田和博教授をコーディネイターに、国土交通省の若林陽介審議官、横浜市立大学の中村彰弘教授、フリーアナウンサーの青山佳世氏、北海道ハイヤー協会の加藤欽也会長、東京乗用旅客自動車協会の川野繁副会長をパネリストとして、パネルディスカッションを開いた。パネリスト5氏の主な発言要旨は次の通り。

若林氏「なんでも引き受けるタクシー」
 〈若林氏〉▽基調講演における「競争すべき分野」と「そうでない分野」という話は目から鱗という気がする▽民主党、自民党のタクシー関係法案もそうしたところをどう見るかという話だと思う。公明党も含む3党はそういう意識を持っていると思うし、国交省もそのことを踏まえてしっかり支えたい▽我が国の大きなターニングポイントとして人口減少と高齢化があり、人口のピークは2010年。このままいけば2100年には人口5000万人で高齢化率は40%を超える▽地方の中山間地では高齢化が進み、マイカーを運転できなくなる人がさらに増え、タクシーへの期待は大きい▽過疎地だけでなく、なんでも引き受けるタクシーがあれば新しい需要は出てくる▽公共交通機関としての機能をしっかり果たせるタクシー業界を作りたいと思う。

中村氏「利用者も高齢化」
 〈中村氏〉▽タクシーは乗務員だけでなく、利用者も高齢化が進んでいる▽過疎地でのニーズを研究すると、一定の年齢を超えたところから公共交通機関としてのタクシーへの期待は高まる。

青山氏「輸送の安全が評価対象」の不思議
 〈青山氏〉▽東京の法人タクシーランク評価制度の検討にも参画したが、何を評価するのかというとき、「輸送の安全」や「法令遵守」が対象となっていることに驚いた▽それらの要素は本来、守られていて当然のことではなかったか▽いまもその評価の対象は変わっていない▽自動車の分野ではマイカー以外は公共の乗り物であり、タクシーもその一つ▽どんなニーズにも対応していけるものが最終的に生き残る。

加藤氏「過疎地の実態に理解を」
 〈加藤氏〉▽都市型の経営を土台に論じられる地域がある一方、東京・大阪とは違う過疎地の問題がある。思った以上に過疎が進んでいる地域があり、北海道では保有30両未満の零細事業者が全体の90%以上を占める▽過疎がぐっと進んでいる街では、そもそもタクシーもなくなっており、ニーズに応えるものはいない▽交通基本法案も廃案になったが、移動する権利という理念はいまも実現していない▽そういう地域が現実にあるということを行政も都市部の事業者も知っておいて欲しい▽6大都市圏以外では、このままではタクシーは衰退するばかりだ。

川野氏「規制と緩和の繰り返しでなく」
 〈川野氏〉▽供給過剰により、タクシー業界は社会的責任を果たせなくなりつつある。背景には需要が縮減期に入ったことと規制緩和のダブルパンチがある▽タクシー適正化新法の施行後、活性化にも取り組まれているがインパクトのある新しいビジネスモデルは登場していない▽環境の変化に対応できる会社が生き残る。企業が変わることは経営者が変わることでもある▽地域公共交通機関としての役割を果たすには、通常の企業経営とは違う考え方も必要だろう。赤字は論外ながら、EVやHV、福祉タク・UDタク導入などの公共性の高い課題もトレンドとして存在することは間違いない▽タクシーの100年は規制強化と緩和の繰り返し。これからの100年も同じことを繰り返すのか考える必要がある▽どちらが良い・悪いという発想からの転換が必要で、利用者が選べるもの、選べないものと2つのマーケットに対応することが必要▽運賃と料金を切り分け、付加価値があり説得力のあるサービスでしっかり料金をいただくことを考える必要があり、それが事業者にとってチャレンジではないか▽行政の力だけでカバーできない法令遵守をわれわれ自身どう考えるか。事業者団体の役割も変化していくのではないか。

〜100周年シンポ・意見交換会
       武藤局長「目指すべき方向は同じ」

 全タク連は22日、シンポジウムに引き続き、別会場で参加者らによる意見交換会を開いた。来賓として国土交通省自動車局から武藤浩局長、鈴木昭久・旅客課長ら幹部が出席した。意見交換会は川鍋一朗・総務委員長の司会で進行し、藤原悟朗副会長が「100年を機にさらに団結しよう」と開会あいさつ。続いて武藤局長が「シンポジウムで若林(陽介)大臣官房審議官がタクシーの将来についてかなり突っ込んだ意見を述べたそうだが、(国交省も)目指すべき方向は同じ。そうなるよう頑張るし、業界の需要開拓の取り組みには行政として支援していく」と強調した。
 また、武藤局長は「(タクシー業界の)厳しい現状は十分に認識している。3年前にタクシー適正化新法を施行、各地で適正化、活性化の努力が進められ、供給量の減少などで日車営収の改善も見られている。さきに特定地域の再指定をさせてもらったが、さらに仕組みを改善できないかと与党民主党の指導の下、(国交省として)汗をかかせてもらっている。衆院解散で先行きどうなるか見通せないが、引き続き業界と緊密な打ち合わせを進め、しっかり汗をかかせていただく」とあいさつした。
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No469. 12月3日号  主な内容
■巻頭人物 :本田勝氏(国土交通省・国土交通審議官)
■気になる数字 :18.5%/東京都特別区・武三交通圏の特定事業計画による減休車率
■ミニトピックス&ダイジェスト
          :規制緩和と規制強化で分野を峻別〜全タク連・タクシー100周年記念シンポ
          :大阪府警天満署に聞く〜北新地問題
          :定款変更案否決!〜都個協、一般社団法人への移行困難に
          :悪質違反多発で東運支局が通達〜無免許、ひき逃げなど23年以降19件
          :円滑な移転と輸送秩序の確立へ〜JR大阪駅タク乗り場移転問題対策協
■東西往来  :自力が問われる巳の年に/大タ協「飲酒運転撲滅隊」が行く
■この人/この言葉 
          :根本克己氏、中島通氏、坂東幹雄氏、小川敬二氏
■シャッターチャンス 
          :タクシー経営者が減る時代に?/「違法行為」の説明しっかりと
          :さあ、総選挙とは言うものの…/「高感度な大人たち」に期待大
■アラカルト :<内外交差点> 避けて通れぬ“匂い”の問題  中村雅明氏C
          :<連載第5回>  多田清社長殿創業史―「相互十年」を読む         
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交通界ファックスプレス(『交通界21』特別サービス号/ 週3回配信)

 

Faxpress 関東版
 日個連系代議員らに直接説明も
    都営協・中島理事長は検討委設置の考え
      定款変更問題で都個協・木村会長
【 東京 】東京都個人タクシー協同組合は11月27日、中野区の個人タクシー会館で第4回理事会を開き、22日開催の都個協臨時総会の報告を行った。木村忠義理事長(都個協会長)は「一般社団法人移行に伴う定款変更案が否決され、新年度に合わせた移行は極めて難しくなった。日個連都営協の代議員や理事に変更案の趣旨がきちんと伝わっていなかったと思われる。反発はあるだろうが、私が直接出向いて説明させてもらえないかと思っている」と述べた。
 木村氏は、「都個協の年度始まりの来年5月に間に合わせるのは極めて難しくなった。それ以降に認可されても会計年度をまたぐため、決算総会を1年間に2度開催しなければならなくなるなど問題が出てくる。来年11月末までに移行申請ができなければ解散とみなされるし、申請していても万が一認可されなければ『みなし解散』となり、リスクを考慮した対策が必要となる。今回、少なからぬ日個連都営協の代議員が反対に回ったのは組織問題もあったようだが、理事定数枠や代議員定数枠の件できちんと移行の趣旨が伝わっていなかったことが大きいと感じている。余計なお世話と言われるかもしれないが、私自身が出向いて説明させてほしいくらいだ。時間がなくなってきているが、何とか頑張って乗り超えたい」と述べた。
 日個連東京都営業協同組合も同日、豊島区の日個連会館で第7回理事会を開催した。中島通理事長(都個協副会長)が都個協臨時総会について報告、「今後の対応策は都個協正副会長会議などで議論して決めていくことになろう」とし、特に議論されることなく終わった。定款変更案に反対の立場のある理事は本紙に、「理事も交えた拡大会議の総意に応えることなく臨総にかけた責任を問おうという意見もあったが、同案は否決されたのだから、まず代案を考えなければならないと思い、とどまった」とした。
 一方、中島理事長は11月28日、本紙に対し「反対の理事、代議員も社団組織が大切だということは分かっているはずだ。できるだけ早い時期に、反対者も含めた検討委員会のようなものを内部で立ち上げて対応策を考えたい」と述べた。
〔12月1日関東版掲載〕  <バックナンバー一覧へもどる>
2012年12月1日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】日個連系代議員らに直接説明も/都営協・中島理事長は検討委設置の考え/ 定款変更問題で都個協・木村会長
【 横浜 】108条通報事案「逃げ得ない」/関運局、案件膨大で処分に時間
【 東京 】デジタコ等の補助金申請延長
【 福岡 】タクシー法案成立は来夏の参院選後に?/第一交通産業・黒土会長が見通し
【 東京 】22社・84人が受講/東旅協・三多摩支部のUD研修
【 東京 】LPG12月CPはやや下げ
【 東京 】配車アプリでキャッシュレス/日本交通がグループのタクシーで
【 東京 】マーケティングの努力を/名古屋大大学院・加藤准教授
【 東京 】私鉄東ハイ労が「安マネキックオフ」/各単組の事故情報持ち寄り討議
【 東京 】タクセン、優良運転者表彰式
 
2012年11月30日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】東運支局、悪質違反多発で通達/無免許、ひき逃げなど23年以降で19件/東旅協等に指導の再徹底促す
【 東京 】スキーバス等も400キロまで/国交省、運転者配置基準を改正
【 東京 】「廃止ありき」のムードに変化/厚労省・第3回厚年基金制度専門委
【 東京 】34社156人を優良表彰/チェッカーキャブグループ
【 東京 】「バスレーン乗り入れ」で申し入れ/東旅協武三支部、武蔵野警察署に
【 東京 】公共交通にふさわしい賃金を/全中労・定期大会で茨木議長
【 前橋 】東京交運労協、米田議長ら再任
【 横浜 】新議長に神交運・石渡委員長/全神奈川ハイタク労組連絡会議
【 東京 】都内初の医療搬送事業者/ライフサポートを認定へ
 
2012年11月28日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】「違反10件で20日車停」が現実に/違法駐停車で事業者処分/東京運輸支局が処分基準適用へ
【 横浜 】死亡事故増加に警鐘/定例会見で内波・関運局長
【 横浜 】特区・武三の削減率18.5%に/事業再構築、10月に3社12両上積み
【 東京 】関運局講師派遣の意味説く/都個協理事会で木村会長
【 東京 】都内10カ所で事故防止呼びかけ/東旅協、12月4日に実施
【 東京 】多摩のUDタク、12月10日に出発式
【 東京 】六本木交差点、新年も重点対応/東旅協の特別街頭指導計画
【 東京 】認知症サポーター養成/東旅協武三支部が取り組み決定
【 前橋 】タクシーのバスレーン通行は認めず/東京交運労協の要求に警視庁
【 ソウル 】タクシーの公共交通化で混迷/韓国でバス業界が反発、全国ストも
【 ニューヨーク 】NY市がスマホ配車規制へ/ユーバーがサービス停止 
 
2012年11月24日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】規制緩和と規制強化で分野を峻別/全国一律から地域ニーズ重視へ/タク100周年シンポ、基調講演で太田教授が提唱
【 東京 】タクシーの方向性めぐって/パネルディスカッション
【 東京 】武藤局長「目指すべき方向は同じ」/100周年シンポ・意見交換会
【 東京 】定款変更案の再提出にはリスク/都個協・木村会長「受け皿づくり」へ
【 東京 】タクシー犯罪が増加傾向/東京タク防犯協力会が講習会
【 横浜 】乗務員不足に危惧の念/神タ協・役員会で伊藤会長
【 東京 】人身事故、15件増の206件/東個交通共済、24年度上半期
【 東京 】日交グループ連絡協が総会
【 東京 】京自労書記長に見須氏
 
2012年11月23日号 関東版臨時号 ニュースヘッドライン
【 東京 】本田・国交審議官が業界を叱咤激励/富田会長「政治、行政の力が必要」/全タク連・タクシー100周年記念シンポ
【 東京 】一般社団法人移行、困難に/都個協、臨時総会で定款変更案否決
【 東京 】削減目標達成が目的ではない/東京地域協・太田座長
【 東京 】毎月5日を「事故ゼロの日」に/東旅協、来年1月から実施へ
【 横浜 】15地区中4地区が減収/関運局管内、10月原計輸送実績
【 東京 】代行割れ問題を協議/厚労省・厚年基金専門委
【 東京 】自交東京が単組代表者会議
 
2012年11月21日 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】適正車両数は据え置き/減休車の状況、社名付きで公表/東京4交通圏・特定地域協開く
【 東京 】タクシー事業「100年の計」/全タク連、22日に記念シンポ
【 横浜 】ハイタク関係は24人/関運局、陸運・観光従事者表彰
【 東京 】活性化は労働条件改善が前提/交労東ハイ労・斉藤委員長
【 名古屋 】アクセル踏み違いの事故防止/トヨタが新技術開発
【 東京 】タクセンが清掃活動/21日亀有駅、22日金町駅で
【 東京 】タク業界と思惑にズレも/次世代タク問題でスタンド業界
【 東京 】予想を超える受講人数に/三多摩支部のUD研修
【 東京 】交通基本法30年のフランス視察/交運共闘・調査団
【 東京 】車停は法人6社、個人1者/関運局、10月のハイタク処分
【 東京 】三葉交通・墨田営業所移転
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Faxpress 関西版
500円運賃の認可求め提訴
    ワンコイン八尾、「強制」による取り下げは無効
      

【 大阪 】ワンコイン八尾(大門法子社長、八尾市)は11月28日、近畿運輸局(大黒伊勢夫局長)に対し、2キロ500円運賃の認可義務付けを求める新たな訴訟を大阪地方裁判所に提起した。
 同社は1年間の期間限定で初乗り500円運賃の認可を得て平成20年4月18日から営業を開始し、翌21年4月16日に再び1年の認可を得て以来、翌22年4月17日からほぼ1カ月ごとに認可期限を延伸され、今年6月30日まで2年以上延伸が続く中、5月30日に590円の査定通知を受け、値上げ指導に応じなければ運賃を失い、営業もできなくなることから、やむなく590円への変更申請をして、6月29日付で同30日から1年の期限付き運賃認可を得て、営業を行っている。
 訴状では「500円の運賃認可申請に対し、590円の運賃認可がなされたら、それは、一部認可処分というべきもので、申請の一部拒否であるから、その取消を求める取消訴訟と、全部の認可を求める申請型義務付け訴訟を提起することができる。処分行政庁は巧妙にそのような道を残さない工夫をしている。つまり本件の場合、590円運賃認可の内示があった段階で、『(通知後2週間以内の)平成24年6月13日までに運賃申請額を大阪地区の上限運賃から運賃査定額の範囲内で設定する旨変更することができるが、変更申請がない場合は、申請を却下することとなることを了知されたい』との警告文が附記されていたので、これに応じて590円の運賃認可申請をせざるを得なかった。その結果、500円の運賃認可申請は形式上消滅した。そして本件では、500円の運賃認可申請は取り下げ、590円の運賃認可申請をしたところ、そのまま認められたので、形式上は何らの不服もないかのようである。しかし、原告会社としては、590円の認可申請をしないと、(中略)営業できずに倒産してしまうから、組合の同意を得て、やむなくこれに応じたのである。許認可の申請など、私人の意思表示の効力は民法に従って判断することとされているが、この500円認可申請の取り下げ、590円認可申請は、事実上不可避的に強制されたものであるから、本来無効である」として申請型義務付け訴訟が提起できるとしている。
 また、運賃認可基準などに対し、「運転手ではない職員の人件費まで、標準で査定される。事務職、内勤の職員の給料は、いかに安かろうが、それで会社が経営できてもできなくても、国家が口出す理由はない」「普段からきちんとメンテナンスをしておれば、修繕費は少なくて済むのであるから、修繕費をたくさん確保できるように運賃を値上げせよというのは企業経営権に対する過剰介入である」などと問題点を指摘。さらに、同社では「8月からワンメーター運賃を500円から590円に値上げさせられたら、客離れが起き、増収どころか、収支率が悪化した。行政処分庁は、500円運賃であれば、収支率が大幅にマイナスなので、値上げして収支率を100になるようにと、親切にも値上げしてくれたものであるが、この行政処分庁の考えが成り立つのは値上げしても同じだけの顧客が確保できるという前提がある場合である」と批判している。
〔12月1日関西版掲載〕<バックナンバー一覧へもどる>

2012年12月1日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】500円運賃の認可求め提訴/ワンコイン八尾、「強制」による取り下げは無効
【 神戸 】大黒局長と自動車関連団体長懇談/兵タ協は法制定への尽力など要望
【 大津 】滋賀の運改申請16社に
【 京都 】接客向上「選ばれる個人」に/全京・総代会で小野理事長
【 大阪 】北新地で合同街頭指導
【 神戸 】兵タ協神戸・阪神間支部が役員会
【 大阪 】下限割れ12月末まで延伸
【 大阪 】「新視令V」の基地局拡大/オービーシーG
【 大阪 】大阪ハイタク労協、新議長に前田氏
【 大阪 】ひまわり・達磨の譲渡譲受認可
【 大阪 】富士交通の合併認可
【 大阪 】奈良近鉄タク・大和交通から/服部タクへの譲渡譲受認可
【 大阪 】関西中央G、役員変更
【 大阪 】南タクシー、本社営業所移転
※大阪、兵庫、京都の増減車情報
 
2012年11月30日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】専用車減少で「奇妙なバランス」/1社平均3万円、関空タク運営協・通常総会
【 大阪 】大津市域、滋賀北部とも7割突破/滋賀業界の運賃改定申請
【 大阪 】大阪市域・中型2万8216円/大タ協、10月輸送実績
【 大阪 】対策協が正式発足、幹事会で議論へ/大阪駅タク乗り場移設問題
【 大阪 】控訴審判決は来年2月28日/ワンコイン加重罰訴訟が結審
【 大阪 】運行管理者試験の受験受付
【 大阪 】交通基本法「与野党、ほぼ合意」/大阪交運労協総会で民主・吉田氏
【 神戸 】「累進歩合給制」などテーマに/兵タ協が労務講座
【 大阪 】災害時のタクシー無線活用/近自無協が非常通信訓練
【 大阪 】12月3日「個タクの日」/全大個協会が今年もキャンペーン
 
2012年11月28日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 京都 】業界あげて軽減税率の主張を/公明党・斉藤税調会長に聞く
【 大阪 】近運局が第2回の実態調査/北新地、大タ協も独自に指導
【 大阪 】「3年前に戻ったら事業方はない」/日タク労組定期大会で吉田おさむ氏
【 大阪 】日常不断の広報活動に傾注/大タ協・道野委員長
【京都 】福祉有償運営協の委員推挙など/京乗協・理事会で承認
【 大阪 】メンタルヘルスもテーマに/大タ協が労務研修会
【 神戸 】非会員事業者と意見交換/近自無協&神戸集中基地局協会
【 大阪 】堺の飲酒運転撲滅パレードに参加/大タ協が交通安全、広報委中心に
【 大阪 】全大個協組、マナー研修会終える
 
2012年11月24日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大津 】法令遵守へ「必要な措置」/大阪自動車団体との懇談で大黒・近運局長
【 神戸 】ハイヤー運賃に関心高まる/兵タ協・常任理事会
【 大阪 】大タ協に労使懇の再開要請へ/全自交大阪地連・加藤新委員長
【 大阪 】減車対策で社会貢献が後退/壽タクシー・浦木山社長
【 大阪 】阿部野橋周辺で夜間交通規制
【 奈良 】奈良県が交通事故多発警報
【 大阪 】労働団体代表も参加/28日に大阪駅乗り場検討会
【 大阪 】スマホ配車システムの説明会/全大個協組、京都、神戸からも
【 京都 】バス、タクシー専用ロータリーに/近鉄・大久保駅東側広場
【 大阪 】全自無連がデジタル化推進シンポ/大阪で12月、専大・太田教授が講演
【 大津 】滋賀個タク協組が移転
【 大阪 】関西中央交通、役員変更
【 大阪 】協親交通、住所・役員変更
 
2012年11月21日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】北新地、自主街頭指導の取り組み評価/府警天満署、「既得権」問題は関係者の協議で
【 和歌山 】新委員長に加藤書記長/全自交大阪地連・定期大会
【 大津 】滋賀ヤサカ追随で一気に加速も/滋賀業界の運改申請
【 東京 】タクシー事業「100年の計」/全タク連、22日に記念シンポ
【 神戸 】神戸・阪神間、2万8762円/兵タ協、8月の輸送実績
【 大阪 】28日に第4回口頭弁論/ベスト交通の加重罰訴訟
【 和歌山 】来賓3氏が事業法の推進提唱/全自交大阪・定期大会
【 大阪 】自動車学校との提携模索/SAT、養成乗務員拡充へ
【 神戸 】兵タ協神戸・阪神間支部センター委
【 東京 】改定手続きの透明化など/「公共料金のあり方研」最終報告
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